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寝台特急富士の旅

 4月10日、東京駅から寝台特急「富士」に乗車した。
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 グランスタで買い込んだ弁当を手に乗り込んだのは、8号車A寝台個室「シングルデラックス」である。夢のまた夢であったA寝台個室に、ついに身を置いた。決して広い部屋とは言えないが、大きな正方形の車窓を独り占めにできたのが何より嬉しかった。
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 その車窓に雨が滴る中、薄暮の東京駅を発った。18時03分、東京という日常を後にして自由になれるその瞬間に、何にも代えがたい歓びと興奮があった。

 出発して間もなく日の入りを迎え、車窓は次第に藍色へと変わっていく。やがて黄昏の多摩川を漂うように渡れば東京脱出だ。窓外はどんどん暗くなっていく。部屋の灯りを消すと、闇の車窓が浮かび上がってきた。崎陽軒のシウマイをつまみにビールを飲みながらそれを眺める。

 弁当も食べ終わると、あとはひたすら闇の車窓に引き付けられた。空より黒々とした相模の海に見とれた。黒く冷たい大井川の流れを越え、闇に沈む茶畑を見た。黒くザラザラとした浜名湖の水面を見つめた。そうやって車窓を眺めながら、過去の旅を想い、そしていま旅の身の上にある自分を想った。いろいろあったけれどもまたこうして青き列車に身を委ね、旅をしている自分に幸いを感じた。

 闇の車窓との対峙は0時36分着の京都まで続けた。その後はA寝台に横になり揺れるに任せて夢うつつのときを過ごした。

 翌朝、5時21分着の広島で目が覚めた。しばらくしてから起き上がり窓外を見ると瀬戸内海が見えた。上り来ようとしている朝日で海面が金色に染まっていた。やがて岩国を発つと、線路は海岸ぎりぎりのところへ出た。正面に朝日が上って来た。青灰色の海原の真ん中に金色の道が浮かび上がる。
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 この眺めを見たいがために、海側に車窓のあるA寝台個室を選んだと言っても良いくらいだ。

 柳井を過ぎて海岸から離れると、今度は車窓に菜の花や桜が目立ってきた。東京の桜はすでに散っていたが、山口県下の桜は、まだまだ盛りであった。そこかしこに花があった。日に照らされた桜は白くぼうっと輝いていた。寝台特急の車窓に桜の花を見たいという念願がついに叶えられた。

 徳山からの車内販売で購入したあなご飯に舌鼓を打つうちに新山口を過ぎると、だんだんそわそわしてくる。関門間での、機関車交換と「はやぶさ」「富士」の分割という一連の「儀式」を見届けなければならないからだ。宇部を発ったところで部屋を後にし、前方1号車へ向かう。
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 下関での関門間専用機関車EF81への付け替え、門司での「はやぶさ」と「富士」の分割と紅い機関車ED76への付け替えを、ホームに降りてこの目に焼き付けた。子供の頃から憧れてきた光景だ。それらの「儀式」がほぼ終わりかけ、門司で先発する「はやぶさ」を見送ったときには、何だか切なくなってきてしまった。
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 単独運転となった「富士」は、小倉から日豊本線に入った。九州に入っても花はまだ盛りであった。線路際には鮮やかな菜の花があり、桜の花越しに早くも鯉のぼりが泳いだりしていた。
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 大分県に入り、国東の山々を過ぎ、別府湾の青々とした海原が見えてくると、旅は終わりに近い。ブルートレインの青色を映した別府湾の海を眺めていると、胸がしめつけられるように悲しくなってきた。
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 11時17分、終着大分には定刻に到着した。ホームに降りてから、山型のマークの付いた機関車を、何度も何度も撮った。
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 これから来年の春まで、寝台特急「富士」「はやぶさ」に乗る機会がまたあるのかどうか、わからない。また、本当に寝台特急「富士」「はやぶさ」が来年の春で廃止になるのかも、今はまだ確かではない。でも私は、今回のこの旅路を、自らの心の奥底に、深く深く、しかと刻み付けた。



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by railwaylife | 2008-04-15 18:03 | 寝台特急 | Comments(2)

旅立ちのとき

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 旅立ちのときは来た。いよいよ寝台特急「富士」で、東京を発つ。

 これまで幾度か、東京駅からのブルートレインでの旅立ちを経験してきた。今回がその最後になるかもしれない。そう考えると、思い入れはひときわ強くなる。その旅立ちに、今は何を想えば良いのか、どんな想いを込めれば良いのかわからないくらいだ。

 でも、とにかく寝台特急の旅を楽しみたい。憧れた旅路を刻みたい。見果てぬ夢だと思っていたA寝台個室乗車を噛み締めたい。

 寝台特急に揺られ、闇の車窓を眺めていると、様々な想いにふけることになる。日常の中でただ生きているだけではなかなか得られない想いに至ることもある。今回の乗車も、そういうことができる良い機会だと思う。寝台特急への憧れ、想いのすべてを込めて、一夜限りの夢の乗車を、とにかく楽しみたい。



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by railwaylife | 2008-04-10 13:30 | 寝台特急 | Comments(0)

大井町線急行

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 先月の28日から、東急大井町線に急行が走り始めた。先日、大井町へ行く所用があったので、さっそく自由が丘駅から大井町駅まで急行に乗ってみた。

 急行電車はこれまでの各駅停車より1両多い6両編成で、専用の新型6000系が用いられている。先頭が尖った斬新なデザインは、これまで少し古びた車両しか走っていなかった大井町線のイメージを一新させるものである。車両以外にも大井町線では、駅の案内表示板や接近案内放送などが急行運転に合わせて導入され、そういう面でも、ローカルな感じのあった大井町線の印象はだいぶ変わってしまった。

 自由が丘駅から、先頭車両の運転台の後ろに立って急行電車の走りぶりを眺めてみた。途中停車駅は自由が丘、大岡山、旗の台だけであって、通過する駅の数は多い。だが、もともと各駅間の距離が短いため、さほど多くの駅を通過しているという感覚がなかった。

 また、スピードもそれほど上がらなかった。大井町線には先日からATC(自動列車制御装置)が導入されているので、運転席の速度計を見ていれば制限速度がわかる。すると、運転士は制限いっぱいまで速度を上げていなかった。どうしてかと思って見ていると、すぐに列車がカーブや駅構内に差し掛かり、制限速度が頻繁に下がることがわかった。思い切り走りたくても走れないような、そんなもどかしさがあった。それでも大井町駅までの所要時間は短縮され、だいぶ早くなったように感じた。

 ところでこの急行電車運転開始の目的は、田園都市線混雑緩和というところに主眼がある。大井町線全体の所要時間を短縮し、都心への有効なルートとすることで田園都市線の利用客を呼び込もうという意図がある。

 だから、大井町線内の利便性が向上したかどうかは疑問の残るところもある。急行の通過する駅では、各駅停車の運転間隔が長くなってしまった。また、急行と各駅停車が近接して走行するため、踏切の待ち時間が長くなってしまうなどの問題も起きているようだ。今後はそうした点も含め、大井町線そのものの利便性がもっと上がるような改善があれば良いと思う。


大井町線急行6000系 東急大井町線 緑が丘駅~自由が丘駅にて 2008.4.3



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by railwaylife | 2008-04-06 15:35 | 東急 | Comments(0)

7000系の春

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 昨年末にデビューした東急7000系は、今年が初めての春である。

 いま、散り残る桜を横目に、7000系は軽快に春を駆けて行く。

 これから幾度も、春を重ねていくのだろう。


東急
7000系電車
1枚目 東急池上線洗足池駅~石川台駅にて 2008.4.3
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枚目 東急池上線石川台駅~雪が谷大塚駅にて 2008.4.3
by railwaylife | 2008-04-03 17:16 | 東急 | Comments(0)

東急5000系の色

 東急5000系は、銀色のボディに二色の帯を巻いている。一色は東急のコーポレートカラーの赤で、もう一色は路線ごとに色が異なっている。田園都市線を走る5000系は緑色、目黒線を走る5000系は藍色である。

 そして、東横線を走る5000系の帯は、
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桜色である。


東急5000系
1枚目 東急東横線 都立大学駅~自由が丘駅にて 2008.4.1
2枚目 東急東横線 自由が丘駅にて 2008.4.1
3・4・5枚目 東急東横線 代官山駅~中目黒駅にて 2008.4.1



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by railwaylife | 2008-04-01 19:26 | 東急5000系列 | Comments(2)