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「ふじ」より上にものはなし

 いわゆるインバウンド効果の影響なのか、最近は列車名に「富士山」を付けたものが多い。JR中央本線から富士急行へ乗り入れる土休日の快速列車は「ホリデー快速富士山」という名である。いつからかこれが土休日だけではなく金曜日にも運転されるようになったが、名前に「ホリデー」が入れられないのでその名もずばり快速「富士山」となっている。

 また、これらの列車が乗り入れている富士急行には「フジサン特急」や「富士山ビュー特急」に「富士登山電車」などが走っている。さらに、その富士急行から富士山を挟んで反対側を走るJR御殿場線には小田急から乗り入れて来る特急「ふじさん」なる列車もある。

 そして、この春からは上記の「ホリデー快速富士山」や快速「富士山」が特急に昇格し、特急「富士回遊」になるという。富士山は唯一無二の存在なのに、ずいぶんと「富士山」と名の付く列車を乱立させているものだ。

 ところで、富士山の名を冠した列車の元祖と言えば「富士」である。日本初の特別急行列車の愛称として明治末期に登場し、十年前までは東京と大分を結ぶ寝台特急の列車名として使われていた。それは、私が最も強く憧れた列車でもある。

 この「富士」をはじめとして、東京と九州を結んでいた寝台特急はすでにすべての列車が廃止されたが、その列車名に用いられていた由緒ある愛称のいくつかは、新幹線の列車の愛称として続々と復活を遂げている。東北・北海道新幹線の「はやぶさ」、山陽・九州新幹線の「さくら」「みずほ」などがそれである。

 ただ、まだ「富士」の名は復活していない。漢字表記だから新幹線の列車名には使いにくいのだろうか。いずれにせよ、富士山に関する列車名が乱立している今、元祖「富士」の名は簡単には復活させてほしくないものである。

 そういえば以前、山梨県の富士吉田市を訪れたとき、面白い話を聞いたことがある。

 富士山の御膝元に位置し、北口冨士浅間神社が鎮座する富士吉田は古来富士山への信仰が篤い地域であるが、その富士吉田では昔から「富士」と書かずに「冨士」と書くことが多いそうだ。最初の「とみ」の字にウかんむりでなくワかんむりを使うということである。これは「とみ」の字のかんむりを富士山に見立て「ふじより上にものはなし」という、富士山への敬意を表しているのだそうだ。

 もっとも、昔は一般的にウかんむりでなくワかんむりを使うことの方が多かったようなのだが、富士吉田における富士山信仰の篤さを物語る話ではあると思う。

 そんな話を聞いた私としては、今後もし「富士」の名が列車名に復活することがあったとしたら、ぜひ「冨士」という表記にしてもらいたいと思っている。

 それはまさに「ふじより上にものはなし」という富士山への敬意を込めた愛称であってほしいからである。
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by railwaylife | 2019-01-26 19:35 | その他 | Comments(2)

夕景のシルエット

 鉄道のある夕景が好きで、夕暮れ時に時間さえあればその風景を見に行き、写真を撮ったりしている。

 もっともその撮影は文字通り下手の横好きであって、なかなか巧く撮れるものではない。そもそも夕景は被写体の中で明暗の差が大きいので、撮影対象としては難しいものだと思う。

 それでも、カメラの設定をいろいろと調べてみたり撮り方を工夫したり試行錯誤を続けている。そしてその撮影を楽しむようにしている。

 そんな中で最近思うのは、結局鉄道のある夕景の行き着くところは、こういう列車のシルエットの風景なのかな、ということである。
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 夕空のグラデーションを背に、列車のシルエットを黒く浮かび上がらせる。これが一番わかりやすい風景のような気がする。

 だから、こういうシルエットの風景を、今年はいろいろな場所で捉えられたらいいなあと思っている。


東京メトロ
9000系電車 東急目黒線多摩川駅~新丸子駅にて 2019.1.5
by railwaylife | 2019-01-19 23:15 | 東急目黒線 | Comments(0)

半々くらいと思いきや

 山手線の新型E235系は、みるみるうちに数を増やしてきている。

 今や旧型のE231系500番台と半々くらいになったのかなあとぼんやり考えていたが、調べてみるとすでにE235系の方が数が多くなっていた。これには驚いた。E235系とE231系500番台の比率は現在、6:4くらいになっている。

 こうなってくると、山手線に乗るときにはE231系500番台が来ないかなあなんて期待しちゃうのだろう。わざわざE231系500番台の運用を調べて写真を撮りに行ってしまうかもしれない。

 そんな自分が愚かしくも思えるけど、そのE231系500番台を見ておきたいという気持ちにかこつけて久々に山手線沿線をぶらぶら歩き、楽しんでみるのも面白いかな、なんて思ったりしている。
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JR東日本E231500番台電車 山手線品川駅~大崎駅にて 2019.1.6
by railwaylife | 2019-01-17 22:00 | 山手線 | Comments(0)

小寒サンライズ

 二十四節気の一つ、小寒の日、早朝に東京へやって来る上り寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」を出迎えた。
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 一年で一番日の出が遅いこの時期、ちょうど日の出の時刻を過ぎたばかりの頃に寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」は東京に現れる。まさにサンライズに「サンライズ」となる季節だ。

 ただそれは、一年で一番寒い時期でもある。この日も小寒とは言いながら、だいぶ冷え込んでいた。

 そのピンと張り詰めた冷気の中で、足元の八ツ山橋に一両一両が吸い込まれて行くのを見つめていると、この列車が貫いて来た凍てつく夜のことがふと想われた。


寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」 東海道本線品川駅~川崎駅にて
2019.1.6
by railwaylife | 2019-01-16 22:40 | 寝台特急 | Comments(0)

見損ねた風景

 丸子の多摩川には足繁く通うようにしているが、昨年2018年の終わりはいろいろと忙しくて、その訪問の間がだいぶ空いてしまった。そして、ようやく年末に訪れたときにはすっかり川原の風景が変わってしまっていた。
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 ここの木々の葉が落ちるさまも、まったく見ることができなかった。

 いや、落葉はおろか、葉の色が染まってゆくさますら見られなかった。

 そのことが何とも悔しく思えたし、この場所に対して申し訳ないようにさえ思えた。

 今年は、葉の色が染まり、落ちてゆくのをじっくりと見られるようでありたい。


横浜高速鉄道
Y500系電車 東急東横線多摩川駅~新丸子駅にて 2018.12.29
by railwaylife | 2019-01-12 22:40 | Y500系 | Comments(0)

5扉車の終焉

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 東京メトロ日比谷線では現在、03系から13000系への置き換えが進んでいるが、すでに03系の5扉車はすべて13000系に置き換えられたそうだ。知らない間に、5扉車が消滅していた。

 混雑緩和の切り札として導入された多扉車であるが、ホームドアを設置する上でのネックとなり、日比谷線に限らずどの路線でも淘汰が進んでいる。今は混雑緩和より乗客の安全を大事にする時代である。もはや多扉車は無用の長物というわけである。

 日比谷線の5扉車にはけっこう乗る機会があったが、好きな車両であった。5扉車の何が良いかというと、扉が多い分、一両あたりのドア際の席が多かったことである。人は何かと端の席に座りたがるものである。その、端に座れる機会の多いことが5扉車のメリットであった。たしか始発の中目黒駅では5扉のうち3扉しか開かない仕組みになっていた。そこで、列に並んで5扉車に乗り込んだら、開いていない扉の際の席を目がけたものである。そんなことも、今では過去の思い出になってしまった。

 冒頭の写真は、だいぶ前に東横線の多摩川橋梁で捉えた03系5扉車である。

 せっかくの5扉車なんだから、それとわかるように撮ればいいものを、手前の夾竹桃がかかって扉の一部が隠れている。何でわざわざ扉を隠してしまったのだろうか。夾竹桃の花がたくさん咲いていればまだ良かったけれど、花はショボショボである。

 でも、こんなふうに5扉車を撮ったこともまた、私の思い出の一つである。


東京メトロ
03系電車 東急東横線多摩川駅~新丸子駅にて 2012.9.16
by railwaylife | 2019-01-09 00:00 | 東京メトロ | Comments(0)

銀河の朝

 寝台急行「銀河」は、東京と大阪を結ぶ夜行列車であった。

 同じ東海道本線の夜行列車でも、九州・四国・山陰へ向かう寝台特急と比べれば運転距離が短かかった。だから、終着の大阪に着くまでは大げさに言えば「あっという間」の気がした。それで、朝早くに大阪駅に着いたときは「もう終着か」という気持ちとともに「もっと寝台列車に乗っていたかったなあ」という想いが湧いてきた。神戸でも姫路でも、あともう少しだけでいいから行ってくれ、そんな想いで朝の大阪駅ホームへ降り立ったものであった。

 その虚しい気持ちを、眠たげな心地とともに抱えながら、さらに西へ向かうべく新快速に乗り継いだことが、寝台急行「銀河」乗車での思い出の一つである。
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寝台急行「銀河」 東海道本線大阪駅にて
2003.1.4
by railwaylife | 2019-01-04 23:35 | 寝台特急 | Comments(0)

大井町線2000系

 昨年十一月から、田園都市線を追われた2000系が大井町線を走り始めた。

 身近な路線に新しい車両が走るようになるのは興味深いことである。それで走り出してからすぐに、大井町線を走る2000系を見に行ってみた。
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 大井町線仕様になった2000系は、見た目には9000系とほとんど変わらなくなっていた。

 それで、今までさんざん見てきた9000系が往く光景と何ら変わりがなく、何の新鮮味もなかった。ちょっとがっかりしてしまった。

 ただ、2000系と9000系では、走行音がだいぶ違う。それで、電車が近付いて来るときの感じは両者でかなり異なる。だからこれからは、その違いを楽しめばいいんじゃないかなと思っている。


東急
2000系電車(2003F) 東急大井町線緑が丘駅~自由が丘駅にて 2018.11.18
by railwaylife | 2019-01-03 23:15 | 東急 | Comments(0)

元日の想い

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 また一つ、新しい年が明けた。

 自分が歳を取った所為なのか、時代の変化の所為なのか、最近は年を追うごとに年末年始の雰囲気が薄らいでいくように感じられ、年が改まったという実感も得がたくなってきている。

 それでも、新しい年を迎えたときには一度リセットし、また新たな気持ちで生きていこうと思う。

 このブログについても、改めてまた、これから楽しんでいこうと思う。

 そして、叶うことなら今年は、昨年よりも多くの記事を掲載できるようでありたいと願っている。

by railwaylife | 2019-01-01 23:35 | 生活 | Comments(2)