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甲州にて

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 以前から立てていた青春18きっぷ一日分での旅を、ようやく実行した。暑いさなかに立てていた計画なので、できるだけ涼しいところを訪れたいと考え、高原を走る小海線へ行くことにしていた。ぐずぐずしているうちにすっかり秋めいてしまったが、予定通り行ってみることにした。新たに導入されたハイブリッド車両にも乗ってみたかったからである。

 ところが今朝、新宿駅から中央本線に乗ると、ダイヤ乱れに巻き込まれてしまい大月駅から先の列車に間に合わなくなってしまった。小海線は断念した。そこで、中央本線沿いの行きたかったところを、途中下車しながら巡ることにした。

 まずは東山梨駅近くの古刹清白寺を訪れた。そこで室町時代の仏殿をじっくりと眺めてから、次は猿橋駅で途中下車して、日本三奇橋の猿橋までぶらぶら行ってみた。

 最後は鳥沢駅で下車し、有名な新桂川橋梁のたもとへ行ってみた。中央本線が深い谷を高い橋梁で跨ぐところだ。そこでしばし、行き交う列車を眺めた。
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 今日の甲州は雲が多いものの、時折日差しのある天気であった。ただ、風は涼しく心地良かった。谷沿いの実りかけた稲穂、遠くの山並、雲間からもれる午後の日差しに、去り行く夏を感じられた。東京の夏は、暑いだけで何もなかったように思う。
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 鳥沢駅から上り列車に乗って帰途に就くと、夕日が眩しく差してきた。車窓の緑に、一瞬だけ夏が戻った。遠くの山の端は日に照らされ、水墨画のように色が薄くなった。甲州で、晩夏を満喫した一日であった。


中央本線 鳥沢駅~猿橋駅にて 2007.8.31



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by railwaylife | 2007-08-31 23:03 | | Comments(0)

渓谷をゆく

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 残り少ない東急8000系の「良い風景」を探して沿線を歩いているうち、お気に入りの場所を見つけた。大井町線の等々力駅と上野毛駅の間である。

 等々力といえば、谷沢川の等々力渓谷が有名である。東京都の指定する名勝にもなっていて、都区内に残るわずかな自然景観である。暑い季節には、涼を求めて訪れる人も多い。

 その等々力渓谷の少し上流で、大井町線と谷沢川が交わっている。両者はしばらく並走した後、大井町線が流れを跨いで行く。ここを走る8000系を捉えた。名付けて「渓谷をゆく8000系」である。

 厳密に言うと、この場所は渓谷ではないし、コンクリートの護岸で固められた流れを「渓谷」などと称しては笑われるかもしれない。でも、8000系の走る区間ではなかなか風情のあるところだと思う。

 しかし、そんな「渓谷」の区間も、風景が一変しようとしている。田園都市線の混雑緩和を目的とした大井町線の急行運転開始に際し、等々力駅で急行の待避ができるよう線路増設するため、駅を地下化することになっているからだ。線路はちょうど谷沢川との並走区間辺りから地下へ潜る計画である。

 だが、名勝等々力渓谷に近いところで地下化の工事をして、渓谷に影響はないのかという懸念が当然出てくる。流れの量が変わったり、湧き水が枯れてしまうのではないかという心配がある。

 その辺りは東急電鉄も心得ており、工事の計画にあたっては「等々力駅地下化工事技術検討委員会」なるものを設置して、入念な調査を行っている。そして調査の結果、等々力渓谷にはほとんど影響がないという。工事に際しては、地下に作る止水壁を極力小さくし、工事後の止水壁撤去後には透水性の高い材料で埋め戻すという計画になっている。

 調査の通り、渓谷には影響が出なければ良いと思う。私にとっても、等々力渓谷は幼い頃から慣れ親しんだ、身近な自然である。これ以上、想い入れのある風景が破壊されては困る。

 そんな願いを込めながら、去り行く車両、去り行く景色を見送った。


東急8000系電車 東急大井町線 等々力駅~上野毛駅にて 2007.8.27



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by railwaylife | 2007-08-30 23:07 | 東急8000系 | Comments(0)

寝台特急のねぐら

 山手線や京浜東北線に乗って品川駅を出て、田町駅方面へ向かうときはいつも、右窓を気にする。そこに広がる車両基地に、寝台特急の青い車体を探すためだ。西からやって来た寝台特急は昼間、この品川で日中を過ごしている。

 この車両基地に、一般の客が入れるというイベントのポスターを先日目にした。イベントの名を「わくわく品川鉄道探検隊」という。題名からして子供向け、親子連れ向けのイベントであったが、寝台特急の「ねぐら」を見てみたいという一心で恥ずかしながら私は一人このイベントに申し込んでおいた。

 イベントは今日であった。品川駅から専用列車で車両基地内へ入って行くときは初めて乗るローカル線に入って行くような興奮があった。そしてさっそく、寝台急行「銀河」の客車の姿を目にした。
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 車両基地内のイベント会場には車両が展示されていた。かつて寝台客車と貨車をつないで走った「カートレイン」のヘッドマークを掲げたEF65型機関車が印象的であった。
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 お目当ての寝台特急「はやぶさ」「富士」の客車は、会場から少し離れたところにいた。
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 会場にいたJR東日本社員の方から、寝台客車の話を伺った。寝台特急「はやぶさ」「富士」の客車は、東京駅からここへ来ると、まず田町駅方に留まり、リネンを搬出するという。その後、車体を洗浄し、一旦品川駅方に引き上げる。そこで車内清掃とリネンの積み込みを行い、再び田町駅方で夕方の発車に備える。そこは出発線といって、東京駅へ向かう列車だけが停まる特別な場所だという。

 かつては「出雲」「瀬戸」「あさかぜ」などの客車が次々と入って来て、忙しく作業を行っていたが、今は「一本だけになってしまいましたからね...」と社員の方はしみじみ話していた。作業する車両が減って、構内の線路には草が生えるようになったという。それでも最近は電車の数が増えてきているそうだ。客車は「すっかり電車に追いやられてしまいました...」とおっしゃっていた。

 イベント会場から品川駅へ引き上げる際に、寝台特急「はやぶさ」「富士」の客車を近くに見ることができた。
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 品川駅と田町駅の間には、新駅の設置とそれに伴う再開発事業が予定されていて車両基地の機能は移転するという話を聞いたことがある。憧れた車両基地の光景もやがて過去のものとなっていくのかもしれない。今日は、その景色を、しっかりと目に焼き付けた。



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by railwaylife | 2007-08-28 22:01 | 寝台特急 | Comments(0)

晩夏

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 先日、大井町線で大井町へ向かう途中、線路際に橙色の花を見かけた。何という花かは知らないが、秋を感じさせる色であった。

 その花の咲く線路端に行ってみた。電車が通るたび、花は揺れた。電車が、秋風を運んでくるようであった。

 異常でどうしようもない暑さは、そろそろ終わるという。だが、終わりと聞くと何となく寂しいものだ。

 今年の晩夏の風景を、思いにとどめておきたい。
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東急大井町線 荏原町駅~中延駅にて 2007.8.27



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by railwaylife | 2007-08-27 22:53 | 東急8000系 | Comments(0)

京浜東北線 209系

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 もう間もなく、京浜東北線に新型車両が投入されるようだ。現在、中央快速線に導入が進んでいるE233系が、京浜東北線にも導入される予定である。そして今、京浜東北線で使用されている 209系は、他線へ転用されるという。

 まだまだ新しいと思っていた 209系が一線を追われるというのは驚きである。それだけ今は、車両のサイクルが早くなっているのだろう。最近は、どこにどんな車両が導入される、という情報を追いかけるだけでも疲れてくる。

 できることは、今ある景色を思いにとどめておくことだ。ひとたび新型車両が投入されていくと、それはものすごいスピードで増殖し、旧来の車両はあっという間に駆逐されてしまうからだ。中央本線を走る旧来の 201系も、あまり見かけなくなってしまった。

 あと何度、この 209系は多摩川を渡っていくのだろうか。
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209系電車 京浜東北線蒲田駅~川崎駅にて 2007.8.27



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by railwaylife | 2007-08-27 22:48 | JR東日本 | Comments(0)

東京進入

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 朝 9時45分、上り寝台特急「はやぶさ」「富士」は、多摩川を渡ってくる。川は神奈川県と東京都の境になっていて、列車はここから東京都に進入してくる。

 東京に住み暮らす私としては、この瞬間が寝台特急に乗っていて最も虚しいときである。ついに戻ってきてしまったなあと思う。そして、旅ももうすぐ終わる。多摩川の川原に出て、車窓に対岸の東京都が見えてきたときは、何とも言えない気分が込み上げてきて、ため息が出る。

 だが、西から旅を始めてここへやって来た客は、いよいよ目的地に来たという歓びに浸る瞬間なのかもしれない。間もなく到着する東京への期待に、胸を膨らませていることだろう。

 橋梁をやって来る青き車体に、想いを込める。旅を終えて、東京へ帰ってきた人たちが、またここで元気に暮らしていけるようにと、そして東京へやって来た人たちが、どうか良い思い出を作れるようにと、祈りを込める。
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 そして私がまた、この列車の客となれるよう、願いを込める。


寝台特急「はやぶさ」「富士」 東海道本線蒲田駅~川崎駅にて 2007.8.27



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by railwaylife | 2007-08-27 22:42 | 寝台特急 | Comments(0)

東京総合車両センター

 大井町にあるJR東日本の東京総合車両センターが一般公開されているというので、ぶらぶらと出かけてみた。東京総合車両センターは、山手線などの車両の基地と、首都圏を走る車両の工場を兼ね備えた施設である。普段入ることのできない鉄道の施設に入り込めるというだけでも興味深いものである。実際、現地は大勢の人で賑わっていた。

 車両の修理や点検を行う工場の施設も目を引いたが、私が最も注目したのは、施設の奥の方に展示されていた旧型の車両である。懐かしい車両を目にした。クモハ12という茶色の電車だ。十年ほど前まで、鶴見線の支線で活躍していた車両である。
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 かつて国鉄の通勤型電車はみな茶色の車両であったようだが、私が幼い頃にはすでに、南武線や横浜線、横須賀線、そして鶴見線など一部の路線にしかそのような車両は残っていなかった。そんな中で一番最後まで残ったのが、鶴見線大川支線のクモハ12である。だから、小学生の頃はこのクモハ12をよく見に行ったものである。
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 そのクモハ12を久しぶりに見た。すでに現役を退いて十年以上経過しているせいか、車体は色褪せていた。夏空の下で、干からびたような色をしていた。それが少し寂しくもあった。


 それにしても、この旧型の電車と最新鋭の車両を見比べると、隔世の感がある。
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 幼い頃、クモハ12に憧れていた自分も、何だかずいぶん歳をとったような気が急にしてきたものである。


1・2枚目 クモハ12型電車 東京総合車両センターにて 2007.8.25
3・4枚目 クモハ12型電車 国鉄鶴見線武蔵白石駅にて 1984.12.28
5枚目 最新鋭のE231系・E233系電車 東京総合車両センターにて 2007.8.25


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by railwaylife | 2007-08-25 23:21 | JR東日本 | Comments(0)

日のあたる丘

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 都立大学駅を発車した上り電車は切り通しにかかり、環七通りをくぐる。ここに架かる橋を、日丘橋という。高台にあるこの場所は、文字通り日の当たる丘だ。無機質な幹線道路と鉄道線路が交わるところだけれども、ちょっといい名前だな、と前から思っている。

 今日も、日のあたる丘をくぐって、8000系が走り去った。

東急8000系電車 東急東横線 学芸大学駅~都立大学駅にて 2007.8.17


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by railwaylife | 2007-08-17 22:09 | 東急8000系 | Comments(0)

寝台特急 緑の車窓

 寝台特急「はやぶさ」「富士」を東京都内で撮ると、いつも都会のゴミゴミした風景に紛れてしまう。もう少し、緑のあるところで捉えたいと思い、ちょっとだけ遠出した。
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 寝台特急の夏の朝は暑い。車内は冷房でひんやりしているけれども、窓から差してくる朝日が熱を帯びてくる。

 日差しが優しいのは、日が昇り始めた頃のほんのいっときで、たちまち車窓はぎらぎらとなる。朝のけだるさとともに、車内の空気はムワンとしてくる。

 やがて窓の外の空はくっきりと青くなり、日に照らされた緑が黒々として、車窓に突き刺さってくる。今日も暑くなるなあと思う。


そんな寝台特急の朝を想って、少しだけ緑のある場所で、青い列車を見送った。
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寝台特急「はやぶさ」「富士」 東海道本線保土ヶ谷駅~東戸塚駅にて 2007.8.16


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by railwaylife | 2007-08-16 20:35 | 寝台特急 | Comments(0)

青い河を渡る

 多摩川を渡る8000系をまた見に出かけた。今度こそ、川の夏景色と巧く組み合わせたいと思った。

 まずは多摩川台公園から上り電車を狙った。背後には、武蔵小杉の高層建築物が出来つつある。でも、それが出来上がる頃には、8000系はもうここにはいないのだろう。
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 川原へ下りて、下り電車を狙った。丸子橋近くで8000系を待っていると、ジリジリとした日に照らされ、汗だけがどんどん出てきた。そんな中、8000系は川面に銀色の影を残し、東京から神奈川へと走り去って行った。
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 8000系はもう一本来る。だが、それを待つには暑過ぎた。そこで丸子橋の下に入った。橋桁の下は日陰で川風が涼しく、天然のクーラーが効いていた。そこに座り込み、二本目を狙った。
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 暑い夏の日の朝、青い河を渡って、8000系は走り去った。


東急8000系電車 東急東横線 多摩川駅~新丸子駅にて 2007.8.15


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by railwaylife | 2007-08-15 20:47 | 東急8000系 | Comments(0)