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時代

 現在、東急東横線には8編成の9000系が残っている。

 ある日曜日、その8編成のうち5編成が、ある程度固まって運用に就いていることをたまたま知った。

 これはいつぞやみたいに渋谷駅で三並びが見られるかもしれない、と思ったが、また同じ風景を眺めるのもつまらない。そこで私は、ある一箇所に留まり、続々とやって来る9000系5編成を定点的に捉えてみることにした。この東横線に、何編成もの9000系が走っていた、ということを記録に残したかったからである。

 ただ、不器用な私は、いくつもの列車を同じ場所で同じように撮るというのはどうも苦手で、うまくいくかどうかはわからなかったが、多少の調整は加えて、どうにか定点的な記録を残すことができた。

 その様子を、ここに載せておきたい。


07ゥ 9014F 急行 元町・中華街行き
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06ゥ 9013F 各停 元町・中華街行き
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11ゥ 9012F 急行 元町・中華街行き
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10ゥ 9011F 各停 元町・中華街行き
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12ゥ 9010F 各停 元町・中華街行き

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 何だか車両が右側に寄ってしまっているが、これは線路の右側の建物をあまり入れたくなかったからである。どうして入れたくなかったのかは、この新丸子駅ホームの多摩川駅寄り先端に立ってみればわかることである。

 こうして私は、過ぎ去る5編成の9000系をただただ見送っていた。今はまだどうということのない眺めであるし、こんなふうに同じような写真を5枚並べ立てても仕方ないのかもしれないが、きっとそのうちに「そんな時代もあったねと」と懐かしむときが来ると思う。そのときのために私は、ここにこうやって残しておきたい。


東急9000系電車 東急東横線多摩川駅~新丸子駅にて 2011.2.6

by railwaylife | 2011-02-28 08:17 | 東急9000系 | Comments(0)

七年という歳月

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 先月の終わりだったか、みなとみらい線が開業して七年が経つと知ったとき、何だかひどくびっくりしてしまった。もうそんなに経ったのか、という驚きである。

 思えば、みなとみらい線が開業した2004年からこれまでの七年間、私の身の回りもずいぶんと大きく変化したように思う。その変化が起こった歳月は、今にして思えば長かったようであり、短かったようでもある。

 さて、七年も経てば、最初は珍しかった風景も、すっかり当たり前になる。東横線の電車の行先が「元町・中華街」を表示する風景も、この斬新な青いY500系が東横線を闊歩する風景も、いまは何の違和感もない。

 そうやって慣れ親しんできた東横線の風景に、来年はまた大きな変革が訪れようとしている。地下鉄副都心線との直通運転の開始である。直通運転が始まると、また見慣れない行先表示や、見慣れない電車が東横線を走るようになるのだろう。でも、そんな変化もまた、時が経てば当たり前の風景になり、この今目の前にある東横線の風景は、過去のものとして忘れ去られていくのだろう。


横浜高速鉄道
Y500系電車(Y514F)  東急東横線新丸子駅にて 2011.2.6
by railwaylife | 2011-02-27 12:11 | Y500系 | Comments(0)

たそがれ9000系 3

 昨年の暮れ、たまたま日没時刻に近所の東急東横線の踏切を通りかかったとき、夕暮れ色に染まる空を背景にした9000系という風景を狙ってみたが、残念ながら9000系はやって来ず、5050系がやって来た。それで、そのときの記事は「たそがれ5050系」になってしまった。

 それから一週間ほど経った後、再び同じ場所で夕暮れ時の9000系を待ってみた。このときは寒い中ねばって八本の電車を待ったが、一向に9000系はやって来ず、すべてが5000系列だったので、私は気分が悪くなってしまった。

 それでも、対向の下り電車で何とか9000系を捉えられたので、どうにか「たそがれ9000系2」という記事になったものの、私が思い描いた風景を捉えることはできずにいた。

 そのときから一ヵ月余りが経ってしまったが、先月の終わりに三たび夕暮れ時のこの踏切を訪れてみた。

 この日は、午後から曇って夕方には雪が舞うかもしれないという予報だったにも関わらず、何とか日没時刻近くまで日差しが保たれていた。それで、夕暮れ色に染まる空が期待できたが、線路沿いへ着いてみると、線路の向こうには何となく冴えない色の空があった。年末に見たときのような、藍色と桃色が混ざったような夕暮れ色は、なかった。

 日没間際になって雲が増えてきたのかなと思ったが、どうも日の沈む位置が年末のときと微妙に違うように感じられた。だから、たとえよく晴れていたとしても、線路の背後にある空はもう夕暮れ色にならない気がした。

 思えば、最初にここで「たそがれ9000系」を捉えようと思ったときから、すでに一ヵ月半が経っていた。その間に冬至も過ぎ、日没時刻は日に日に長くなっている。その分、日没の位置も動いているのではないだろうか。

 そんなことを思いながら踏切に着くと、さっそく警報機が鳴り出した。狙うべき渋谷方面行きの電車がやって来るようであった。

 私がお目当ての9000系だろうかと、線路の向こうに目を凝らす。すると、自由が丘駅構内から出てきた電車の前照灯は、黄色く見えた。9000系に間違いない。

 そう確信した私は、バッグからそそくさとカメラを取り出し、構えた。背景の空が夕暮れ色でなくても、もう関係がなかった。私はできるだけ多くの風景の中で、この9000系を捉えるつもりだからである。

 ただ、この場所に着いて最初に出迎えるのが9000系というのは、運が良いようで悪いようでもあった。準備が十分に整っていなかったからである。それで、どこに焦点が合っているんだかわからないような結果になってしまった。
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 しかし、これはこれで、私の9000系の記録として取っておきたい。

 ただ、もう一回だけ9000系を捉えておきたいという想いはあったので、あと何本か電車を待ってみることにした。

 そのうちに対向の横浜方面行きに9000系がやって来た。それも捉えておく。
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 9000系の特徴の一つは、四角い尾灯である。その尾灯が黄昏の中で紅く輝くさまもいいものだと思う。

 この後、渋谷方面行きの電車を数本待ちかまえてみたが、すべて5000系列であった。日没時刻も過ぎて空も暗くなってきたので、私は諦めることにした。

 それにしても、この場所で背景が夕暮れ色に染まる風景にめぐり会うためには、また年末まで待たなければならないのだろうか。そのときまで、9000系が何本残っているかである。

 でも、そんな先のことはさておき、今の季節の、今の日常の中にある9000系の風景を、私は記録していきたいと思っている。それに、またどこか別の場所で、夕暮れ色の下の9000系を見ることができるかもしれないと期待している。


東急9000系電車(9015F・9010F)
東急東横線都立大学駅~自由が丘駅にて 2011.1.29

by railwaylife | 2011-02-27 12:00 | 東急9000系 | Comments(0)

冬の終わり

 今週水曜日の朝、いつもより少し早く家を出て、久しぶりに京王井の頭線で通勤してみた。

 井の頭線に乗ろう思ったことにさほど意味はなかった。だが、通勤経路を変えたのは、気分転換をしようと思ったからなのかもしれない。違う風景の中を往けば、気分も変わる。

 そんな思い付きの井の頭線乗車であったが、私はあわよくば車窓に梅花でも見られればという魂胆は持っていた。そしてできれば、そんな梅越しの井の頭線という風景も見てみたいと思っていた。あじさいを追っていたときのように、線路際を多少ふらつくくらいの時間の余裕はあった。

 それで、始発の渋谷駅から先頭車両の運転室後ろに立ち、線路の両側の風景を見逃すまいと目を光らせていた。自分が心に描いた風景を探すためである。

 その甲斐もあって、私は二、三の梅花を沿線に見つけた。しかし、その花越しに電車を眺めるというのは難しそうであった。

 そういうわけで私は、途中で電車を降りることもなく、終点の吉祥寺駅に着いてしまった。途中下車するほどの風景がなかったということであるが、私としては久しぶりの井の頭線を十分に楽しむことができた。それに、梅ではない別の花越しの井の頭線を眺められる場所もいくつか見つけられた。そんな嬉しい発見もあった。

 そして昨日朝、その花越しの電車を眺めるために再び井の頭線に乗り込み、自分で見つけた場所へと向かった。



 私が見つけた花は、ツバキである。
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 そのツバキ越しに、次々と走り去る朝の通勤電車を、私は眺めていた。
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 色とりどりの電車が、ツバキのある風景に、色を添えていく。
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 2月もすでに終わりにさしかかり、ツバキを眺めるには少し遅い時季かもしれないなと思った。すでに枯れた花も多く、今が盛りとは言えなかったからである。

 しかし、まだ咲き誇っている花もあった。私は、来る時季が遅かったと嘆くよりも、そんな今ある花を楽しもうと思った。今、目の前にある風景を楽しもうと思った。それに、盛りのときが見たければ、また来年の年明けにでも来ればいい。そう思うことも、希望である。

 さて、何本かツバキ越しの電車を見送っているうちに、照り付けてくる朝日がずいぶんと暖かく感じられてきた。それで私はコートを脱ぎ、手に持って歩き出し、再び通勤の続きを始めた。

 そんな、コートを脱いでしまうくらいの暖かさに、私は冬の終わりを感じたりもしていた。


京王井の頭線三鷹台駅~井の頭公園駅にて 2011.2.25

by railwaylife | 2011-02-26 20:09 | 京王井の頭線 | Comments(0)

東急8090系のこと

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 先月発売の鉄道雑誌を図書館でぱらぱらと眺めていたら「終焉を迎える首都圏の旧世代電車たち」という記事があって、京王6000系や小田急5000形とともに、東急8090系の名が挙げられていた。

 ということは、この車両もまた、私の言う「去り行く通勤電車たち」の一つだというわけで「幼い頃に憧れた車両でした!」とか言って追わなければならないのではないか。

 いや、この8090系が「去り行く通勤電車たち」であることは、言われるまでもなく知っていた。私にとって最も身近で、最もよく知る鉄道である東急の車両だからだ。

 しかし、この車両に関してはまったくもって「日常の風景の中で撮っておこう」とか「見納めをしよう」という気が起きない。

 それよりも東急に関して言えば、東横線の9000系を追うのに夢中である。そして東横線を逐われ転属していった大井町線でも時々9000系を眺めるようにしている。

 実はその大井町線が、8090系の主たる活躍の場なのだが、大井町線の風景を見に行くにしても、私が見たいと思うのは9000系の走る風景である。8090系の走る風景は、私にとってはあくまでもついでに見るものである。

 なぜそんなに8090系を軽視するのか。あまり縁がなかったのかというと、そうでもない。この車両ももともと、私が幼い頃からずっと利用してきた東横線で活躍していたものだ。

 そのデビューは1980年(昭和55年)のことである。これは、私が物心付いてから初めて東急線に登場した新型車両である。その登場時の様子までは記憶していないが、幼い私が「シンガタ」として認識していたことは確かだと思う。

 そんな「シンガタ」の8090系は、デビュー当初から専ら東横線の優等運用、すなわち急行電車に使用されていた。今でこそ東横線の運用は、特急・急行と各停の運用が厳密に区別されておらず、終点まで行った各駅停車が折り返し特急になるなんてことはざらにあるが、当時は急行と各停の運用が別々で、急行に就く編成は限られていたと思う。

 それで、最寄り駅に急行の停まらなかった私は、ほとんど8090系に乗る機会がなかったように思う。あまり乗ったという記憶が残っていない。

 それに比して良く乗ったのが、8000系であり、後に登場する9000系であった。これらの車両は、各停の運用に就くことが多かったからである。

 日常の中で良く目にはするものの、実際に乗らないとなると、さほど愛着がわかないものである。もちろん、急行電車に憧れる気持ちはあっただろうが、例えば国鉄の特急列車に憧れるほどの強い気持ちではなかったと思う。

 そうこうしているうちに、8090系は大井町線に転属して行ってしまった。8両編成の急行電車でかっ飛ばしていた車両が5両編成に短縮され、ローカル色の強い大井町線を往くようになった。その姿は、何となく憐れであった。

 以来、8090系はずっと大井町線を走り続けている。すでに何編成かは離脱したものの、その本数はわりと多く、大井町線に乗れば必ず見かける。しかし、格別目立つ存在でもない。昔から大井町線の車両は雑多で、どれが主役ということもないからであろう。

 もっとも、数年前からは急行用に新型の6000系が導入されたので、それが主役と言えるかもしれない。また、各停の運用ではこのところ9000系が続々と導入されていて、主役の座に躍り出ようとしている。

 そして、他ならぬその9000系が、8090系をいよいよ駆逐しようとしているわけだが、大井町線でも私は9000系の方に愛着を感じる。だからやっぱり、8090系には思い入れがない。

 それに、大井町線の車両はどうも好きになれない。東急の車両といえば赤い帯が代名詞なのに、この路線の車両は帯を赤と黄色のグラデーションにしてしまった。俗にグラデ帯びなどと呼ばれるそうだが、どうもそれが気に入らない。

 おまけに車体には「大井町線」という線名の書かれたステッカーがやたらと貼ってある。JRの地方線区の専従ディーゼルカーみたいに、ローマ字で線名がカッコ良くデザインされていたりしたらまだいいのに、漢字表記でそのままあちこちに書かれていたら、まるで名札を体中に貼り付けているみたいだ。

 ただ、この線名の表記にはデザイン性など求められていない。田園都市線の電車と区別し、乗客の誤乗を防止するという重要な役割があるからだ。これは、大井町線の急行電車が田園都市線に乗り入れるようになったことを機に始まったと記憶しているが、現在は全列車が溝の口まで乗り入れるようになったことで、その役割はさらに増していると言えるのだろう。

 しかし、デザインとしてはやはりカッコ良くないと思う。昔の赤一色の帯の方が良かったなあと、昔を懐かしんでしまう。
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 ところで、そんなに大井町線カラーの車両が嫌だというなら、大井町線の9000系だって同じ体裁なのだから、わざわざ見に行かなくても良いのではないかと思われるかもしれない。

 しかし、不思議と9000系だと大井町線カラーがあまり気にならず、嫌だという感じがしない。なんでそうなのかと聞かれても説明が付かないのだが、やはり車両への思い入れの度合が違うからなのだろうか。

 そういうわけで私は、たぶんこれからも9000系の風景を眺めるのが中心で、8090系の風景はついでになってしまうと思う。


東急8090系電車
1枚目(8083F) 東急大井町線自由が丘駅~九品仏駅にて 2007.2.3
2枚目(8081F) 東急大井町線緑が丘駅~自由が丘駅にて 2007.7.3
3枚目(8095F) 東急大井町線旗の台駅にて 2009.6.25
4枚目(8095F) 東急大井町線自由が丘駅~九品仏駅にて 2007.2.3
5枚目(8093F) 東急大井町線中延駅~戸越公園駅にて 2007.11.16

by railwaylife | 2011-02-26 08:55 | 東急8000系 | Comments(0)

山手貨物線の251系

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 特急「スーパービュー踊り子」として伊豆へ向かう251系は、あの、相模の海を見ながら走る車両だ。


 その251系が、私の日常である渋谷・新宿といふ場所を山手貨物線で駆け抜けてゆくのは、私が相模の海を想う為である。


 私の好きな、相模の海の車窓を、私が想う為に、251系は駆けてゆく。


 私が日本一の車窓だと想う、相模の海の車窓を、私が想う為に、251系は駆けてゆく。


 屋根に向かって湾曲した広い車窓に映る、青い青い海を私が想う為に、251系は、私の日常を駆けてゆく。






 また、相模の海を見に行きたいな。
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 そろそろ花も咲くだろう。
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251系電車 山手貨物線恵比寿駅~渋谷駅にて 2011.2.12

by railwaylife | 2011-02-24 08:02 | 251系 | Comments(2)

春を見逃すな

 もうすぐ春が来る。

 空気がぬるみ、花がそこここに咲く。憧れの季節だ。

 その季節を前にして私は、自身の旅心に任せてついつい、どこか遠くの春を想ってしまう。緑にあふれ、花にあふれた、どこか遠くの春を想ってしまう。

 しかし、不甲斐ない私は、都会につながれた日常の鎖を断ち切れず、そんな遠くの春へ行けないまま、この季節を過ごしてしまうかもしれない。そして、春を十分に感じないまま、この季節を終えてしまうかもしれない。

 そうなったら私は、自分にこう言うだろう。

「いやぁ、都会にはなかなか季節を感じる場所がなくて、春を感じられなかったんですよねぇ」

 ものや他人の所為にして、言い訳をするのは簡単だ。でも、そうやって何かの所為にして、何もしないのは愚かだ。都会でも春を探してみろ!と自分に言いたい。 

 ほら、いつもの通勤経路にだって、もう春は来ているじゃないか。
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 それにしても、これは何の花だろうか。




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 河津桜だ!
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 たった一本だけれど、都会にもこの花は在る。伊豆まで行かなくても、この花は在る。リゾート21に乗らなくても、この花は見られる。身近な場所にも、探せばちゃんと春は在るじゃないか。


 ただ、ビルの谷間にひっそりと在るこの花には朝日が届かず、その表情は暗い。
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 でも、ここが「陽のあたる場所」になったとき、また来ればいいだけのことだ。

 そう思ったとき私はまた、自分の中に「見たい風景」を増やしていた。それは、嬉しいことだし、私にとっての生きる糧でもある。

 こうやって、日常の中に、たくさんの春を探していけばいい。そして、たくさんの「いい風景」を見ればいい。たくさんの「いい風景」を心に思い描けるようになればいい。


 人生とは、どれだけ「いい風景」を見たか、だ。


 その「いい風景」は、遠くに在るばかりではない。近くにも在る。そんな近くの春の「いい風景」を、私はたくさんたくさん探して、言い訳がましい自分を黙らせてやるつもりだ。


山手貨物線渋谷駅~新宿駅にて 2011.2.22

by railwaylife | 2011-02-22 22:35 | | Comments(0)

新宿駅の205系

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 先日の「東京駅の国鉄型」という記事で、東京駅に残る国鉄型車両について考えてみたが、新宿駅でも、国鉄型車両というものがだいぶ少なくなった。

 オリジナルカラーではないものの国鉄型である車両としては、特急「あかぎ」やホームライナーとして現れる185系、特急「日光」「きぬがわ」の485系や189系、それに中央本線の臨時特急「あずさ」やホリデー快速として活躍する183系や189系がある。

 そんな中で、臨時特急「あずさ」の一部に用いられている183系が、かろうじて国鉄時代のオリジナルカラーを保っている。だがそれは、繁忙期の特定の日だけに運転されるものであり、なかなか見ることはない。

 普段、新宿駅に行って一番目にする国鉄型と言えば、やはり埼京線の205系である。ダークグリーンの帯を巻いた装いこそ、国鉄時代にはなかったものではあるが、その数は非常に多く、まさに「新宿駅に国鉄型あり」と誇示しているような感じだ。あのせわしない新宿駅に朝から晩まで出入りし、活躍している。

 やはり、新宿駅に最後に残る国鉄型は、この205系になるのであろうか。もしそうなったとすると、205系が新宿駅から完全に姿を消した後は、すべての車両がJR型となるわけだが、それはある意味壮観な眺めになるかもしれない。

 そんな日は、いったいいつやって来るのだろうか。


205系電車 山手貨物線新宿駅~池袋駅にて 2011.1.23

by railwaylife | 2011-02-21 21:35 | 205系 | Comments(4)

あさまあずさ消滅

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 先日発売の「鉄道ダイヤ情報」2011年3月号には、臨時列車運転情報のページに「春の臨時列車一覧表」が掲載されていた。その中央本線の表を見てみると、ゴールデンウィークの繁忙期に運転される臨時特急「あずさ」81号が、E257系9両編成で運転されることになっていた。

 これまでこの「あずさ」81号には、長野車両センターの183・189系6両編成が充てられていた。かつての特急「あさま」の塗装をしたこの車両で運転される「あずさ」81号は、俗に「あさまあずさ」などと呼ばれ珍重されていたが、この春はその「あさまあずさ」が見られないようだ。

 この「あさまあずさ」は、正直言うとあまり好きではなかった。特急「あさま」用の車両が「あずさ」の絵入りマークを掲げて走る姿は、何度見ても違和感があったからである。しかし、今やその「あずさ」の絵入りマークを掲げるのは、この「あさまあずさ」のみとなっていて、その意味でも貴重であった。

 だから「あさまあずさ」が走らないことで、絵入りマークの「あずさ」が見られないのは、ちょっと寂しいことである。長年見慣れてきたマークである。
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 ただ、長野車両センターの183・189系は、快速「ムーンライト信州」の運用には引き続き就くことになっていて、上京することはまだありそうだ。  

 それにしても「あずさ」81号は、もうこの先ずっとE257系で運転されることになるのだろうか。この春のE257系の使用が、たまたま運用の都合によるものなのか、それとも完全な車両交代なのか、私にはわからない。その意味では、次の夏の繁忙期に運転される「あずさ」81号にどの車両が使用されるか、注目しなければならない。


1枚目 特急「あずさ」81号 中央本線東中野駅~中野駅にて 2010.5.1
2枚目 特急「あずさ」83号 中央本線大月駅にて 2002.11.16

by railwaylife | 2011-02-20 12:11 | 中央本線 | Comments(0)

渋谷ヒカリエ

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 渋谷駅東口では、約一年後の2012年春の開業を目指し、超高層複合ビル「渋谷ヒカリエ」の建設が進められている。

 この場所にはもともと、東急文化会館という建物があった。それが2003年に取り壊され、その後は地下鉄副都心線渋谷駅建設のために場所が使われ、しばらく建物らしい建物がなかったものの、今またこの新たなビルが現れようとしている。

 その開業はまだだいぶ先のことだと思っていたのに、もうあと一年後だという。それを知ったとき私は、時の流れの早さをまた思い知らされた感じであった。

 きっと、この「渋谷ヒカリエ」がある風景というのも、最初こそ珍しく感じるものの、あっという間に当たり前の眺めになってしまうのだろうなと思う。そして、古い風景というものは、どんどんと忘れ去っていく。

 この場所に以前あった東急文化会館の風景も、もはや私の記憶の中ではおぼろげである。

 しかし私は、子供の頃からよく東急文化会館に行っていて、いろいろと思い出がある。

 一番印象深かったのは、屋上にあったプラネタリウムである。青銅色の半円形がこの建物の上に乗っていて、私は小学生のときに何度もそこへ観に行った記憶がある。

 振り返ってみると、小学生の頃の私は、天体や宇宙に今よりもずっと深い興味があった。その私の好奇心を満たしてくれたのが、この東急文化会館のプラネタリウムであった。

 観に行くといえば、ここの映画館にも何度か行った。たしか地下にあったと思うが、独特の雰囲気のする映画館であった。

 そして、東急文化会館の中で一番よく行ったのは、5階にあった三省堂書店であった。学生の頃は、本当によく行った。

 この三省堂書店は比較的大きな書店ではあったが、格別品揃えの良い店ではなかったと思う。でも、私は雰囲気が好きだったのか、頻繁に訪れていた。そしていろいろな本を眺めていた。

 こうやって振り返ってみると、東急文化会館は、私の知的好奇心を満たす場所だったんだなあという気がしてきた。

 そんな思い出の詰まった東急文化会館の建物を、私は一度も写真に撮ったことがなかった。その所為もあってか、東急文化会館のある風景というものが、頭の中でおぼろげになっている。

 それでもたまに、東急文化会館の写真が載った本を目にしたりすることがあり、思わず懐かしいなあと思う。だが、その写真では、建物の前に路面電車の姿があったりする。それは、私が生まれる前の風景だ。私が見た風景とは違う。だから、懐かしいとは言えなくなる。

 そうするとやはり、自分が見た風景を、自分で残しておかなければいけないなと思う。

 しかし、当たり前の風景というのはなかなか残しづらい。東急文化会館があった当時、渋谷駅を日々利用していた者にとっては、この建物が本当に当たり前の存在だったからである。東急東横線のホームからも見えたし、地下鉄の銀座線に乗ればトンネルへ突っ込む前に必ず見えた。そんな建物をわざわざ記録しておこうという気には、なかなかなれなかった。とは言え、ちゃんと撮っておけば良かったなあという後悔はある。

 そんな反省も含め、私はこれから日常の風景になるかもしれない渋谷ヒカリエの建物を、気の早いことに完成前から撮っておいた。もし、できあがった渋谷ヒカリエが私の日常の風景に溶け込んだとしたら、それができあがる前の姿というのも、貴重になるだろうと思ったからである。

 ただ、考えてみると、この渋谷ヒカリエができるのと同時かほどなくして、東横線の渋谷駅も地下に潜ってしまう。そうなると、乗り換えで渋谷駅を通るだけでは今ほど頻繁に渋谷の風景というものを見なくなるかもしれない。

 また、この建物が一番よく見えるのは銀座線の車窓だろうが、東横線が地下駅になるおかげで、銀座線との乗り換えも不便になる。きっと銀座線を利用するにしても、半蔵門線で表参道駅へ出てから銀座線に乗るということになるだろう。そんなことを考えてみても、渋谷ヒカリエのある風景が見慣れたものとなるかどうかは、まだよくわからない。

 そしてまた、この建物自体によく行くようになるのかも、今はまだわからない。それは、どんな商業施設や設備が中に入るかによると思うが、果たして東急文化会館のように、私が頻繁に足を向けるような場所になるかどうかである。



 ところで、渋谷ヒカリエと一緒に写った銀座線の01系もまた、私にとっては日常見慣れた風景の一つである。そして、登場からもう二十年以上経つから、いろいろと思い出も多い。特に私は、高校の通学にこの路線を使っていたので、何だか高校時代の気恥ずかしい思い出の数々がこの車両に詰まっているような気もする。
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 そんな思い出の車両の走る銀座線に、ついに後継車両の導入が発表された。その車両が登場し、今の01系が淘汰されてゆくのはまだまだ先のことのようだが、また少なくなってから慌てて「記録しよう」とかいうことのないようにはしておきたい。


渋谷ヒカリエと銀座線 東京メトロ銀座線渋谷駅~表参道駅にて 2010.12.14

by railwaylife | 2011-02-19 22:25 | 東京メトロ | Comments(0)