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あじさい列車2011第二十七章 あじさい小田急線再び

 日常にかまけていると「いつかまたそのうちに」なんて思っていることは、いつまで経っても実現しない。そのうちに機を逸してしまい、やっておけばよかった、なんて後悔するのが関の山である。



 先月中旬、私は小田急線沿線にあじさいの咲く場所を訪れ「あじさい小田急線」を眺めたとき「またこの場所にあじさいを見に来ようかな」などと思っていたが、そんな想いもまさしく実現しないうちに花がしおれてしまいそうな気がしていた。

 それで月末になったとき、私は「必ず今月のうちに再訪しておこう」と思い、6月30日の朝に意を決してその場所へ行ってみた。

 再訪したいと思ったのは、前回訪れたときに花の色付きがまだ十分ではなく、もっと花の盛りのときにここのあじさいを眺めたいと思ったからである。 

 だがその日、あじさいの咲く場所に向かいながらも私は、もう花の盛りには遅くしおれているんじゃないかという気もしていた。

 それでだんだん焦ってきて、目的の場所へ向かう足取りも次第に速まってきた。

 そして、緊張しながら線路沿いのあじさいの元へたどり着いてみると、まだ花はしおれていなかった。

 いや、しおれていないどころか、まだ色付いていない花さえあった。
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 一方で、すでに色褪せたり、茶色くなり始めているものもあった。

 そんな様子を目にした私は、自分が「花の盛りのときにここのあじさいを眺めたい」と思っていたことを恥じた。

 私の思っていた「花の盛り」というのは、すべての花が綺麗に色付いて活き活きとしているさまである。

 でも、そんな風景は自分の勝手な理想であり、現実にはあるはずもなかった。それぞれの花にはそれぞれの事情がある。だから、そのすべてが一遍に色付き、一遍に盛りとなり、一遍にしおれてゆくなど、あるはずもない。そう考えるのは「花の一番いいときを見たい」という、人間の勝手な都合である。そんな人間の欲望の通りに花が咲くはずもない。

 だったら、花の都合に合わせて、てんでばらばらの花の状態を楽しめばよい。色付いていようがいまいが、しおれていようがいまいが、そのさまを楽しめばよい。そう思い直して私は、この場所の「あじさい列車」の風景をたっぷりと楽しんだ。
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 やがて「あじさいEXE」もやって来た。
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 前回この列車を見送ったときには、その終着の先にあるあじさいを見に行きたいと想ったりもした。

 しかし、今回目にしたときには、もう同じ想いにはならなかった。

 なぜなら、すでに「あじさい日和の旅」を経ていた私は、もう自分の中に「その先のあじさいの風景」を手に入れていたからである。


小田急小田原線参宮橋駅~代々木八幡駅にて 2011.6.30

by railwaylife | 2011-07-31 22:45 | 小田急 | Comments(0)

復旧祈念

 先日、新潟・福島を襲った集中豪雨により、只見川に架かる只見線の鉄橋が流されたそうだ。



 また、線路が途切れるという映像を目にしなければならなくなった。

 最近、あまりにもそんな映像が多過ぎて、目を背けたくなる。





 どうか、再び線路がつながりますように、と私は祈りを込める。

 そして、沿線の暮らしも再び穏やかになりますようにと、祈りを込める。

 只見川の風景も穏やかになりますようにと、祈りを込める。
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春の只見川 2004.4.18

by railwaylife | 2011-07-31 11:10 | JR東日本 | Comments(0)

あじさい列車2011第二十六章 あじさい9000系3

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 東急東横線や大井町線の風景を眺めるとき、私にとって一番見たいのは、今や9000系という車両のある風景であるわけだが、その本命とでも言うべき風景を捉えようとすると、緊張してしまうのか何なのか、失敗してしまうことが多い。

 先の「あじさい大井町線」で花越しにようやく9000系の姿が現れたときも、その風景を捉えるべき一瞬がうまく撮れず、機を逸してしまった。その所為で、9000系の姿が一部はみ出てしまった。

 これについては、フレームアウトを狙ったということにしておこう。そして、9000系を捉えるときはいつも緊張したなという私の思い出として残しておこう。


東急9000系電車(9006F) 東急大井町線戸越公園駅~中延駅にて 2011.6.28

by railwaylife | 2011-07-30 23:38 | 東急9000系 | Comments(0)

あじさい列車2011第二十五章 あじさい8590

 東急8590系は、影の薄い存在だと思う。

 みなとみらい線の地下区間への直通運転を想定し、前面に貫通扉を付けてデビューしたものの、そのみなとみらい線直通として活躍したのは、わずかに二年余りのことだった。

 たしか昔は、地下区間を走る車両には緊急時の避難経路を確保するために、必ず前面に貫通扉を取り付けなければならないという決まりがあり、それに従って8590系は製造されたはずである。

 だが、ようやくみなとみらい線との直通運転が始まったというのに、続々と登場する5000系列の車両に追われるようにして、8590系は程なく東横線を出て行ってしまった。

 そして今は、大井町線や田園都市線で使用されているものの、大井町線の編成は9000系と同様5両に短縮されてしまっているし、田園都市線の編成は10両と長くはなったものの、東武線直通の運用に就くことはできず、ひっそりと働いている。

 また、大井町線でも田園都市線でも、他の形式の車両が次々とLED式の行先表示に交換されているのに、この8590系だけはいつまでも旧態依然とした幕式の
行先表示を掲げ続けている。

 でも、そんな8590系の姿が、実はけっこう気に入っている。

 だから、こうしてあじさい越しに8590系が見られたのは、嬉しいことであった。
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東急8590系電車(8691F) 東急大井町線戸越公園駅~中延駅にて 2011.6.28

by railwaylife | 2011-07-30 23:37 | 東急8000系 | Comments(0)

あじさい列車2011第二十四章 あじさい8500 2

 今回のタイトルを「あじさい8500 2」としているのは、当然「1」があるからだが、その「1」はこのシリーズの「第二章」にあたる。

 その「第二章」のことを書いた場所で私は、本当はあじさいの花越しに9000系が現れるのを待っていた。ところが、やって来たのは8500系で、残念な思いがしたものであった。

 それでも私は、何系であろうとあじさい越しに往く電車が見られて良かったと考え、この「第二章」を綴ったわけであるが、正直言うとやはり「あじさい8500系」はさほど見たい風景ではなかった。

 ところが、それから四週間ほどが経った「あじさい大井町線」の場所で、花越しに現れる8500系を目にしたときには、その「あじさい8500系」の風景が何とも「ああ、いいなあ」と思えるものになっていたものである。
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 それでこうして「あじさい8500 2」という記事が載ることとなった。

 だから、ここに掲載した「あじさい8500系」の風景は、以前の「1」のように仕方なく載ったものではなく、まさに私が憧れた風景として載ったものだと言える。


東急8500系電車(8638F・8640F) 東急大井町線戸越公園駅~中延駅にて 2011.6.28

by railwaylife | 2011-07-30 23:36 | 東急8000系 | Comments(0)

8000系もどき

 東急線から8000系が引退してかれこれもう三年以上経つが、この五月に二子玉川で田園都市線の8500系が多摩川を渡るさまを側面から眺めていたら、思わず「8000系だ!」と思ってしまったものである。
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 面構えは8000系と8500系ではだいぶ異なるが、こうして横から見てみれば、けっこう8500系は8000系に似ているものだ。
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 もちろん、8000系に電動制御車はないとか、8000系の先頭車の側面にある行先表示は長さが短いとか、細かな違いはある。でも、この風景は、まさに8000系が往く風景を彷彿とさせるものである。

 だから、8000系を偲びたくなったら、田園都市線の8500系が往く風景を真横から眺めることだなと、私は気が付いた。 


東急8500系電車 東急田園都市線二子玉川駅~二子新地駅にて 
2011.5.21
by railwaylife | 2011-07-28 23:10 | 東急8000系 | Comments(0)

山手線の風景

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 一年ほど前に私は、このブログに「山手線怖い」という記事を載せている。

 それは、日常の象徴であり都会の象徴である山手線が「怖い」と感じ、乗るのが億劫になってしまうという話であったが、今でも時々そう思うことがある。特に混雑する朝夕に乗車すると、あまりいいこともない。

 つい先日も、こんなことがあった。



 ある朝の通勤で、山手線の渋谷駅ホームにたどり着くと、今しも電車のドアが閉まろうとしているところであった。

 急げば乗れないこともなかったが、駆け込み乗車は良くないし、時間にも余裕があったので、次を待つことにしてその電車を見送った。そして、乗車口のところに立った。ちょうど電車が出て行ったばかりなので、私は乗車口の先頭に並ぶことができた。

 程なくして次の電車が到着した。そして、電車が完全に停止するのを見計らい、乗り込む体勢に入ろうとしていた。

 都心のJRの駅では特にそうなのだが、乗車口というのはあくまでも目安であって、電車が停まっても必ずしも目の前にドアが来るわけではない。乗車口とドアは多少位置がずれてしまう。これは、車内から降りてくる乗客を避けるのには好都合ではあるのだが、乗るときには乗車口からドアの脇まで移動しなければならない。

 それでこのときも、ドアの脇に移動しようとすると、ちょうどその場所にオバサンが横入りしてきた。

 私は「カチッ」と来た。こっちはちゃんと乗車口に並んでいたのに、それを横入りしてくるとはけしからんと思ったからである。

 それで私は、オバサンの真ん前にスッと移動し、よりドアに近い位置に立った。乗車口の先頭に並んでいた私には、電車へ一番に乗り込む権利があった。

 別に私は、いの一番に乗り込んで空いている席に座ろうとか、そんな魂胆があったわけではない。現に、車内に乗り込んだ私は、奥のドアの前に立った。

 席が取れるか取れないかなんて関係がなく、私は横入りしたオバサンの浅ましさを責めたかった。だから、わざとオバサンの真ん前に立ち、一番に乗り込んでやった。

 ドアの前に立っていると、そのドアのガラス越しに、後から乗り込んで来たオバサンが労せずして空いている席に就くのが見えた。そのオバサンが、怪訝そうに私を見ているようにも見えたが、もうどうでも良かった。

 私はもう、そのオバサンの行為を早く忘れたかった。それで、駅を出た電車の車窓に映る宮下公園や神宮通公園の緑をじっと眺めていた。



 こんなことで山手線に対する印象はまた悪くなってしまったのだが、それでも私は最近、山手線に対する想いが変わってきているように感じている。

 それは、なんだかんだと言っても、私の日常に山手線は欠かせないものだということである。そして、そうやって自分の日常にあたりまえにあるものこそ、実は自分にとっては一番大切なものなのだということである。これは、この春以来、再三自分に言い聞かせていることでもある。





 ところで、先に挙げた「山手線怖い」という記事では、寝台特急で東京へ帰って来たときに、その車窓に山手線の車両を見るのも嫌だと書いていた。日常に戻って来たということを、いやが上にも実感させられるからである。

 しかし、もし寝台特急の車窓に山手線が現れなかったとしたら、どう思うだろうか。



 例えば、九州から寝台特急に乗って東京へ戻って来たとする。多摩川を渡って東京都内へ入り大井町駅を過ぎれば、いよいよ山手線のウグイス色の帯を巻いた車体が見えてくるはずだ。彼らのねぐらである東京総合車両センターのすぐ脇を通るからである。

 ところが、車窓に見えてきた車両基地には、一編成も山手線の電車の姿がない。朝のラッシュは終わっただろうけどまだ出払っているのかな、と思ううちに目黒川を渡り、いよいよ東海道本線は山手線と合流する。ついに車窓に営業運転中の山手線の電車が現れるだろうと覚悟を決めるが、一向に電車は現れない。京浜東北線の電車も横須賀線の電車もやって来るのに、なぜか山手線の電車だけ現れない。品川駅を過ぎ、田町駅を過ぎ、浜松町駅を過ぎても現れない。怪訝に思ってケータイで運行情報を見てみるが、何の情報もない。

 そうこうしているうちに、新橋駅も有楽町駅も過ぎ、列車はゆっくりと終着の東京駅に到着しようとする。ついに、寝台特急の車窓に山手線の電車は現れないまま旅は終わってしまった。



 何だかちょっとミステリアスな話で、こんなことがあろうはずもないが、もしこうして山手線の電車が寝台特急の車窓にないままその旅が終わってしまったら、何とも締まらない終わり方になるだろう。寝台特急の旅が終わったという実感が得られないかもしれない。

 つまり、私にとって山手線の電車は、日常においてのみならず、非日常の旅においてさえ必須のアイテムなのだと言える。そして、山手線が日常の象徴として印象付けられれば付けられるほど、非日常である旅の日々はより一層輝きを増すのだと思う。

 だから、日常の私は、いやというほど山手線の風景を目に焼き付ければいい。そして、どうせならそれを楽しめばいい。

 いや、私はいつのまにかもう、山手線の風景を楽しむようになっている。このブログにもすでに、山手線が主役になっている記事がいくつか載っている。

 もっともそれは、山手貨物線に走る列車の風景を捉えるついでに眺めたものであったはずだが、中には山手線の風景を見るために出かけているものもある。

 特に、この春の「山桜、山手線」という記事に載っている風景などは、山手貨物線の風景のついででも何でもなく、山手線でなければならない風景だと思う。それを見るために、わざわざ私はそこへ行った覚えがあるが、自分ではなかなか気に入っている風景である。

 そんなふうに、これからも山手線の風景を楽しむべく、私はこのブログに新たに「山手線」というカテゴリを追加し、今までの山手線を扱った記事もそのカテゴリへ含めることとした。

 こうすることで、身近なところに新しい楽しみができたような気がして、何だかわくわくしてきた。これから気楽に、そして大事に思いながら、山手線の風景を眺めていきたいと思う。

by railwaylife | 2011-07-27 22:16 | 山手線 | Comments(1)

紫君子蘭列車2011

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紫君子蘭列車2011


イントロダクション
その花の名前

東北貨物線田端操駅~赤羽駅にて 2011.7.2



紫君子蘭列車1
山手線原宿駅~代々木駅にて 2011.7.6



紫君子蘭列車2
東急大井町線九品仏駅~尾山台駅にて 2011.7.7



紫君子蘭列車3
東急大井町線九品仏駅~尾山台駅にて 2011.7.7



紫君子蘭列車4
東急東横線祐天寺駅~中目黒駅にて 2011.7.18




 今までずっと気になっていたこの紫君子蘭という花を、今年はその名前を知ったこともあって、楽しむことができた。そして、この花越しにある鉄道風景を眺めることもできた。それを私は「紫君子蘭列車」と名付けてみた。

 ただ、今年その「紫君子蘭列車」を眺めたのは、以前から咲いていることを知っていた場所や、通勤の車窓に見えた場所くらいであった。

 きっとこの紫君子蘭という花は、さまざまな沿線の線路際に咲き誇っていることだろう。私の見た「紫君子蘭列車」の風景は、ほんのわずかなものに過ぎないのだと思う。

 だから来年は、もっと多くの場所でこの風景を楽しんでみたい。

 そんな想いと、また来年も無事にこの薄紫の花を目にすることができますようにという願いを込めて私は、ここにまとめの記事を載せることとした。

by railwaylife | 2011-07-26 23:43 | | Comments(0)

紫君子蘭列車4

 通勤の途中に紫君子蘭(ムラサキクンシラン)という花を探していた私は、先日の「紫君子蘭列車1」に綴った場所以外に、もう一箇所この花の咲く場所を見つけていた。

 その場所も途中下車してゆっくり花を眺めてみたいと考えていたが、なかなか行く機会もなく、毎日ただただ通勤電車の車窓に見遣るだけであったが、この前の三連休中にようやく訪れることができた。
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 さて、ここの花も当然「紫君子蘭列車」として眺めてみたかったが、花越しに列車を捉えるには「紫君子蘭列車1」同様にちょっと難しかった。

 それでもまた強引に花越しの通勤電車を捉えてみた。
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 愚かなことに逆光の時刻に来てしまったが、どうしてもここの「紫君子蘭列車」の風景を残しておきたかった。それはこの夏、私が通勤の車窓に紫君子蘭という花を楽しんでいたということを記録するためであり、来年の楽しみとするためでもあった。


東急9000系電車(9001F) 東急東横線祐天寺駅~中目黒駅にて 2011.7.18

by railwaylife | 2011-07-25 23:16 | 東急9000系 | Comments(0)

冴えない夏空

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 先週、雨雲と冷気をもたらした台風が去って以来、毎日のように「今日から猛暑が戻ってきます」と天気予報に脅されているように思うが、台風が来る前のような猛暑はちっとも戻って来ない。すっきりと晴れないからだ。

 今日も朝は青空があったものの、昼にかけて薄い雲が出て来て、午後にはその雲の色がだんだんと濃くなり、一雨降らそうかという表情にもなっていた。夕方になってそれは消え去りどうにか夕焼け色も見えたものの、全般的にはパッとしない空模様であった。それで、脅されていたほど気温は上がらなかったように感じた。

 何とも中途半端な夏の日で、久しぶりの青い夏空をひそかに期待していた私としては残念な思いもちょっとあったが、こんな夏の日もあるよな、と私は思うことにした。エアコンをあまり使わずに過ごせたのもいいことであった。

 今週もパッとしない空模様が続くようであるが、そんな日々も楽しんでいけばいいだけである。


東急5050系電車(5158F) 東急東横線都立大学駅~学芸大学駅にて 2011.7.24

by railwaylife | 2011-07-24 22:35 | 東急5000系列 | Comments(0)