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ゆきげしき

 山手線という、日常目にする路線のさまざまな風景を眺めたい、楽しみたい、そして遺したいと思っている私としては、今日みたいな日の風景もここへ載せておきたい。そんな想いで、カメラを構えていた。
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 片手間に捉えたものではあるが、年に一度か二度あるかないかの風景である。


山手線
E231500番台電車 山手線原宿駅~代々木駅にて 2012.2.29
by railwaylife | 2012-02-29 23:00 | 山手線 | Comments(0)

カラスウリEXE

 寒中の小田急線沿いを歩いていたら、線路脇の木に秋の名残の実が残っていた。

 何という実だったけなと考えながらそれにカメラを向けていると、折しも30000形EXEが通りかかった。
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 実をかすめて往くEXEの車体を眺めているうち、その実はカラスウリというんじゃなかったかなという気がしてきた。

 それで私は、この風景を「カラスウリEXE」と名付けることにした。

 そんな名を付けて悦に入っていたが、考えてみると私は、この小田急30000形の往く風景を眺めては何かの名前に「EXE」を付けて喜んでいる。昨年六月の「あじさいEXE」などもその例である。

 そうやって「EXE」を付けていると、以前にも言っていたように、コンピュータの実行プログラムを意味する「.exe」みたいになってくる。この「カラスウリEXE」だってそうだ。

 では、もし「Karasu-uri.exe」なんていうプログラムがあっとしたら、それはいったいどんな機能を持ったものなのだろうかと想像してみる。



 ある日、パソコンを立ち上げたら、デスクトップに見慣れないアイコンが置かれている。よく見るとその名前は「Karasu-uri.exe」とある。何だろう、と思って不用意にダブルクリックしてみる。

 すると画面の上の方から、卵型をした朱色の物体がゆっくり落ちてくる。カラスウリだ。一つ、また一つと落ちてくる。それはやがてスタートボタンを隠し、タスクバーを隠し、デスクトップをも埋め尽くしていく。ついには画面全体をカラスウリが覆ってしまう。それでもカラスウリは落ちてくる。やがてカラスウリは画面からあふれ出し、呆気にとられて画面を見ている私にまで襲いかかってくる…。



 と、そこまで妄想をし、恐ろしくなって我に返った。

 ところで、この実は本当にカラスウリなのだろうか。いろいろと調べてみたが、形はまさにそのものであった。ただ、色が違っている。もっと朱いはずである。これは秋の盛りを過ぎて色褪せてしまった姿なのだろうか。よくわからなかったが、冬の風景の一つとして楽しんでおくことにした。


小田急
30000形電車 小田急小田原線参宮橋駅~代々木八幡駅にて 2012.1.22
by railwaylife | 2012-02-29 22:55 | 小田急 | Comments(0)

真冬のあじさいEXE

 寒中の頃、昨年六月に「あじさい列車」を眺めた小田急線沿いの場所へ行くと、すっかり枯れ果てたあじさいの枝から、新しい芽が出ていた。
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 それは、今年のあじさいの花を想わせるものであった。また今年も初夏になればあじさいが咲く。そのことを、確かなものにしてくれたように感じられた。

 どうか、そのときまで穏やかで過ごせますように、そしてどうかまた今年も、あじさいという花を愛でることができますようにと、その小さな芽に祈りを籠めていた。

 まさにその芽は、私にとっての小さな希望の芽であった。


小田急
30000形電車 小田急小田原線参宮橋駅~代々木八幡駅にて 2012.1.22
by railwaylife | 2012-02-29 22:40 | 小田急 | Comments(0)

高いホームの特急列車

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 かつて東北新幹線も上越新幹線もなく、上野駅から北へ向かう特急列車が続々と旅立っていた頃、その列車は地平ホームの暗がりからばかり発車していたような印象がある。だが、そんなことはなかった。いわゆる高いホーム、5番線から12番線あたりにも、特急列車の姿は数多くあった。それくらい、特急列車の数が多かったということである。今のように特急列車の発着が地平ホームに限定されるようになったのは、その本数がだいぶ減ってからのことなのであろう。

 そうした上野駅の特急列車全盛期における風景を示す「高いホームの特急列車」の面影は、いまも残っている。平日の夕刻から夜にかけて発車するホームライナーのうち「ホームライナー鴻巣」3号と「ホームライナー古河」3号に、新潟車両センターの485系国鉄色が用いられているからである。高いホームに、クリーム色に紅い帯の車体が佇む姿は、まさにかつての特急列車の姿を彷彿とさせることだろう。

 でも、その485系「ホームライナー」も、今度のダイヤ改正で185系に置き換えられるという。同じ485系が用いられている急行「能登」が運転されなくなることと関係しているのだろう。

 そうなると、かつて高いホームから発車していた特急列車の面影もなくなる。それどころか、上野駅自体からクリーム色に赤帯の車体の特急車両が消えるということになるのだろうか。

 かつての上野駅の賑わいをほんの少しでも記憶に留めている身としては寂しい限りではある。でも、考えてみれば新幹線が開業してから三十年も、そうした風景がよく残っていたものである。


183・189系特急電車 東北本線上野駅にて 1986.1.12(たぶん)
by railwaylife | 2012-02-28 23:00 | JR東日本 | Comments(2)

雪の70-000形

 雪の積もった朝、わずかの間だけ山手線や山手貨物線の電車が往く風景を眺めていると、りんかい線の70-000形が通りかかった。
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 どうせ埼京線の電車が通るなら、いま何かと気になる205系の方が本当は良かったのだが、この70-000形が来ても、少しもがっかりすることはなかった。

 日常の風景をかすめるこの70-000形も、いつのまにやら自分の「見たい車両」になっているからである。

 だから、雪景色の中で70-000形を目にすることができたのは、とても嬉しいことであった。


東京臨海高速鉄道
70-000形電車 山手貨物線渋谷駅~新宿駅にて 2012.1.24
by railwaylife | 2012-02-28 22:55 | りんかい線 | Comments(0)

雪の湘南新宿ライン

 雪の積もった朝、通勤で利用する山手線や山手貨物線には幸いにして遅れの情報はなかった。

 ただ、多少の遅れはあったようで、道床の白くなった風景に釣られて山手貨物線の列車が往くさまをしばし眺めていると、湘南新宿ラインの南行が立て続けに二本通った。
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 通常のダイヤでは、湘南新宿ラインの列車が連続して通過することはない。必ず間に埼京線の電車が入るはずである。これはおそらく、一本目の湘南新宿ラインが遅れ、後続になるはずの埼京線の電車を先に通したのだろう。何にせよ、湘南新宿ラインの列車を立て続けに見られたのは、得した気分であった。



 そのときに捉えた写真を、夜になって帰宅してから家でよく眺めてみると、車両の顔への雪の付き方が違うことに気が付いた。一本目は平気な顔をしているのに、二本目にはけっこう雪がこびり付いていた。もちろん、けっこうと言っても北国を走る列車に比べればさしたることはないが、この違いは面白いなと思った。そしてその違いは、それぞれの列車に用いられている車両がどこで一夜を明かしたかによるのではないかという気がした。雪は夜のうちに降っていたからである。



 では、それぞれの車両はどこで一夜を明かしたのか。

 撮った写真を拡大してみると、幸いなことにそれぞれの列車の列車番号が読み取れた。一本目は「2140Y」で、二本目は「1140Y」とあった。そこで、時刻表を開いてそれぞれの列車の時刻を調べてみた。

 一本目の2140Yは高崎線-東海道本線系統の湘南新宿ラインで、深谷始発の列車であった。深谷始発なんてあるんだなあと少し驚いたが、となりの籠原にある車両基地から送られて始発となるのだろう。

 二本目の1140Yは宇都宮線-横須賀線系統の湘南新宿ラインで、小金井始発の列車であった。小金井始発といえば、これは紛れもなく隣接する小山車両センターから出てきたのだろう。

 ということは、この前夜の雪は、籠原の方が小金井よりも積もったのかもしれない。そんな推測が立った。

 こうして、雪の付き方をきっかけとして、普段はほとんど気にしない湘南新宿ラインの始発駅を調べることとなった。なかなか面白いことであった。

 そういえば、この日は山手線の電車も、編成によって屋根に雪が載っていたりいなかったりした。それも、それぞれの編成が池袋に停泊していたか、大崎に停泊していたかの違いによるのではないかという気がした。


湘南新宿ライン
E231系電車 山手貨物線渋谷駅~新宿駅にて 2012.1.24
by railwaylife | 2012-02-28 22:22 | 湘南新宿ライン | Comments(0)

相模の旅2012早春

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 300系の「忘れ物をとりにゆく」ため、2012年2月24日に小田原へと出かけた。

 それは私にとって、旅であった。

 憧れの地への、旅であった。

 だから「相模の旅2012早春」という名を付けた。





 東海道本線の小田原から早川、根府川のあたりにかけては、十年以上前からもう幾度となく訪れ、あちこち歩き回っている。

 なぜそんなに訪れているかといえば、いろいろと理由はあるのだが、一言で表してしまえば「そこに青い海と線路があるから」だと言える。車窓に見える海原に魅せられ、その風景をじっくりと見るためにこの地を度々歩いて回るようになった。今回の小田原訪問も、そんな今までの旅に連なるものであった。

 目的はもちろん、300系を見送ること、そのことにあったわけではあるが、それ以外にもさまざまな風景を目にすることができた。

 そして特に今回は、そういう風景を見るのにとても忙しかった気がする。それは自分の見たい風景が増えた所為であった。

 今までこの地を訪れたとき、自分が見たいと思う対象はおもに東海道本線であった。その片手間にちょっと、東海道新幹線を見るくらいであった。

 それが今では、東海道新幹線も、東海道本線と同じくらいに「眺めたい」と思う対象になった。300系はもちろんのこと、700系やN700系の往く風景も含めてである。

 それに加えて、最近では小田急線にもただならぬ興味があるので、その風景も気になってきた。小田急線は正確には小田原駅までではあるが、その先に続く箱根登山鉄道も、箱根湯本駅まではほとんど小田急の電車しか走っていないので、小田急線と言っても過言ではないくらいである。それにも私は、惹き付けられた。

 そういうわけで、東海道本線、東海道新幹線、小田急線と、三つの路線の風景を眺めるのにとにかく忙しかった。でも、そのひとつひとつを十分に楽しむことができた。

 ただ、あまりにもいろいろと眺めたので、自分でもまだそれを整理できていない状態である。

 そんな旅の思い出をひとつひとつ整理し、そのときの想いを綴りながら、いずれ少しずつこのブログにも載せていきたいと思う。

by railwaylife | 2012-02-27 22:25 | | Comments(2)

忘れ物をとりにゆく

 忘れ物があった。





 いや、正確に言うとそれは、忘れ物ではない。ずっとずっと覚えていたものだ。忘れようとしても忘れられないものであった。でも、もう忘れたことにしようと思っていた。そして、例えば来月の20日過ぎくらいに思い出したことにして「あ、忘れてた」とか言うつもりであった。

 なぜならそのことは「本当は行きたいけどもう行けないもの」だと思っていたからである。そういうふうに自分に思い込ませていたからである。

 だが、考えてみれば、行くことがそんなに難しいものでもなく、自分で「行きたい、行ってやる」と強く念ずれば行けるものであった。





 だから、行ってきた。



 忘れ物を、とりにいった。



 忘れ物を、撮りに行った。





 何を忘れたかと言えばそれは、昨年7月に載せられている「石橋300系」という記事に話がさかのぼる。

 この「石橋300系」は、東海道新幹線小田原-熱海間にある玉川の谷で300系を捉えたときの想いを綴ったものであった。

 玉川の谷というのは石橋の名で知られる場所で、併走する東海道本線とともに、新幹線越しに相模の海が望めるところでもある。

 そこで、青い海原を背景に300系を見送りたいという想いがずっとあった。

 だが、この「石橋300系」のときは、梅雨時ということもあって天気が悪く、海は色を失っていた。そこで海の背景は諦め、山を背景のメインにして300系を捉えた。

 それはそれで、この相模の海沿いを往く風景らしいものだとは思ったが、本当は青い海を背景にした300系の風景を見たかったという想いが残っていた。そういう想いが、強く、強く残っていた。

 でも、なかなかそれを見に行く機会もなく、いよいよ300系が相模の海沿いを走るのもあとわずかの間となってしまった。

 だからもう、石橋へ300系を見に行くのは無理だなと思った。そう自分に思わせていた。本当は「行きたい!」という気持ちを抑え込んでである。

 そしてその想いを断ち切るためにも「惜別300系のおわり」という記事まで載せて、300系を見送ることさえ締めてしまったわけであるが、それでも心残りはあった。

 だったら、その心残りを打ち消せばいい。想いのままに、意のままに、その場所へ行けばいい。石橋は、何も地の果てにあるわけではない。行こうと思えばすぐに行けるところである。





 そういう自分の本当の気持ちに従い、私は小田原へと出かけた。

 ただ、現地へ行ってみると、いろいろとあって石橋へ行くのはやめた。別に石橋にこだわることはなかった。大事なことは、相模の青い海を背景にして300系を見送ることであった。そしてその風景を、独りでひっそりと、ひっそりと見送りたかった。

 その気持ちのままに、山道をずっと上った。ただ300系を見送るために、山道をずっと上った。

 そして、青い海を遠くに見ながら、300系を眺めた。

 折しもこの日は「ありがとう300系」マークの付いた臨時「のぞみ」も運転されていたので、計四本の300系を見送ることができた。

 ただ、遠目なので、マークが付いているのかいないのかもよくわからなかった。
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 でも、私にとって何より大事なのは、相模の海沿いに往く300系という風景を見送ることであった。憧れて止まない相模の海沿いの風景に、この300系という車両も在った。そのことを、しかと、しかと目に焼き付けておきたかった。それだけであった。
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 そして私は、柔らかな早春の海風に吹かれながら、本当の300系の見納めの瞬間に、強く、強く、切なく、想いを籠めた。
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 その最後に、車体に書かれているであろう文字を心の中で読み上げた。



 「ありがとう、300系」




新幹線300系電車
1枚目 「のぞみ」343号 東海道新幹線小田原駅~熱海駅にて 2012.2.24
2
枚目 「こだま」650号 東海道新幹線小田原駅~熱海駅にて 2012.2.24
3
枚目 「ひかり」477号 東海道新幹線小田原駅~熱海駅にて 2012.2.24
4
枚目 「のぞみ」371号 東海道新幹線小田原駅~熱海駅にて 2012.2.24
by railwaylife | 2012-02-26 11:35 | 300系 | Comments(2)

アロエDE10

 花もないアロエの葉越しに列車を眺めては「アロエE259系」だの「アロエE217系」だのと言って喜んでいたが、要するにそのギザギザの葉越しに何か列車が来れば、私にとっては「アロエ○○系」の風景となるわけで、何が来ても楽しいものであった。

 しかしそこへ、意外なものがやって来た。単機のDE10形ディーゼル機関車である。
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 新鶴見からやって来たのか、あるいは尾久からやって来たのかは知らないが、品鶴線を品川方面へと向かって行く。おそらく田町車両センターへ向かっていたのだろう。

 そんな姿が偶然にも現れたので、その風景は当然「アロエDE10」と名付けられた。


DE10形機関車 品鶴線品川駅~西大井駅にて 
2012.2.4
by railwaylife | 2012-02-23 22:52 | JR東日本 | Comments(2)

江戸を出る

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 昔あった時代劇みたいなタイトルになってしまったが、隅田川べりで総武本線の橋梁を眺めていたときの雑感を綴ってみたい。

 私がその風景を眺めていたのは両国であったが、両国という地名の由来は、江戸時代にここ隅田川(当時は大川)に架けられた両国橋に由来する。

 なぜ両国かと言えば、二つの国をつなぐ橋だったからである。意外なことだが、この川は武蔵国と下総国の国境になっていた。

 ということは、この両国橋を渡るとき人々は、今の私が東海道新幹線に乗って多摩川を渡るときや、東北新幹線に乗って荒川を渡るときと同じような心境になっていたのだろうか、とふと思った。まさに、東京脱出ならぬ江戸脱出である。いわば境界の橋だ。

 だが、それは少し違うような気がしてきた。

 そもそもここに両国橋が架けられたのは、明暦の大火後の江戸の再開発計画において、江戸の町を大川の東側へ拡張するためのものであった。つまり、両国橋架橋後の大川東岸は、江戸の続きであったと言える。

 実際、その東岸にある本所や深川は、今では江戸情緒を良く残している場所でもある。

 それに、江戸の事件はいつも、本所や深川で起こっていたような印象がある。いや、それはきっと私が時代劇や時代小説を見過ぎだからそう感じるのだろう。

 そんなことはさておき、やはり両国橋を渡るときに江戸の人は「江戸を出る」という意識はあまりなかったんじゃないかという気がしてきた。

 きっと彼らが「江戸を出る」と感じていたのは、品川とか千住とか板橋とか内藤新宿といった、宿場町から出立する瞬間だったのだろうと思う。そのとき、私がいつも旅立ちのときに感じているような、日常からの脱出という感覚を得ていた人がいたかもしれない、なんて考えたりしていた。


総武緩行線
E231系電車 総武本線浅草橋駅~両国駅にて 2012.1.28


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by railwaylife | 2012-02-23 22:32 | JR東日本 | Comments(0)