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マグノリアの小径

 浜田省吾のアルバム「Journey of a Songwriter ~旅するソングライター」が発売されたのは2015年4月29日のことであった。

 ゴールデンウィークのその時期に初めてこのアルバムを聴いたとき、残念に思ったことがあった。

 それは、一曲目の「光の糸」の出だしの歌詞が「早春の入り江に」だったことである。ゴールデンウィークだと早春は過ぎたばかりである。それで、できれば早春のうちにこの曲を聴きたかった、と思った。

 しかし、この「光の糸」の歌の舞台は、早春の入り江でなければならなかった。そのことは、アルバムの最後の方まで聴くよくとわかることであった。

 ただ、もう一つ同じように残念に思った曲があった。

 それが、四曲目に入っている「マグノリアの小径」である。

 曲名になっている「マグノリア」は花の名で、モクレン、コブシ、タイサンボクなどの総称だいう。それで、歌詞の中には「モクレンの花の下で踊ろう」という一節もある。

 このモクレンもまた、早春の花である。

 だから「マグノリアの小径」を初めて聴いたときにもやはり、この曲を早春のうちに聴きたかった、と思った。


 それから一年近くが過ぎ、この2016年の春を迎えた。いつしかアルバムの中でも一番のお気に入り曲となった「マグノリアの小径」を聴くようになってから、初めて迎えるモクレン咲く季節である。

 その季節を、私はこれまでと違った特別な気持ちで迎えていた。ようやく「マグノリアの小径」の季節が来たな、という想いである。そして、街のあちこちに咲くモクレンを眺めながら、脳裏にずっと「マグノリアの小径」の曲をかけていた。

 それと同時に、花と列車のある風景が好きな私は、どこか線路際の小径で、モクレン越しに列車の往く風景を見送れないものだろうかと思うようになった。

 しかし、忙しい春先のことだけになかなか時間もなく、そういう風景を巧いこと見つけられるほどの余裕はなかった。

 だから、次の春でも、その次の春でもいいから、いつかモクレン越しに列車の往く風景をゆっくりと眺めたいと今、強く願っている。
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by railwaylife | 2016-04-29 23:10 | | Comments(0)

熱き心に2016

 小林旭の歌う「熱き心に」は、幼い頃から慣れ親しんだ曲である。祖父母が好きで、よく聴いていたからだったと思う。

 それで、大人になってからもこの曲をMDに入れ、旅の途中にポータブルプレイヤーで聴いたりしていた。それは、この曲が「北国の旅の空」という歌詞で始まるためでもあった。

 その「北国」を、私は勝手に東北地方になぞらえていた。

 実際には、後の歌詞に「オーロラの空の下」なんて出てくるから、アラスカとか北欧とか、そのあたりなのかもしれない。でも私は若い頃、東北地方を旅しながらこの曲をよく聴いていた。東北地方は私にとって、幼い頃から憧れ続けた「北国」であった。

 ただ、この「熱き心に」を気に入っていたのは、単に歌詞が旅に合うからという理由だけではない。この曲が、大瀧詠一の作曲であったからでもある。

 大瀧詠一の楽曲もまた、幼い頃から慣れ親しんでいた。母が好きでよく聴いていたからである。大瀧詠一の生み出すいわゆる「ナイアガラ・サウンド」は、私の脳裏に染みついていると言って良い。

 小林旭の「熱き心に」もその「ナイアガラ・サウンド」であったわけだから、心地良いことこの上なかった。

 そんな「熱き心に」を、もし大瀧詠一が歌っていたらどんな感じだったのだろうか。是非聴いてみたかった。いつからかそう想うようになっていた。

 そんな願いが、この春に期せずして叶うこととなった。先月発売されたアルバム「
Debut Again」に、まさに大瀧詠一の歌う「熱き心に」が入ったからである。

 お目当ての「熱き心に」は、アルバムの一曲目に入っていた。CDをかけ、聴き慣れた「熱き心に」のイントロが流れた後、大瀧詠一が歌い出した。その歌を聴き始めた直後、私は「やられた」と思った。私が思っていた以上に、大瀧詠一らしい歌い方だったからである。それで、思わず笑みが漏れてしまった。

 また、小林旭の歌はその声質から「重い」という感じがするが、大瀧詠一の歌は「深い」という印象があった。その深さに、私はすっかり魅せられてしまった。

 そして、一曲聴き終わったときに、ひとつ心に強く想ったことがあった。

 それは、この大瀧詠一の歌う「熱き心に」を聴きながらまた東北を旅したい、ということである。

 もう「はくつる」も「ゆうづる」も「あけぼの」も「出羽」も「鳥海」も「八甲田」も「津軽」も「十和田」も「天の川」も「おが」もないけれど、東北の花咲く春の日を、星降る夏の日を、色付く秋の日を、真っ白な冬の日を、いつかまた思うまま旅してみたい。

 この2016年春、私はそんな「熱き心」を持った。
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青森県青森市 青森ベイブリッジ
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by railwaylife | 2016-04-28 23:55 | | Comments(0)

渋谷でE235

 ついにこのブログにも、山手線の新型E235系を登場させるときが来た。

 先月から運用に就くようになり、目にする機会が増えてきた。

 その新型車両が往く風景を、まずは最も身近な街渋谷で何度か見送った。
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 この街で見送ることで、私の日常に新顔が現れたのだということを強く実感することとなった。


JR東日本E235系電車 山手線渋谷駅~原宿駅にて 2016.4.15
by railwaylife | 2016-04-26 23:30 | 山手線 | Comments(0)

小手毬を往け

 小手毬の白い花越しに、世田谷線の電車が往く。
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 ここの花を見つけたのは、桜花がまだ散り残る今月初めのことであった。緑色の花芽がたくさん出ていて、程なく白い花が付きそうであった。

 小手毬と言うとゴールデンウィークに入る頃に咲く花という印象があったので、ずいぶん気の早い花芽だ、という気はした。でも、早ければ一週間くらい後には咲いてしまうんだろうなとも思った。

 それで、次の週末に再訪したいと思ったがいろいろあって叶わず、結局再訪したのは花芽を見つけてから二週間後のことであった。

 すでに花の盛りは過ぎていて、所々の花が色褪せ始めていた。それでも、いっぱいに咲いた花が世田谷線に添えられているさまが何とも嬉しく、ありがたかった。

 だから、白い花越しに何本もの電車を見送った。
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東急
300系電車(310F309F) 東急世田谷線山下駅~松原駅にて 2016.4.24
by railwaylife | 2016-04-25 23:30 | 東急世田谷線 | Comments(0)

再開のとき

 今月の初めからちょうど三週間、記事を更新しなかった。このブログにしては、長いブランクである。

 前半は、日常の忙しさにかまけてのことである。そして後半は、ちょうど五年前の春と同じような心持ちとなって、なかなか更新できずにいた。

 五年前のあの災害が起きたときはしばらく、いったいブログで何を発信すれば良いのかわからなくなった。見る人のごく少ないブログとは言え、世の中に発信していることには変わりない。そんなブログとして、何かできることはないのかとずいぶん思い悩んだ。

 だが、私には世の中の多くの人を勇気付けることなどできない。また、たくさんの人を惹き付けるような、何か格好いいことが言えるわけでもない。

 だったら、普段通り、私の思うように更新していけば良いのだと気付いた。そしてそれを一人でも二人でも誰か世の中の人が目にして、ちょっとでも「いいなぁ」などと思って心を動かしてくれたらそれでいいんだと思った。

 それで、一ヵ月近く経ってから記事の更新を再開することとなった。



 それから五年経ったこの春、再び恐ろしい災害が起きた。

 その災害を経て、また五年前と同じようにずいぶん悩むことになってしまった。

 でも、行き着いた答えはやはり同じであった。普段通り、自分の思うように、更新を続けていくことである。それが、自分以外の誰かの役にちょっとでも立てるのならそれで十分だと思う。

 その想いを新たにし、ここからまた更新を再開したい。
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by railwaylife | 2016-04-24 23:55 | 生活 | Comments(0)

花の盛り

 4月になった。

 年度が替われば少しは日常生活が落ち着くのではないかと思っていたのだが、なかなかそうもいかず、どこか気ぜわしいままである。

 その間に、周囲の桜花は咲き揃ってしまった。

 このブログにも桜花越しに列車の往く風景を載せたいところであるが、今はまだそういう余裕もない。

 でも、焦ってみても仕方ない。

 だいたいこのブログでは例年、桜前線が日本の北端へ届こうかという頃に桜の特集を載せている。だから今年もそのくらいに載せたらいいんじゃないかなと思っている。

 今は焦らず、日常の隙間に見る桜花の風景に、もう少し魅せられていたい。
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by railwaylife | 2016-04-03 23:35 | 生活 | Comments(0)