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夏の夕暮れ

 梅雨明け発表の二日前のことではあったが、夕暮れの日差しは熱く川面に刺し、まさに夏の日そのものだなと思わせる眺めであった。
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 それでも、川面へ強く吹き付けてきた風はどこかまだ涼やかさが残っていた。盛夏になり猛暑の日が続けば、その夕暮れの風さえ熱せられてしまうものだ。そういう熱風のまだないところが、夏の初めらしい感触であった。

 だが、夕暮れの風を熱してしまうような猛暑日の連続も間もなくやって来る。そんな予告のような、梅雨明け直前の風景であった。


埼玉高速鉄道
2000系電車 東急目黒線多摩川駅~新丸子駅にて 2012.7.15
by railwaylife | 2012-07-31 23:20 | 東急目黒線 | Comments(0)

トラスをくぐる

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 渋谷付近の東急東横線が地下に潜ってしまったら、JR線を跨ぐトラス橋はどうなってしまうのだろうか。

 同じ東横線の横浜駅辺りは、地下に潜った後の地上区間が遊歩道として整備されている。渋谷駅辺りの高架区間やトラス橋も、同じように遊歩道として残らないものだろうか。そうしたらトラス橋の上は、JR線を行き交う電車の眺められるいいスポットになるだろう。

 でも、渋谷駅の周辺は大規模な再開発や整備が予定されているから、東横線地上区間の痕跡は跡形もなく消されてしまうのではないかという気もする。

 JR線上のトラス橋もいつか取り除かれ、そこに何もなかったように、平然と電車が行き交うようになるんじゃないだろうか。


埼京線
205系電車 山手貨物線恵比寿駅~渋谷駅にて 2012.6.24
by railwaylife | 2012-07-30 23:20 | 205系 | Comments(2)

碑文谷ガード

 東海道本線が品川駅を出て直進し、山手線や品鶴線と分岐すると、程なく目黒川を渡る。

 その目黒川の橋梁から20メートルほど行くと、さして道幅の広くない道路と交差する。目黒川を越えた東海道本線は低い築堤の上を往くので、道路は線路の下をくぐる形になっている。

 このように、線路が道路の上を跨いでいるところを、先の「古戸越を往く」という記事でも述べたように「架道橋」という。または、最近の表記によると「ガード」とも言われる。

 その「架道橋」もしくは「ガード」には、一つ一つに名前が付けられているわけだが、ここの名前はちょっと驚くようなものである。



 その名を「碑文谷架道橋(ガード)」という。
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 碑文谷といえば、目黒区の地名である。東急東横線学芸大学駅の近くで、有名なスポットとしては大きな池のある碑文谷公園などが挙げられる。私の家からもそう遠くない地域である。

 その地名が、なぜ品川駅近くのガードに付けられているのか。これには深い理由がある。

 実は、この「碑文谷架道橋(ガード)」をくぐっている道は、品川宿と碑文谷を結ぶ旧道であったそうだ。

 その旧道の名残が、この架道橋の名に残っていることになる。

 もっとも、碑文谷道というのは品川側から見た呼称であろう。これが碑文谷側から見れば、品川へ通じる道なのだから品川道と呼ばれていたのではないかと思う。

 とにかくその碑文谷道あるいは品川道の痕跡が、このような形で残っているのは貴重なことであると言える。



 では、この旧道はどんな道だったのだろうか。

 想像するにここの道は江戸時代、碑文谷村という江戸近郊の一地域と、東海道品川宿という繁華街を結ぶ重要な生活道路だったのではないかと思う。

 碑文谷村の人々は、荷車に自分たちが作った野菜などを載せ、品川宿へ売りに行ったことだろう。帰りは、品川宿の街で出るものを肥料として載せたはずである。あるいは、品川沖で獲れた魚介を積んだだろうか。

 また、碑文谷村の人々が何かの講に属していたら、この道を通って品川宿へ出て、旅立ったことだろう。見送りの人も、品川までは来たかもしれない。そんな、旅立ちの道でもあったのではないだろうか。

 その旧道をいま、東海道本線の列車が跨いで行き交っている。
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 小さな架道橋であるし、それを渡るはほんの一瞬のことである。でも、もし今後東海道本線の列車で西へ旅立つようなことがあったら、そのときはこの架道橋を渡る瞬間に想いを込めたい。かつて碑文谷村の人々がまさにこの場所を通って旅立ったように、私もまたこの場所をかすめ、東海道へ旅立ってゆくということである。


東海道本線
E231系電車 東海道本線品川駅~川崎駅にて 2012.6.30
by railwaylife | 2012-07-29 22:55 | 東海道本線 | Comments(4)

都会のグリーン車

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 都会で目にするグリーン車は、いつかそれに乗って旅立つときのことを想うためにある。

 そして、その旅先でグリーン車の車窓に映る、どこか遠くの風景を想うためにもある。

 だから、その一瞬が、私にとってはとても大事な時間である。


東海道本線
E233系電車 東海道本線品川駅~川崎駅にて 2012.6.30
by railwaylife | 2012-07-29 22:50 | 東海道本線 | Comments(0)

サンライズ来ず

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 朝7時前に都内へ入って来る上り寝台特急「サンライズ」を、さほど多く見に行ったことがあるわけではないのだが、私が見に行ったときに二度連続して時間通りにやって来なかったので、やはり長距離列車だけになかなか時刻通りに運転されないものだ、などと妙に一人で納得してしまったものである。

 実際、運行距離が長いだけにさまざまな要因によって遅れることがあるだろう。だから、この列車を見に行くときにはそのことをある程度覚悟していかなければならないのだと思う。見られないかもしれないということである。

 そう思っていれば、練習台みたいになってしまった京浜東北線のE233系や東海道本線のE231系・E233系の風景も、決して無駄になることはない。まさにその風景を見に朝から出かけたと思えばいい。

 それにそうやって「サンライズ」を見に行こうと思い立って出かけたことで、新たな風景や、前から見たいと思っていた風景を期せずして見られたりすることもある。それを楽しめばいいと思う。

 そんなわけで、朝から「サンライズ」を見に行ったものの見られなかったときに見られた別の風景を、これから二つばかり載せたいと思う。


京浜東北線
E233系電車 京浜東北線品川駅~大井町駅にて 2012.6.30
by railwaylife | 2012-07-29 21:17 | 寝台特急 | Comments(0)

おもひでの通路

 東急東横線渋谷駅正面改札横から東急文化会館へ続いていた通路は、思い出深い通路である。
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 特に何があったというわけではないが、昔からよく通っただけに記憶に深く刻まれている。

 渋谷駅から東急文化会館へ向かうときはもちろん、表参道の方から渋谷へ無意味に歩いて来たときなどもこの通路に行き着くことが多かった。宮益坂や金王坂の方から入ることもできたし、渋谷駅から東横線に乗るにも便利であったからだろう。また、渋谷で待ち合わせのために時間を潰すとき、行き場がなくなってこの通路に佇んで読書したこともあった。

 その通路は中途半端に幅が広くていつも薄暗く、陰鬱な雰囲気があった。

 でも、その雰囲気が、私にとっては渋谷の代表的な風景のひとつであった。

 そんな思い出の通路がいま、役目を終えてひっそりと消え去ろうとしている。

 渋谷ヒカリエと続く明るくて立派な通路の横で、少しずつ解体され始めているようだ。

 老朽化の問題もあるのかもしれないが、その名の通り明るいイメージの渋谷ヒカリエには、やはり陰鬱な通路は似つかわしくないのだろう。


東京メトロ
01系電車 東京メトロ銀座線渋谷駅~表参道駅にて 2012.7.14
by railwaylife | 2012-07-28 23:45 | 東京メトロ | Comments(0)

たそがれメトロ

 どんなときでも、夕景という空の変化を楽しみたいと考えている。

 仕事帰りに買い物に寄り、いつもとは違う道を歩いて帰っていたその日も、わずかに染まった空を見ながら家路をたどっていた。

 雲が多く決していい夕景ではなかったが、ちょっとだけ残った夕暮れ色と、不気味に形作られた雲が何だか妙に印象的であった。

 それで、その空のある風景を捉えてみた。
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東京メトロ
03系電車 東急東横線都立大学駅~学芸大学駅にて 2012.6.22
by railwaylife | 2012-07-28 23:08 | 東京メトロ | Comments(0)

梅雨時E217

 このブログにはいくつものカテゴリが作られているが、その作られ方は大きく分けて二つあると思う。

 一つは、いつのまにかあるテーマの記事が増え、それが大雑把な括りの中に放り込まれていたので細かく分けるために新しいカテゴリを追加する方法である。この方法だとカテゴリができたときからある程度それに属する記事がたまるし、自分が興味あるテーマなのだからその後も自然とそのカテゴリの記事が増えていくようにもなる。

 もう一つは、今までまったくと言っていいほど扱っていなかったテーマについて、これからそのテーマの記事をたくさん載せていくぞという自分なりの宣言をするために新しいカテゴリを作る方法である。この方法だと、カテゴリができたときにはその最初の記事くらいしか属する記事がなく、その後徐々に増やしていこうとすることになる。だが、そのとき思い描いたほど記事が増えていかないこともある。企画倒れというのか、当初は相当な意気込みでカテゴリを作ったものの、実際はそのカテゴリのテーマにそれほど興味が持てなかったということである。

 もちろん、自分の興味関心は日々変わっていくのだから、そういう企画倒れがあって然るべきである。興味の薄らいだことを無理に追いかけても仕方ない。とは言え、他のことに忙殺され、そのテーマに興味を示す暇がないという場合もある。本当は興味があるんだけど、なかなかそれに関われないという状況である。

 そうであるにも関わらず、もう興味がないのではないかと思って無碍にそれを放ってしまうのも勿体ない。それに、そのカテゴリを作るときの相当な意気込みというのも、自分自身で買ってあげたくなる。

 そんなわけで、企画倒れになりそうなカテゴリの記事を、増やしておきたい。



 E217系の記事である。



 今にして思えば、この車両にどれだけ思い入れが強いのかはよくわからない。それでも、品鶴線やE259系を眺めに行くときよく目にする車両なので、せっかくだからその風景も楽しもうと思うようになった。

 しかし、思っていたほどE217系の風景を楽しむ機会がなく、そのカテゴリの記事が増えていないのが現状なのだが、こうして先月の梅雨空の下でその姿を眺められたのは、嬉しいことであった。
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 まさにE217系が、梅雨という季節の風景を刻んでゆくときであった。


横須賀線
E217系電車 品鶴線西大井駅~武蔵小杉駅にて 2012.6.16
by railwaylife | 2012-07-26 22:40 | E217系 | Comments(0)

青じゃないけど青

 青いY500系には青い背景が似合う、なんて思って「青には青を」という風景を捉えてみたが、車体の青くない5050系も間違えて青く捉えてしまった。
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 何だかとても不気味な風景になった。


東急
5050系電車(5156F) 東急東横線綱島駅~大倉山駅にて 2012.6.30
by railwaylife | 2012-07-26 22:33 | 東急5000系列 | Comments(0)

1000系のゆくえ

 東急東横線と東京メトロ副都心線の直通運転開始に関する正式発表で東横線に日比谷線直通電車がなくなることを知って動転し、昨日は「さらば03系」などという記事を載せてしまったが、東京メトロ03系以外にもう一つ注目すべき車両があった。     

 03系とともに、東横線で日比谷線直通電車の任に就いている東急1000系である。

 日比谷線直通電車がなくなると、この車両も東横線から去ってしまうのではないだろうか。03系同様に車体の長さが他の車両より短くドアの数も少なく、輸送力の上でも、またホームドア設置を推進していく上でもネックとなるからである。

 そうなると、他線へ転用されるしかないが、東急線内ではもはや行き場なしといった感じである。

 同じ形式が活躍している路線として多摩川線・池上線があるが、この両線には7000系という新型が導入されつつあり、今さら旧来の1000系が入る余地はない。

 それに、同じ1000系が走っていると言っても多摩川線・池上線は3両編成である。残念ながら8両編成の日比谷線直通電車は、単に5両抜いたからと言ってすぐに3両編成で走れるものでもない。日比谷線直通用の1000系は先頭車が付随車で、モーターが載っていない。だから、3両編成で走らせるためにはモーターのある中間車に先頭車の顔を移植しなければいけないはずである。そこまでして多摩川線・池上線に転用するよりは、新型の7000系を増やしていって旧型を淘汰した方がよさそうである。

 というわけで、やはり東急線内に1000系の行き場はなさそうなので、あとは地方の中小私鉄へ譲渡するという道になる。

 実際、同じ1000系のうち、多摩川線・池上線用の車両の一部はすでに長野の上田電鉄や三重の伊賀鉄道へ譲渡されたという実績がある。車体が短く小回りも利くから、輸送量の少ない中小私鉄にはフィットするのだろう。ただ、やはり編成を短くしなければならないから、電動車への顔の移植は必要だろう。

 それでも、過去に東急から中小私鉄へ譲渡されていった旧7000系や7200系がそろそろ置き換えの時期に来ているだろうから、これから余剰となる日比谷線直通用1000系は、まさに引く手数多なのではないだろうか。





 さて、そんな今後の去就の予想についてはこのくらいにして、今はまだ東横線で活躍している1000系に目を向けてみたい。

 地元を走る最も身近な路線として、最近はその風景を熱心に楽しんでいるから、東横線の1000系の姿は今まで何度となく見たり撮ったりしてきた。

 それで今回、こうして1000系のことを綴りたいと思ったとき、そこに添える適当な写真はないかと思って過去に撮ったものを漁ってみた。すると、驚くべきことがあった。

 決して少なくない1000系の写真のほとんどが、ボケたりブレたりしていた。同じときに撮っている5000系列や9000系、そして東京メトロの03系などはわりとしっかり撮れているのにである。

 これは、私がいかに1000系に対して思い入れを持っていなかったかということである。相当気を抜いて撮っていたのだろう。

 もちろん、気楽に撮った方がかえって巧く撮れるということもあるが、1000系の場合は気を抜き過ぎであった。それを今回改めて知ることとなり、何だか申し訳ないような気さえしてきた。

 でも、03系同様に少なくともまだあと8ヵ月くらいは東横線を走っているのだから、これからはもうちょっと気を入れて1000系を捉えてみようかなと思う。無論それも、別になくなるかもしれないから記録しておくというわけではなく、目の前の一瞬一瞬を楽しむためだけにである。





 ところで、惨憺たる私の1000系の記録の中でも、かろうじてまともな写真が一枚見つかった。

 ただ、ほとんどシルエットだけなので、1000系なのかどうかいまいち判然としない。でも、よく見れば3ドアであることもわかるし、車両の長さが短いという特徴も看てとれる。
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 それに、ふつうのヘンセーシャシンを撮るより、こういう風景を眺める方が私には楽しい。

 だからこれからもこうして、1000系のある風景をただただ楽しんでいけば良いと思う。

 いつかなくなる風景としてではなく、今ある風景としてである。


東急
1000系電車 東急東横線多摩川駅~新丸子駅にて 2011.12.4
by railwaylife | 2012-07-25 23:47 | 東急1000系 | Comments(0)