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6扉車の秋

 今月上旬に京都・大阪へ行ってきた奥さんが帰京して言ったのは、東京の桜は関西に比べて葉の色付きがきれいじゃない、ということであった。

 たしかに、東京の桜はあんまりきれいに色付いていない。

 色付いていないというか、色付く前にほとんどの葉が散ってしまった。だから、色付く葉はまばらである。

 夏の暑さとか、雨の量とか、いろいろ関係しているのだろうが、ちょっと物足りないことである。

 それでも、わりと多くの葉が色付いた場所を見つけ、その風景を楽しんでみた。
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 春に花咲く風景を眺めた場所で、日常の電車が紅い葉をかすめて行くのを見送った。


中央緩行線
E231系電車 中央本線大久保駅~東中野駅にて 2012.11.23
by railwaylife | 2012-11-30 23:30 | 中央本線 | Comments(0)

最後の色付き

 ここの葉の色付きを電車がかすめて行くのも今年で最後だ。
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 そんなことを取り立てて言う必要もないと思っていた。これまで、何年も何年も繰り返されてきたことだからである。

 でも、それを今まであまりにもあたりまえに感じ、さして気にも留めて来なかった。ここの並木がユリノキという名の木だということさえ知らずにである。

 だからこそ、最後だけそれを取り立てて騒ぐのは愚かしいと思っていた。



 とは言え、晩秋の寒空の下で眺めるこの風景はどこかもの寂しげであって、やはり何となく切なくなってきてしまった。


東急
5050系電車(5167F) 東急東横線渋谷駅~代官山駅にて 2012.11.24
by railwaylife | 2012-11-28 23:55 | 東急5000系列 | Comments(0)

たそがれ10000系

 たそがれの風景が好きな私としては、東横線ではまだ一編成が「おためし運転」をしているだけの東京メトロ10000系も、こんな風景の中で見送りたくなる。
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 もっとも、こんな撮り方をしてしまっては、10000系かどうかもよくわからない。副都心線のラインカラーも、丸みを帯びた独特の顔立ちもはっきりしない。

 でも、私にとってはやっぱりこういう風景を捉える方が楽しい。

 来春以降は、何編成もの10000系が東横線にやって来るだろう。

 そんな10000系を、できる限り多くたそがれの風景の中で見送ってやる。

 ひそかにそう想ったときでもあった。


東京メトロ
10000系電車(10103F) 東急東横線多摩川駅~新丸子駅にて 2012.11.3
by railwaylife | 2012-11-27 23:30 | 東京メトロ | Comments(0)

E259 2012秋

 めぐる季節の中でE259系特急「成田エクスプレス」の姿を見続けてきた私としては、この2012年秋も「秋らしい」風景の中でその列車を見送りたいと考えていた。

 その想いのままに得たのが、こんな風景であった。
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E259系特急「成田エクスプレス」
成田エクスプレス
17号 東北貨物線田端操駅~赤羽駅にて 2012.11.10
by railwaylife | 2012-11-27 23:20 | E259系 | Comments(0)

鎌倉道を往く

 東急東横線の線路は、始発駅渋谷からしばらくの間、渋谷川に沿う形で敷かれている。その途中、並木橋という橋のすぐ脇を通る。渋谷川に架かっている橋の一つであるが、八幡通りと明治通りという比較的大きな通り同士の交差点名にもなっているから、車窓でもわかりやすいところである。

 ただ、車窓から見ていると、八幡通りに架かる大きな橋が並木橋ではないかと思ってしまうが、実は違う。八幡通りに架かる橋は、正しくは新並木橋という。本当の並木橋は、その新並木橋のすぐ上流に架かる小さな橋である。車一台がやっと通れるかというくらいの幅だ。
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 その並木橋を通る道は、かつての鎌倉街道の一つである。

 ちゃんと渋谷区教育委員会の標識も立っている。
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 鎌倉時代、幕府に仕えた武士が「いざ鎌倉」というときに通ったとされる鎌倉街道は、一本ではない。関東の各方面へ向かうために、いくつもの道があった。そのうちの「中の道」と呼ばれたものの一つが、この並木橋を通る道であった。

 鎌倉から、東海道本線の戸塚、相鉄線の鶴ヶ峰、横浜線の中山、田園都市線の江田・溝の口あたりを経て二子玉川に至ったこの道は、江戸時代に二子道と呼ばれた道に入る。途中からは現在の目黒通りと重なり、その道筋で世田谷区から目黒区に入り、東横線都立大学駅の手前で左に折れる。氷川坂と呼ばれるこの坂を下ると正面が氷川神社で、道なりに行くと東光寺という古寺が沿道にある。都立大学駅付近で目黒通りに再び合流した道は柿の木坂を上り、その後は東横線の線路の西側、目黒区と世田谷区の区境に沿うような形で北へ向かう。途中には源頼朝の故事に因む葦毛塚があり、往時の史跡を見ることもできる。やがて目黒川に達した道は、中目黒駅近くの目切坂を上る。ちょうど東横線が代官山駅の手前でトンネルに入るとき左手に大きな茶色いマンションが見えるが、その裏手がこの目切坂である。江戸時代には「目黒元不二」として知られ、安藤広重の「名所江戸百景」にも描かれた名所でもある。

 その坂を上り切ったところが目黒区と渋谷区の区境であり、代官山の駅近くでもある。ここから八幡通り沿いに行けば、並木橋につながることになる。

 道はさらに青山、千駄ヶ谷、雑司ヶ谷、滝野川、赤羽を通ってあとは現在の東北本線の経路で下野・陸奥方面へ続くことになる。

 そんな道のりの途中にある並木橋であるが、橋近くには重要な史跡がある。金王八幡神社である。新並木橋を通る八幡通りの名の由来にもなっているこの社は、新並木橋から明治通りを渡って坂を上った左手に鎮座しているが、この境内に鎌倉時代、渋谷一帯を支配した渋谷氏の居館があったとされる。そのことからも、ここが鎌倉街道であったことが窺える。

 その鎌倉街道を、東横線の電車は今まさに跨いでゆく。
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東急
5050系電車(5162F) 東急東横線渋谷駅~代官山駅にて 2012.10.6
by railwaylife | 2012-11-26 22:00 | 東急5000系列 | Comments(2)

1000系の撮り方2

 消えゆく東横線の日比谷線直通電車を記録するなら、東急1000系の前面や側面に掲げられた「日比谷線直通」という表示や「北千住」「南千住」などといった行先表示を撮影しておくべきだ。

 そう思いつつも、種別表示や行先表示はおろか、その車体の表情もよくわからないような夕暮れ時に嬉々として1000系を撮ってしまっていた。

 そのことは以前の「1000系の撮り方」という記事に載せたとおりであるが、一週間後にまた懲りずに似たような風景を捉えては喜んでいる私がいた。
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東急
1000系電車 東急東横線多摩川駅~新丸子駅にて 2012.11.3
by railwaylife | 2012-11-26 21:50 | 東急1000系 | Comments(0)

再び、目黒線は夕暮れ

 10月の終わりに多摩川橋梁へ「目黒線は夕暮れ」の風景を見に行ったとき、目黒線と言えばこの夕暮れの多摩川の風景ばかり見ているなという気がしたが、わずか一週間後にまたその風景を見に行ってしまった。



 一週間前と同じ時刻、同じ場所に立ってみると、自分でもここの夕景がよっぽど好きなんだろうなという気がしてきた。

 だが、見える風景は、一週間前とはまったく違った。雲の形も、空の色も、川面の表情もである。
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 前にも書いているが、同じ夕景など二度と現われることがない。だから、そのときそのときの夕景を大事に楽しむことだと、改めて思った。
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 そして、肌に感じる風の冷たさも、一週間前よりだいぶひんやりと感じられた。月を跨いだ所為もあって、一週間でずいぶん季節が進んだように感じられた。
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 そんな、少し張り詰めたような空気の中で、前回と同じように、いや前回以上に目黒線の夕暮れを楽しんでいた。


1枚目 東京メトロ9000系電車 東急目黒線多摩川駅~新丸子駅にて 2012.11.3
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枚目 東急3000系電車 東急目黒線多摩川駅~新丸子駅にて 2012.11.3
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枚目 東京メトロ9000系電車 東急目黒線多摩川駅~新丸子駅にて 2012.11.3
by railwaylife | 2012-11-25 23:50 | 東急目黒線 | Comments(0)

越後の空

 寝台特急「北陸」は上野から東北本線・高崎線・上越線を経由して長岡へ至り、そこから信越本線・北陸本線を経由して金沢へ向かう。

 寝台特急「出羽」は上野から東北本線・高崎線・上越線を経由して長岡へ至り、そこから信越本線・羽越本線を経由して秋田へ向かう。

 上野から同じ経路をたどって来た二つの寝台特急が長岡で進むべき道を分かつ。

 その分岐点では、こんな風景が見られただろうか。
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 そんなことを考えたとき、二台の機関車の上に広がる空に、遠き越後長岡の空が想われたものである。
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田端運転所撮影会の旅
2012」にて
寝台特急「北陸」牽引機
EF81-98 田端運転所にて 2012.10.20
寝台特急「出羽」牽引機EF81-133 田端運転所にて 2012.10.20
by railwaylife | 2012-11-24 23:55 | 寝台特急 | Comments(0)

出羽への想い

 寝台特急「出羽」は、地味な存在だったなと私などは思ってしまう。
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 上野から高崎線・上越線・信越本線・羽越本線を経由する寝台特急と言えば、どうしても「鳥海」の方が印象は強い。実際、秋田行きの「出羽」は青森行きの「鳥海」に吸収される形でその役目を終えている。

 その寝台特急「出羽」を、幼い頃に一度だけ上野駅で見たことがある。下りはさほど夜遅い時刻の発車でもなく、また上りもさほど朝早い時刻の到着ではなかったと記憶しているが、子供にしては夜遅い時間だったし朝早い時間だったと思う。

 そういう時刻ながらも、父に連れられて夜遅くに上野駅へ行ったとき、寝台特急「出羽」がひっそりと佇んでいるのを目にした。おぼろげな記憶だが、高いホームに停車していたと思う。きっと同じ時刻の地平ホームには、他の優等列車があふれていたのだろう。今では考えにくいことである。夜遅くなってもせわしない高いホームで、杉並木をバックにしたテールマークに「出羽」の文字が淡く光っていた。それが、私の「出羽」の一番の思い出である。

 そんな杉並木の描かれた「出羽」のマークであるが、考えてみればたしかに出羽国は杉の木が有名だ。秋田杉などの名がすぐに浮かぶ。

 ただ、私にとって出羽の杉並木と言えば、他に忘れられない場所がある。



 国宝の羽黒山五重塔である。
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 鬱蒼とした杉並木の中にあるこの五重塔を訪れたのはもう十四年も前のことであるが、私の記憶に強烈に残っている。

 出羽三山神社に着き境内をしばらく歩くと、杉木立の中に見えてきた五重塔は、周囲の木にすっかり溶け込んでいた。長年の風雪に耐えてきた所為か、塔は少し黒ずんでいた。それは、茶色と言おうか、肌色と言おうか、実に微妙な色合いだったのだが、まるで周囲の杉の幹と同じ色ではないかと思った。もはや五重塔は自然の一部と化してしまったかのようであった。

 そんな印象をもった五重塔であったが、訪れる前には少し不安もあった。

 それは、いくらこの塔が美しい国宝であるといっても、ここには塔しかないということである。つまり、五重塔などというのは、軒を連ねる七堂伽藍の中にあってこそその建築の妙を感じられるのであって、ただ木立の中に塔がぽつんと建っているだけではあまり感じるところがないのではないか、という気がしていた。

 しかし、実際に塔の前に立ってみると、そういう不安を忘れさせてしまうくらいの存在感がこの塔にはあった。その力強さに、すっかり引き寄せられてしまった。

 そんな羽黒山五重塔を、いま一度訪れたい。

 この寝台特急「出羽」のヘッドマークを目にしたとき、たちまちにその旅路が脳裏に浮かんできた。
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田端運転所撮影会の旅
2012」にて
寝台特急「出羽」牽引機
EF81-133 田端運転所にて 2012.10.20
by railwaylife | 2012-11-24 23:44 | 寝台特急 | Comments(2)

二年ぶりの北陸

 早いもので、寝台特急「北陸」が廃止されて二年が経つ。
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 その二年前が、だいぶ昔のように感じられる。一方で、わずか二年前までこの列車があたりまえのように運転されていたことが不思議にさえ感じられる。

 その寝台特急「北陸」が廃止された後、この列車の結んでいた上野-金沢間には急行「能登」が細々と運行されていたが、いつのまにか運転されなくなり、いまは首都圏と北陸地方を直通で結ぶ列車が一本もない。意外なことである。

 もっとも、鉄道で首都圏から北陸へ向かうとすれば、すでに「北陸」や「能登」があった時代から上越新幹線と北越急行経由の在来線特急「はくたか」を乗り継ぐルートが主流である。越後湯沢駅での乗り換えの労はあるものの、何より速く到達できるというところがポイントだ。

 速いといえば、二年余りの後にはいよいよ北陸新幹線が延伸開業し、再び首都圏から北陸地方への直通列車が誕生することになる。そうなれば、寝台特急「北陸」で行き来していた時代など歴史のはるか彼方へ追いやられ、昔語りになるだろう。

 せめて、北陸新幹線の開通まで、寝台特急「北陸」はその役割を果たしてほしかった。

 久しぶりにそのヘッドマークを眺めたとき、そんなふうにちらっと思った。
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田端運転所撮影会の旅
2012」にて
寝台特急「北陸」牽引機
EF81-98 田端運転所にて 2012.10.20
by railwaylife | 2012-11-23 21:30 | 寝台特急 | Comments(0)