<   2012年 03月 ( 54 )   > この月の画像一覧

国鉄最後の日の185系

 国鉄がなくなって、今日で二十五年が経つ。

 二十五年前の国鉄最後の日、小学生だった私は友達と都区内をあちこち巡っていた。

 通勤電車には「さようなら日本国有鉄道」というマークが付き、午後には各地へ向け「旅立ちJR」号なるものも出発して行った日である。また、汐留には蒸気機関車C56-160号機が停められ、汽笛を鳴らしていた。そんな風景を夢中で撮って回っていて、今でもその写真が残っている。

 無論、小学生の撮った写真だから高が知れているが、その中に東京駅で185系特急「踊り子」の姿を捉えたものがある。
f0113552_22124774.jpg

 この日の185系は特に何の装飾もなく、普段通りの姿であった。だから小学生の私を惹きつけるものでもなく、この写真も何かのついでに撮ったものだと思う。

 そんな185系が二十五年後のいま、当時とさほど変わらぬ姿で特急「踊り子」として走り続け、私を惹きつけている。思い入れの強い車両としてである。

 二十五年も前にこの写真を撮ったときには、思いも寄らないことだっただろう。

 でも、そのとき185系に向けシャッターを切っていた小学生の私がいるからこそ、いまの私がいるように思う。


185系電車特急「踊り子」7号 東海道本線東京駅にて 1987.3.31
by railwaylife | 2012-03-31 22:17 | 185系 | Comments(0)

SAKURA RSE

f0113552_223281.jpg

 春ごとに 花のさかりは ありなめど あひ見むことは 命なりけり

読人知らず

(『古今和歌集』巻第二 春歌下)



 もし、今年の春も桜花を眺められることがあるのなら、たとえどんな風景であったとしても、その一瞬一瞬を大事に想いたい。

 今日、東京で桜の開花宣言があった。

by railwaylife | 2012-03-31 22:00 | | Comments(0)

rainy 2077

 雨の朝、山手貨物線のダイヤはめちゃめちゃに乱れていた。南行の列車はわりと頻繁に現れるものの、北行の列車はちっともやって来なかった。

 それでも、私が待っていた北行のその列車は、時刻通りに現れた。
f0113552_163942100.jpg

 貨物列車の2077列車である。

 旅客列車のダイヤ乱れなどどこ吹く風といった表情で、いつも通りの時刻にきちっと現れた。

 ただその速度は、普段以上に鈍足であった。

 雨に濡れた渋谷の街を踏み締めるかのように、長い長いコンテナの編成は、ゆっくり、ゆっくりと目の前を過ぎ去って行った。


山手貨物線
2077列車 山手貨物線渋谷駅~新宿駅にて 2012.3.10
by railwaylife | 2012-03-30 23:56 | 貨物列車 | Comments(0)

梅見急行 2

 マイブーム、という言葉はあまり好きではないけれど、このところ大井町線の急行6000系を眺めるのが楽しくなっている気がする。現にこのブログにも最近頻出している車両である。

 もっとも、デビュー当初はあまり好きになれなかった。その顔つきといい、色合いといい、どこか東急ばなれしたところがあって、大井町線にも似合わないと思っていた。

 でも、四年も走り続ければすっかり大井町線に馴染んで、いまや何の違和感もなく、むしろ好感が持てる。

 その急行6000系があたりまえのように走り、その急行6000系を取り巻く風景にあたりまえのように春が来る。
f0113552_2342667.jpg

 去年の今頃は見る余裕さえなかったそんな風景を、今年はこうして眺めることができている。

 それを何よりありがたいこととして、いま想っている。


東急6000系電車 東急大井町線等々力駅~上野毛駅にて 2012.3.29
by railwaylife | 2012-03-30 23:45 | 東急 | Comments(0)

鼻までのカウントダウン

 それを始めるのはだいたい、グリーン車の緑色のマークが目印になる。

 乗りもしないのに、グリーン車は8号車・9号車・10号車に組み込まれているとすっかり覚えてしまった。

 だから、グリーン車のマークが最初に見えたら、ちょうど10からカウントダウンを始めればいい。あとは過ぎ去る車両を数え上げていく。

 10、9、8、そして7からは普通車が続くから、ひたすら車両の数だけ気にすればいい。途中に「700」とか「N700」とかいったロゴマークがあるけれども、それは何号車なのかまだいまいち把握できていないので、とにかく車両の数だけ数え上げる。

 4、3、2、そして1を数え上げてはもう遅い。2を数えた後、ほんの少しの間を取って、ずっと構えていたカメラのシャッターを押す。そのとき、撮りたいものは実は見えていない。
f0113552_234241.jpg

 こうやって、東海道新幹線の車両を見送るたび、なぜかその鼻を撮ってしまう。撮ったからどうだということはないのだが、流線形の先頭は、ついついカメラを向けたくなるものである。


新幹線N700系電車
「のぞみ」230号 東海道新幹線品川駅~新横浜駅にて 
2012.3.10
by railwaylife | 2012-03-29 23:08 | 700&N700 | Comments(0)

急行四年

 東急大井町線に急行電車が走り始めて今日で丸四年になる。

 3月28日運転開始というのは、今考えるに何とも中途半端な気がするが、当時はそれなりに意味のあったことなのだろう。

 その急行電車は、大井町線の所要時間短縮の実現により田園都市線から都心へ出る乗客のルートを分散化させるという目的があったように記憶しているが、果たしてどのくらいの効果があったのだろうか。たまにしか大井町線や田園都市線に乗らない私にはよくわからないが、週末などに時々乗るこの急行電車は各駅停車よりも「すいているな」という印象がある。でも、所要時間が短くなったことで便利になったという実感はある。

 ただ、さらなる利便性の向上のためにやはり、旗の台駅のほかにもう一駅、上下線とも各駅停車を追い越すことのできる設備を作ることだろう。

 もちろんそういう計画はあり、等々力駅を地下化して二面四線のホームにする話があったと思うが、駅近辺を見ている限りでは、そういう企てが実現されようとしている気配はない。溝の口延伸以後、大井町線はすっかり落ち着いてしまった感じだ。

 ともあれ、急行電車が無事に四周年の日を迎えられて良かった。

 その気持ちを込めて今朝、急行電車に花を添えてみた。
f0113552_22562054.jpg


東急
6000系電車 東急大井町線緑が丘駅~自由が丘駅にて 2012.3.28
by railwaylife | 2012-03-28 23:03 | 東急 | Comments(2)

桜色に染めろ

 桜の花の色を帯に纏い、東横線の5050系は来る日も来る日も桜の木をかすめて走ってきた。

 薄緑色の若葉が茂る初夏の日も、ジメジメとした雨に打たれる梅雨時も、厳しい夏の日差しに照らされ葉が黒く輝く日も、涼風が吹きひとつまたひとつと葉の色が赤茶色に変じていく日も、最後の一枚の葉が散りゆく初冬の日もである。



 その甲斐あって、ようやくまた木が桜色に染まるときが近付いてきた。
f0113552_22492696.jpg

 もう少し、走り続けて、この並木を桜色に染めろ!


東急
5050系電車(5163F) 東急東横線中目黒駅~代官山駅にて 2012.3.27
by railwaylife | 2012-03-28 22:53 | 東急5000系列 | Comments(0)

ダイヤ改正による変化

 去る3月17日にJRのダイヤ改正があったが、その日は小田急や東武、そして東急といった大手私鉄でも同時にダイヤ改正が行われた。

 ただ、私の日常に関わる範囲にこれといった変化はないと思っていた。特に東急の場合、一番良く利用する東横線だけダイヤの変更がなかったからである。副都心線直通という大きな変革を前にして、もはやそのダイヤにはいじりようがないといったところなのだろうか。

 そんなわけで、ダイヤ改正後初の通勤となる3月19日も何ら変わりなく今まで通りだというつもりだったのだが、思わぬところでダイヤ改正による変化を知ることになった。



 中目黒駅のアナウンスである。

 東横線の上り電車で駅に到着しドアが開いたとき、折しもとなりのホームに日比谷線の電車が入って来た。その入線を知らせるアナウンスが今までと違っていた。

 「3番線の電車は、東武スカイツリーライン直通竹ノ塚行きです

 ダイヤ改正に伴い、今まで伊勢崎線と呼ばれていた路線に愛称が付き、そういう名前で呼ばれるようになった。

 以前に何かで目にして知ってはいたけれども、そのときはすっかり忘れていた。それで、不意を突かれたようにその名前を耳にすることとなった。

 いよいよ東京スカイツリーの開業が迫ってきたということである。

 ただ、自分の住む場所と同じ都内とは言え、前にも書いたように都心の向こう側のあるものゆえ、どうも身近には感じられない。だからその新しい路線愛称にもさほど惹かれるわけでもないのだが、何となくそれを使ってみたくはなる。



 それで今朝、こんな風景を見送った。
f0113552_23415447.jpg

 今しも、東武スカイツリーラインからの直通電車が、すぐにでも咲き出しそうな桜の枝をかすめてゆく。


東武
20000系電車 東京メトロ日比谷線中目黒駅~恵比寿駅にて 2012.3.27
by railwaylife | 2012-03-27 23:46 | 東武 | Comments(0)

たそがれ急行 2

 以前に「たそがれ急行」と題し夕暮れ時に眺めた大井町線の急行電車の風景について想いを綴ったことがあったが、その急行電車を見送ったのは年の瀬の冬至も近い時期で、日の入りは16時30分過ぎのことだったと思う。

 それから三ヵ月が経ち、春分も過ぎたいまは日の入り時刻が18時に及ぼうかというところまで来ている。

 それで、18時を過ぎても空にはまだ明るみが残るようになり、大井町線の「たそがれ急行」が見られる時刻も遅くなってきた。
f0113552_23371527.jpg

 今年はいつまでも寒いので、気温が低いのにこうして遅い時間まで日が暮れないと何だか違和感がある。

 だが、季節の変化は気温の変化だけではない。太陽の動きも季節感である。そこに、春をいっぱいに感じればいいと思う。


東急
6000系電車 東急大井町線二子玉川駅~二子新地駅にて 2012.3.25
by railwaylife | 2012-03-27 23:39 | 東急 | Comments(0)

蕾見9000系

 花が五分咲きの頃、桜の名所に来た人はこう言うだろう。

 「あと何日かしてから来ればよかったな」

 「しかたないよ、予定があるから」



 花が散り始めてから桜の名所に来た人はこう言うだろう。

 「もう何日か早く来ればよかったな」

 「しかたないよ、予定があったから」



 人はどんな風景も、それが一番いいときを見ようとする。しかし、大事なのはそういう風景ばかりではない。その一番いいときに至るまでの過程、それが過ぎてからの様子、そのすべてが大事だ。どれもこれも、そのときしか見られない風景だからである。それゆえに、目の前にある風景が常にそのときの自分にとって一番いい風景なのだと思うことだ。花の咲き散りに関してもそうである。

 いや、花が咲く前からすでにそうである。

 花見に対して蕾見、という言葉があるのかどうかはわからないが、今朝はその蕾見に行ってみた。そして、今しも咲きそうな大きな桜の蕾を眺めた。
f0113552_2355717.jpg

 蕾の色は、遠くから見ると緑色であった。まるで、実がなっているかのようであった。その緑色の実もやがて熟し、桜色になるのだろう。

 そんな実をつけた桜の木からは、何か強い力が感じられた。今まさに実を熟させようとする、いや、花を咲かせようとする強い力が、根の先からわあっと湧き上がってくるようであった。

 その力で、早く花を咲かせてくれ、という想いは心の奥にしまい、ただただ目の前にある蕾の風景に見入っていた。


東急
9000系電車(9001F) 東急東横線中目黒駅~代官山駅にて 2012.3.27
by railwaylife | 2012-03-27 22:57 | 東急9000系 | Comments(0)