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京王3000系を追って

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 京王井の頭線は、昔から馴染みのある路線である。幼い頃から、親戚の家へ遊びに行くときに良く乗った。井の頭線の車両は、3000系という形式の一種類であったが、前面の塗装が7種類あり、色とりどりで楽しいものであった。また、運転席のすぐ後ろに座席があって、座りながらにして前面展望を楽しめるというのも、この3000系の特徴であった。

 その後、大学の四年間は、井の頭線の渋谷から明大前を通学に利用していた。通学のときも、何色の3000系が来るのだろうという楽しみがあった。大学3年生のときには、後継の1000系がデビューしたが、井の頭線といえばやはり3000系という印象であった。

 そんな3000系がもはや風前の灯であるという。後継の1000系に押されて次々と車両が淘汰され、もはや残っているのは数編成のようだ。その残りも、来年には全て引退するそうだ。

 編成によって色とりどりの塗装が1000系に引き継がれたのは良かったが、やはり幼い頃から当たり前のように目にしていた3000系が見られなくなってしまうのは寂しい。それで、今のうちに3000系の姿を見ておこうと思った。

 だが、調べてみると、いまや3000系が運行されているのは、平日朝のラッシュ時のみのようであった。ちょうど、東急東横線の8000系の末期と同じ状態である。平日勤めている身としては、それを見に行くのはなかなかつらいことだ。それでも、普段は車庫にいるであろう3000系を、一目見ておきたいと考えた。そこで土曜日の昨日、車庫のある富士見ヶ丘へと向かった。

 渋谷から急行吉祥寺行きに乗り込んで、久我山まで行った。私は運転席の後ろに張り付いて、念のためすれ違う列車を全てチェックした。しかし、当たり前のことだが、すれ違うのはどれも1000系で、3000系は走っていなかった。1000系の中には、最近増備された大型の行先表示器を備えた編成も多かった。

 久我山で下車し、神田川沿いの歩道を富士見ヶ丘の方へ戻っていくと、井の頭線の車庫である富士見ヶ丘検車区の脇に出る。歩道からは、午後の日に照らされて静かに佇む車両たちが見えた。その中に、3000系の姿も数編成あった。

 留置線にひっそりと佇む3000系は、寂しげに見えた。土日は全く動くこともないのだろう。私はやはり、この車両が動いているところをもう一度見てみたいと思った。何とか平日の朝に時間を作って、沿線に見に来たいものである。

 古い車両が去り、新しい車両が次々と登場するのは、時代の流れからして仕方のないことである。技術の進歩により、新しい車両の方がより効率的で安全でもあるのだから、利用する側も安心できるというものである。だが、幼い頃から見慣れた車両が消えていくのは、やはり寂しい。だから、まだ動いている間に、しっかりとその勇姿を眺め、記憶にとどめていきたいと思う。


京王3000系 京王井の頭線富士見ヶ丘検車区にて(敷地外から撮影) 2009.9.26



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by railwaylife | 2009-09-27 22:40 | 京王井の頭線 | Comments(0)

時刻表購入

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 昨日、一年半ぶりに時刻表を買った。この間、旅に出なかったわけではないけれど、旅の計画を立てるときはついついインターネットの時刻表を利用していた。また、時刻表に掲載される夜行列車が年々減っていって、その魅力が失われていったことも、時刻表を買わない大きな理由だったかもしれない。

 しかし、今回は久しぶりに購入してみた。というのも、妻が最近、あちこち出かけたいと言うからである。そんな話を聞いていると、私の中の、旅への想いが溢れ出す。そして、たちまちに頭の中で旅の計画が練られる。そうなると、時刻表は必須のアイテムになってくる。

 そういうわけで時刻表の最新号を手にしたが、そのずしりとした重みが旅への想いをかきたてる。そして、列車の時刻が羅列されたページをめくっていくとき、旅への期待が膨らむ。時刻表の紙面の行間にこそ、旅の計画の醍醐味はある。

 この秋は妻の希望もあって、久々に大きな旅を企てている。そうやって、実際に旅立つことを前提に、時刻表のページをめくっていくのが、何より楽しい。

 それにしても、在来線の巻頭を飾る東海道本線東京口のページは何とも寂しくなったものである。すでにブルートレインの時刻はもちろん一行もないが、この秋は快速「ムーンライトながら」の時刻さえ載っていない。わずかに寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」だけが、一筋の光のように孤軍奮闘している。

 そんな東海道本線のページよりも、中央本線や高崎線などのページが、臨時列車も多く載っていてずっと賑やかだ。今までになかった臨時列車なども設定されていて、興味深い。

 ただそうやって、ついつい首都圏から発車する列車に目が行ってしまうが、日本は広い。時刻表の世界は広い。まだ行ったことのない場所、まだ乗ったことのない路線にも、想いは巡る。

 夜行列車の減少で、鉄道の魅力も衰えてきたけれども、久しぶりに手にしたこの時刻表では、まだまだ誌上の旅を楽しめる。そして今は、現実の旅の計画を練る楽しみもある。しばらくは、この時刻表で楽しめそうである。



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by railwaylife | 2009-09-24 22:47 | | Comments(0)

秩父ふたり旅

 妻が以前から秩父に行きたいと言っていた。ちちぶ銘仙館という着物の資料館を見てみたいからということであった。そんな話を聞きながら、私はふとあることを思い付いていた。秩父といえば秩父鉄道の蒸気機関車である。それを眺めに行くのも良いかなという気がしてきた。妻がちちぶ銘仙館を見ている間に、私は蒸気機関車を見に行けば良い。それは楽しそうだと思って、妻に秩父へ行こうと誘った。

 そして連休の中日の今日、妻と二人で秩父へ向けて旅立った。秩父へ行くには、池袋から西武池袋線の特急「ちちぶ」に乗る。この特急に乗れるのも、今回の旅の楽しみの一つである。

 通勤に西武新宿線を使うようになったので、西武鉄道はだいぶ馴染みになった。でも、西武池袋線に乗るのは久しぶりのことだし、特急「ちちぶ」に乗るのは初めてのことである。池袋を出た列車が、程なく練馬辺りの複々線区間にかかったときには、車窓に目を見張るものがあった。それにしても、普段新宿線で良く目にしている車両たちが、知らない景色の中を走っているというのはずいぶんと違和感があった。所沢で新宿線の車両を目にしたときは、何となくほっとしたものである。

 やがて飯能を過ぎると、車窓には緑が増え、山並が迫ってきた。そんな中、高麗という小駅に臨時停車する。曼珠沙華の群生で有名な巾着田の最寄り駅だ。ちょうど花のシーズンということで臨時に停車しているようだ。ずいぶん多くの客が降りて行った。曼珠沙華は好きな花だが、ここまでの車窓で線路際にもだいぶ目にすることができたので、それで十分だと思った。

 車窓の眺めはさらに山深くなり、トンネルを繰り返す。日常を離れる歓びがわいてきた。そのうちに石灰石の採掘で有名な武甲山が曇り空の中に茫然と現れ、その山容に圧倒されるうちに終着西武秩父に到着した。降り立つとだいぶひんやりしていた。

 さっそく妻をちちぶ銘仙館へ案内し、私は一人、秩父鉄道の線路際へと急いだ。蒸気機関車をどこで見送ろうかと思案するためである。ただ、線路は市街地の中を通っているので、これといった場所はない。初めは御花畑駅近くの踏切に陣取ってみたが、交通量が多いので、あまり良い場所ではなかった。
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 結局、秩父駅近くまで歩き、その線路際で見送ることにした。それにしても、秩父鉄道の車両は見ていると面白い。一昔、二昔前に都心で活躍した車両が今も現役で動いているからである。ただ、私としては最近東急からこの秩父鉄道にやって来た7000系を見てみたかったが、今日は出会うことができなかった。
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 昼を過ぎ、ようやく蒸気機関車はやって来た。秩父駅をゆっくりと出てくる。駅を発車したばかりで煙がほとんど出ず、迫力には欠けたが、久々に炭水車付きの大きな機関車を目にすることができ、胸に迫り来るものがあった。
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 蒸気機関車を見送ってから妻と合流し、昼食をとることにした。秩父といえばそばである。それで、目を付けていたそば屋へ行ってみたが、店の外まで行列ができていて、十組以上が待っていた。時間の関係もあるので、あえなく断念する。すぐに妻が機転を利かせて近所のカレー屋を探してくれたので、その店でカレーを食べた。秩父でカレーを食べることになるとは思っていなかったが、なかなかの味であった。

 秩父駅に戻ってお土産を買い、折り返しやって来る蒸気機関車を出迎えた。妻は久しぶりに蒸気機関車を目にしたようで、喜んでいた。その列車を見送りつつ、私たちはとなりの御花畑駅まで電車に乗った。一駅でも秩父鉄道に乗れたのは良かった。

 御花畑駅から西武秩父駅に戻り、仲見世でまたお土産を買った。それから、こんにゃくとおやきにビールと梅酒も買い込み、特急「ちちぶ」に乗り込んだ。二人で飲み食いするうちに、列車は動き始め、帰途に就いた。そして、ほろ酔い気分のうちに列車は山間を抜け、都心へと戻って行った。

 今回の旅は、二人ともそれぞれ満足のいくものであった。そしてまた、秩父を訪れてみたいと思った。ただ、今度はもっと景色の良いところで蒸気機関車を見送りたいと思う。それに、蒸気機関車の牽く列車にも乗ってみたいものである。


1枚目 秩父鉄道6000系電車 御花畑駅~影森駅にて 2009.9.21
2枚目 秩父鉄道5000系電車 秩父駅~御花畑駅にて 2009.9.21
3枚目 秩父鉄道1000系電車 秩父駅~御花畑駅にて 2009.9.21
4枚目 秩父鉄道C58363+12系 秩父駅~御花畑駅にて 2009.9.21



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by railwaylife | 2009-09-21 23:22 | | Comments(0)

甲州ふたり旅

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 知り合いから青春18きっぷ二回分を譲ってもらったので、8月30日の日曜日に、妻と二人でちょっとした日帰りの旅に出ることにした。目的地は甲州である。中央本線での旅だ。

 休日の朝にしては早起きして、新宿発9時06分のホリデー快速「ビューやまなし」号に乗った。朝から空がどんよりしていたが、新宿駅を出る頃には車窓に雨粒が付き始めた。

 私は幼い頃から何度となく中央本線に乗ってきたが、妻は立川以西に乗るのが初めてのことであった。妻には高尾辺りからの山深い車窓を楽しんでもらいたかったが、空は白いままで、木々の緑は生気を失い、いまひとつの眺めであった。やがて現れた桂川の川面も冴えないものであった。

 それでも、新大日影トンネルを抜けると薄日が差してきた。そして10時53分着の勝沼ぶどう郷で列車を降りた。

 私一人の旅であれば、列車に乗ることと史跡を巡ることで終わってしまうが、妻が一緒だと行先は変わる。勝沼ぶどう郷では、ワインを楽しもうということにしていた。駅から見える「ぶどうの丘」という観光施設に行き、ワインカーブで試飲を楽しんだ。いろいろな種類を飲んでいるうちに、味がだんだんわからなくなってきたが、気分も良くなってきた。

 レストランで昼食を済ませてから、葡萄畑の間をブラブラ歩いて駅へ戻り、13時28分発の下り普通列車に乗った。勝沼ぶどう郷から次の塩山にかけては、甲府盆地へ向けてグッと下って行くところで、眺めも良い。晴れていれば盆地に点在する白い建物がキラキラとして印象的だが、あいにく空は曇って、平凡な眺めになってしまった。それでも妻は、盆地の景色を楽しんでいたようである。

 甲府盆地に入り13時49分着の酒折で下車する。また日差しが出て暑い中を駅からしばらく歩き、甲斐善光寺を参拝した。ここではお参りをして、巨峰のソフトクリームを食べただけで、慌てて駅へ戻る。

 というのも、私が帰路の列車の切符を買い間違えていたからである。帰路もホリデー快速「ビューやまなし」号に乗るつもりで、甲府からのグリーン指定券を取っていた。しかし、グリーン車の指定席は青春18きっぷでは利用できないことが、行きの列車の車内放送でわかった。

 そこでグリーン車に乗るのは諦め、ホリデー快速の始発である小淵沢から自由席に乗ることにした。そのために、酒折発14時59分の普通列車小淵沢行きに乗った。

 甲府を過ぎしばらく走ると、車窓はより一層のどかなものになってくる。午後の日差しに照らされて、久々に115系電車の豪壮な走りに身を委ねていると、ウトウトとしてきた。気持ちの良い居眠りであったが、妻にすぐ起こされてしまった。

 15時56分に小淵沢に着く。ここですぐにホームのホリデー快速の乗車口に並べば、帰路も座って行けると思っていたが、すでに乗車口には長い行列ができていた。自由席に座るのはもはや無理のようであった。

 そこで私は窓口で、グリーン指定券を普通車の指定券に乗車変更してもらうことにした。そうすれば差額も返ってくるし、指定券が無駄にもならない。

 ところが、改札を出て窓口へ行くと、長蛇の列ができていた。夏休みも終わりに差し掛かって、特急で各方面へ帰る客が多いようであった。おまけに窓口で何やらもめていて、なかなか列が進まない。ホリデー快速発車の16時17分まであと十分、あと五分と迫ってきて、焦ってくる。ホームで待たせていた妻も電話してきて急かせる。ようやく五分を切ったところで順番が回ってくる。急いで乗変を依頼して、出てきた指定券と差額の返金をわしづかみにし、ホームへ駆け上がった。どうにか間に合ったが、危ないところであった。

 指定された席は、二階建て車両215系の一階席でも二階席でもなく、車端部の平屋部分にある席であった。それでもワンボックスを終点まで二人で独占できたので、のんびりと帰れた。

 甲府辺りまでは西日が穏やかに差していたものの、次第に雲が増えて、暗くなってきた。甲府盆地を抜け、山間に入るとさらに暗くなり、もはや日が暮れたようになった。やがて山肌には白い霧がかかり始めた。そんな景色も、山岳路線ならではだと思った。

 小仏トンネルを抜け東京都へ戻る頃には本当に日も暮れて、雨も降り出した。濡れた街灯りを見送るうち、18時53分に終着新宿駅へ到着した。ホームに降りると、雨が本降りだったので驚いた。そして短い旅は終わりを告げた。

 一人旅のくせが付いている私は、列車の車窓を見ているとつい景色に見入ってしまう。また、史跡では一人でいろいろと考えを巡らせ、口数も少なくなる。そんな私に、妻は少し物足りなかったようだ。もっと、ふたり旅の会話を楽しめば良かったと思う。でも、これに懲りずに、またふたり旅をしてもらいたいものである。


写真は勝沼ぶどう郷駅のはずれにあったEF6418号機 2009.8.30



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by railwaylife | 2009-09-01 22:22 | | Comments(0)