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さようなら東館

 幼い頃からずっと慣れ親しんできた東急東横線渋谷駅とそれに連なる東急百貨店東横店は、ターミナル駅とはどんなものか、そして百貨店とはどんなものかを私に教えてくれた場所であった。

 その両者がこの春、大きな変革を迎えた。

 渋谷駅はすでに地下化し、東急東横店も東館が今日で閉館する。
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 東館は、東横店の中でも思い出の多い場所である。子供の頃におもちゃを買ってもらった玩具売場、社会人になってから行くようになった紳士服売場、家族へのプレゼントをよく買った服飾雑貨売場など、何度となく行った。また、この東館の4階のトイレがなぜか気に入っていて、買い物をしなくても立ち寄ることがあった。

 その東館以外の南館と西館は残り、来月には「リニューアルオープン」することになっているようだが、実質的には規模の縮小である。

 ずっと見慣れてきた渋谷の風景が、どんどんと変わってゆく。

 その変化の速さに、いまは追い付いていくことができないでいる。


東京メトロ
01系電車 東京メトロ銀座線渋谷駅~表参道駅にて 2013.2.9
by railwaylife | 2013-03-31 13:00 | 東京メトロ | Comments(0)

日陰梅

 白梅は日陰に入ってしまうとその鮮やかさを失い、暗い表情になる。そういうときの花は何だか陰鬱で、わざわざ愛でるほどのものでもないと今まで思っていた。やはり白梅は、早春の明るい日の光の下で見るべきものだとずっと思ってきた。

 でも、日陰にある白梅もまた白梅であり、そのときの暗いさまもまたこの花の表情の一つである。

 だから、そんな白梅の風景も楽しんでしまったらいいんじゃないか。

 今年の花を見ているうち、そう思えてきた。
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早春荏原の旅」にて
京急
1000形電車 京急本線北品川駅~新馬場駅にて 2013.2.22
by railwaylife | 2013-03-30 21:00 | 京急 | Comments(0)

梅見京急2

 先月の「早春荏原の旅」で訪れた梅屋敷公園は、数年前にも梅の花咲く時期に訪れたことがあった。ただそのときは、公園が今よりも狭かった気がする。すぐ横を通る京浜急行の線路が折しも高架化工事の真っ最中だったからである。

 たしか線路との間に高いフェンスがあって、電車の姿は見えなかった。でも、いずれ高架化されればここの梅を電車の車窓から見下ろせるようになるし、逆に梅越しに電車を見上げることもできるんだろうなとぼんやり考えていた。




 そのときがこの春ようやくやって来た。この区間の上下線の高架化が昨年秋に完成を見たからである。それで今回の梅屋敷公園訪問は、梅花を楽しむとともに、初めて花越しに見られる京急電車を楽しむためでもあった。

 公園へ行ってみると、思った通り花越しに高架は見えた。
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 しかもこのあたりの高架は上下二重構造になっていて、下り線と上り線が違う高さを走っていた。それで、下り電車と上り電車で違う風景を楽しむことができた。
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 ただ、高架の構造が複雑であるだけにごちゃごちゃとした風景になってしまい、なかなかすっきりとした梅越しの電車という風景にはならなかった。

 それでも、早春の京急電車の風景をずいぶん楽しめたと思う。
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早春荏原の旅」にて
京急本線梅屋敷駅~京急蒲田駅にて 
2013.2.22
by railwaylife | 2013-03-29 23:50 | 京急 | Comments(0)

梅見京急1

 都営浅草線の泉岳寺-西馬込間は、京急と京成への直通電車が走る区間から外れていて、いわゆる枝線のような区間である。他の区間より運転本数も少ない。

 そんな区間の運用にも、なぜか京急の車両が充てられている。運用の都合なのだろうが、相互直通運転区間から外れているところになぜわざわざ京急の車両が乗り入れているのだろう。

 もしかしたらそれは、馬込車両検修場で梅花を見るためなのかもしれない。
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早春荏原の旅」にて
京急
1000形電車 都営浅草線馬込車両検修場にて 2013.2.22
by railwaylife | 2013-03-28 22:45 | 京急 | Comments(0)

9000系の天下

 副都心線との直通運転開始という華々しさの陰で、東横線から9000系が消えた。

 だが、そうやって東横線を追われた9000系は、続々と大井町線に集結している。

 いまや、大井町線各停運用のほとんどを9000系が占めている。まさに大井町線の各停は、9000系の天下だ。

 だから、大井町線の沿線に行ってちょっと待てば、9000系は見られる。
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 そして、オシャレな自由が丘の街にも、相変わらず9000系独特のVVVF音が響きわたっている。

 そんな9000系の音や、9000系のある風景を、これからも思い切り楽しみたい。

 東横線にあった9000系の風景を楽しんでいたのと同じように、楽しみたい。



東急9000系電車(9013F9007F)
東急大井町線緑が丘駅~自由が丘駅にて 2013.3.16

by railwaylife | 2013-03-27 23:30 | 東急9000系 | Comments(0)

ひさびさ7600系

 先月のこと、久々にこの7600系電車を目にした。
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 東急では今年度中に東横線の車両の増備が完了したから、来年度からは中断していた田園都市線や池上線・多摩川線の車両置き換えが再開されるのではないかと思う。

 そうなれば、7600系もあっという間に引退である。そしてその間際には、先日までの東横線の1000系や9000系のように注目の的となるのだろう。

 そうなる前に、ひっそりとこの車両を眺めておきたい。


東急
7600系電車(7601F) 東急多摩川線多摩川駅~沼部駅にて 2013.2.17
by railwaylife | 2013-03-27 23:00 | 東急7600・7700系 | Comments(2)

モクレン曇り空

 純白のハクモクレンの花は、曇ってしまうとその空の陰鬱さを如実に映すことになる。
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 でも、そんな花の表情もまた、春先の風景のひとつとして楽しんでおきたい。


山手線
E231500番台電車 山手線恵比寿駅~渋谷駅にて 2013.3.20
by railwaylife | 2013-03-26 23:50 | 山手線 | Comments(0)

梅見地下鉄

 地下鉄の車庫というのは、路線によって場所もさまざまである。本線と同じ地下にあるところもあれば、地上に作られているところもある。街中にあるところもあれば、海の近くに作られているところもある。



 そういうさまざまな場所にある地下鉄の車庫の中で、梅園沿いにあるなんていうのはなかなかしゃれていると思う。
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早春荏原の旅」にて
都営
5300形電車 都営浅草線馬込車両検修場にて 2013.2.22
by railwaylife | 2013-03-25 22:50 | 地下鉄 | Comments(0)

まだまだ1000系

 東横線の日比谷線直通電車が消滅しても、1000系は東急線から完全に消え去ってしまったわけではない。同じ顔が池上線・多摩川線ではまだまだ何編成も活躍している。
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 もっとも、日比谷線直通電車の8両編成に比べれば、だいぶ小ぢんまりとした3両編成ではある。でも、それはそれでまた面白い。その3両編成が、東横線とは違うのどかな風景の中をコトコトと往くのは見ていて楽しいものだ。

 そんな池上線・多摩川線の1000系が往く風景を、今までの東横線の1000系と同じように、いや今まで以上に楽しんだらいいと思う。


東急
1000系電車(1022F) 東急池上線池上駅~蓮沼駅にて 2013.2.22
by railwaylife | 2013-03-25 22:30 | 東急1000系 | Comments(0)

早春荏原の旅

 2013年2月最後の金曜日であった22日は、一日休みを取った。

 特に用事もなかったので、日帰りであればどこへでも好きなところへ出かけられた。

 そういう状況で私が出かけたのは、自宅から比較的近いところで以前から行きたいと思っていた場所であった。しかも、この早春の時期にしか見られない風景のある場所であった。

 近いところというのは、いつでも行けるという気持ちもあってなかなか行かないものだ。たとえその時期しか見られない風景があったとしても、また来年行けばいいやという気にもなる。

 だから、あえてこの日は近場の旅を選んだ。




 その最初の目的地は、大田区池上にある池上梅園である。
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 ここで梅の花を愛でようという魂胆であった。

 傾斜地となった敷地に約370本の梅のあるこの梅園は、電車ではちょっと行きにくいところにある。でも、東急多摩川線の矢口渡駅からぶらぶらと歩きを楽しみつつここまでたどり着いた。

 花は咲き始めであった。それで訪れた人からは「まだ二、三分咲きだ」とか「満開はだいぶ先だろう」なんていう声が聞かれた。

 だが、私にとっては何分咲きでも構わなかった。満開でなくても良かった。花が咲いているというだけで十分であった。

 そもそもこの梅の花は、桜や桃などさまざまな春の花に先駆けて咲く。だから、満開になったとかならないということよりも、咲いたか咲いていないかということが大事なんじゃないかと思う。梅が咲いたというだけで、いよいよ春が来たと思えるものである。

 そんなことを考えながら、園内を散策した。
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 すっかり梅花のある風景を満喫したところで梅園を後にし、目の前にある国道1号線を走る東急バスに乗った。

 以前に300系を撮るため何度か訪れた馬込で東海道新幹線をくぐり、バスは東急大井町線の中延駅前に着いた。ここで下車し、大井町線で大井町駅へ出た。そして駅前のビルで昼食をとり、また東急バスに乗った。




 次に向かったのは、京浜急行の新馬場駅である。

 かつて東海道品川宿のあったこの辺りには寺社が多い。その中のひとつ、荏原神社に咲く寒桜を見に行った。

 この社に寒桜が咲いていると知ったのは前日のことであった。スマホでニュースサイトを見ているとき、偶然にもそのニュースを目にした。それで、この日の旅程に組み込まれることとなった。

 新馬場辺りには何度も来ていたが、荏原神社を訪れるのは初めてであった。
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 目黒川に面した小さな境内に、寒桜は咲き誇っていた。ずいぶんと色の濃い花である。
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 その花に見とれていると、木の下にいたおじいさんが声を掛けてきた。

 このおじいさんは桜のことについて非常に詳しく、ここの寒桜にまつわる話から桜の生態、都内の名所などについていろいろと教えてくれた。話を聞いているうちに、もしかしたらこの寒桜の化身か使いではないだろうかという気がしてきた。

 それで話をありがたく聞いていたが、いつしか内容はおじいさんの身の上話になり、延々と続いた。結局、一時間半くらい、この寒桜の下で物語を聞くことになった。その間、ずいぶん大勢の人がこの花を見に来ていた気がする。そして、朝から薄曇りで日差しもあった空がいつしかどんよりしてきてしまい、花も表情を暗くしてきた。

 次に行きたいところもあったので、その身の上話の切りのいいところで「すいません、これから予定があるので」と言って桜の下を離れた。寒桜の化身か使いかもしれないなんて思っていたから、どうも話を切りにくい雰囲気であった。だが、この寒桜の下でこのおじいさんに出会うことは宿命づけられていたような気もした。




 気持ちも新たに新馬場駅から京浜急行の普通電車に乗り南下した。都内区間の高架化が完成してから数度しか乗っていないから、車窓を眺めるのが新鮮なことであった。

 その新しい高架化区間の途中にある梅屋敷駅で下車した。文字通り、ここにも梅園がある。

 梅屋敷公園である。
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 安藤広重の「名所江戸百景」にも梅の名所として登場するこの蒲田の梅屋敷では今でも梅花を眺めることができる。ただ、公園は意外に小さく、梅の木もそんなにたくさんあるわけではない。それでも、歴史を感じながら花を十分に楽しむことができた。
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 一旦は曇った空もまた晴れてきて、花の明るい表情を見ることもできた。

 この日二ヵ所目の梅花を堪能したところで梅屋敷駅へ戻り、上り電車で品川方面へと向かった。




 この後は特に予定がなかったが、そのまま品川駅へ出てしまうのはちょっともったいない気がした。

 それで思い立って、一つ手前の北品川駅で下車した。

 この駅のすぐ近くに品川神社という大きな社がある。富士塚のあることでも知られるところだ。そこへ何となく寄ってみたくなった。
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 第一京浜に面した入口から石段を上って行くと、ここにも白梅が咲いていた。
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 花のあることは知らなかったが、期せずして三ヵ所目の梅見ができた。

 ちょうど夕日に照らされ、白い花がほんのりと紅味を帯びてきた。その表情が、この旅を締めくくるのにふさわしい気がした。




 こうして、近くの早春を探す旅は終わった。この日は風も弱くてさほど寒くもなく、春を感じるにはちょうど良い一日であった。

by railwaylife | 2013-03-24 21:15 | | Comments(0)