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ツツジと機関車

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 上野駅で「カシ釜」が見ることができなくなった私は、この前訪れた田端機関区へ何となく行きたくなった。それで高崎線の電車に乗って一駅、尾久駅へ向かった。すると、尾久駅に着くか着かないかの辺りで、青き車体とすれ違った。ブルートレインだ。「北斗星」4号と同じく遅れていた「北斗星」2号である。この列車の牽引機は「カシ釜」ではなかったが、もう少し上野駅で待っていれば「北斗星」を見ることはできた。つくづく運がない。

 尾久駅を出て、地下道で操車場をくぐり、住宅地の合間を歩いていくと、田端機関区に出る。時折機関車のホイッスルが短く鳴り響いたりして、それだけでワクワクしてくる。

 2週間ぶりに訪れてみると、線路沿いにツツジが咲き揃っていた。無骨な機関車に、花が彩りを添えていた。

「カシ釜」を諦めた無念さが、少し晴れた。

田端機関区にて(敷地外の公道から撮影) 2007.4.28
by railwaylife | 2007-04-28 23:49 | | Comments(0)

あぁあ上野駅

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 連休初日の今日は、寝台特急「北斗星」4号の牽引機が「カシ釜」こと寝台特急「カシオペア」専用機関車であるとの情報を事前に得ていたので、勇んで上野駅へと出かけた。ファンの間で「ネタもの」と呼ばれる珍しい列車にさほど興味はないが、今日は何となく行ってみたくなった。物好きである。

 しかし、途中の電車で携帯から鉄道情報の掲示板を見てみると、「北斗星」4号は2時間遅れで運行中との書き込みがあった。JR東日本のサイトにも遅れの情報があった。「北斗星」4号の上野駅着定時は11時19分であるが、到着は昼過ぎになりそうである。午後から渋谷で用事のある私は、それまで到着を待つことができない。がっくりした。あぁあ、と嘆息がもれる。

 ただ、上野駅に行く理由はもう一つあった。臨時特急「水上」91号を見るためである。この特急列車には、昔懐かしいクリーム色のボディに赤い帯の入った車両が用いられる。それを見たかった。

 私が子供の頃の上野駅は、この「クリーム色のボディに赤い帯の入った」特急電車に溢れていた。まだ東北・上越新幹線が開通する前の話である。常磐・東北・奥羽・羽越・上越・信越の各地へ向かう在来線特急がひっきりなしに出入りしていた。私は父に連れられてそれらの特急電車をよく眺めに行ったものである。「ひたち」「みちのく」「ひばり」「はつかり」「やまびこ」「つばさ」「やまばと」「いなほ」「とき」「はくたか」「あさま」「白山」、特急の名前を挙げるだけでもワクワクしてくる。それぞれの特急が色とりどりのヘッドマークを取り付けていたのも魅力的であった。

 特急電車は冬になると車体に雪をこびり付けて上野駅にやって来た。この頃、まだ見ぬ特急電車の行き先のイメージは、その雪のように真っ白であった。この特急に乗って、東北へ、上越へ、信越へ行ってみたい。幼い私にはそんな想いがあった。

 当時を懐かしむように、私は臨時特急「水上」91号に引き付けられた。それで予定通り上野駅まで行ってみた。中央改札口を入ると、薄暗い13番線ホームに見慣れた特急電車が入って来た。しかし電車は6両で、小ぢんまりとしていた。かつての華やかさはなかった。それでも、幼い頃に憧れた風景をちょっとだけ垣間見ることができた。

臨時特急「水上」91号 2007.4.28 上野駅にて
by railwaylife | 2007-04-28 23:25 | JR東日本 | Comments(0)

乗り鉄 ⇒ 撮り鉄

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 鉄道に興味を持ち、それを趣味とする人のことを「鉄ちゃん(テッチャン)」とか、「鉄(テツ)」と呼ぶ。この人たちは、興味の対象によってさらに細分化される。鉄道に乗ることを趣味とする人は「乗り鉄」、鉄道の写真を撮る人のことを「撮り鉄」という。さらに「乗り鉄」を細分化すると、すべての路線に乗ることを目的とする「完乗派」や、列車に乗りながら景色を楽しむ「車窓派」などに分けられる。私はこの「乗り鉄」「車窓派」に属すると自分では思っている。列車に乗って、車窓を眺めることが何より楽しい。

 かと言って、山手線の電車に乗って何周しても楽しいかと言われるとそうではなく、見知らぬ地の車窓を眺めるのが良い。そのためには、できるだけ日常から離れることだ。だから、列車に乗って遠くへ旅に出るのが好きだ。
 ただし、旅でもただ列車にばかり乗っていれば良いというものでもない。そこには、私のもう一つの興味対象である歴史が絡んでくる。史跡巡りも、私の旅において大事な要素だ。列車に乗って、史跡巡りの旅に出ることが、自分の時間の中では至福の時だ。
 だが、こうした旅にはお金と時間を要する。時間の場合、旅そのものをする間はもとより、私の場合はその前後にも多くの時間が必要になる。予習や記録のための時間だ。史跡を訪れるにあたっては、その見学をより深めるために、予習が重要になってくる。それから、そこで見聞きしたことも記しておかなければ、せっかくの見学がもったいない。そうすると、一回の史跡巡りにかなりの時間を要する。薄っぺらな史跡巡りではすませたくないと思っているからである。それに、予習をすることや、記録をまとめて文章を綴ることも大切な楽しみの一つである。

 こうなると、そうそう史跡巡りの旅に出られるわけでもない。特に最近は、お金もなければ時間もない。この不安定な現代においては、己を磨くことに自分の時間を費やさなければならない。特に三十歳を過ぎると、余計にそれは必要になってくる。
 だから、最近は私の好きな旅にあまり出ていない。大小含め、せいぜい年に一回か二回こうした旅に出かけられれば良いと思っている。
 そういう中で、日々湧き起こってくる無聊を慰める手段が「撮り鉄」である。遠くへ旅立つ列車や遠くからやって来た列車を眺め、撮影することで、いくらか気を晴らすことができる。しかも「撮り鉄」は近辺でできるから良い。お金も時間も節約できる。あいた時間でちょっと行ってちょっと撮るなんていうこともできる。幸いなことに私は東京に住んでいて、被写体となる列車の種類も多く楽しめる。そんなわけで、今は「撮り鉄」にシフトしつつある。

 もともと写真を撮るのは好きだったし、今までも列車の写真を撮ってきた。だが最近は、列車を「きれいに」写そうとして励んでいる。ホームページやブログの撮影ガイドを参照して良さそうな撮影地を探し、そこへ実際に行ってみる。目当ての列車が巧く撮れたときは、非常に喜ばしい気分になるものである。
 また、珍しい列車を追いかけるのも面白い。時刻表を駆使して、その列車を撮影しに行く予定を立てているときは、旅の日程を組んでいるときのような楽しさがある。
 もっとも、まだまだ下手の横好きのレベルの「撮り鉄」ではあるが、現状の生活の中で楽しんでいきたいと思っている。ただ、列車の運行を妨げたり、他の利用客の迷惑になるようなことだけは、絶対にしないつもりだ。

お気に入り列車の撮影
寝台特急「はやぶさ」「富士」 東海道本線品川駅にて 2007.4.24
by railwaylife | 2007-04-25 23:35 | その他 | Comments(0)

駐輪場

 わが最寄駅である東急電鉄東横線都立大学駅に、新しい駐輪場ができた。駅前のスーパーが改装されたのに伴い、その店舗の裏側に新設された。線路の高架下にあり、12時間ごとに100円の料金を支払うことで駐輪ができる。
 最寄駅周辺は、道が狭い上に放置自転車が非常に多く、歩行者の通行がままならないときもある。置かれた自転車が車道にはみ出していて、そこへ入ってきた車の運転手が、一旦車から降りて自転車を動かしているという光景も時々ある。
 これまでも駐輪場がないわけではなかった。暗渠化された川の上の遊歩道が駐輪場に割り当てられている。しかしそこは登録制だ。年間で何千円か支払う。しかも、駅から自宅までの距離が一定以上離れている住民でなければ登録ができないようになっている。
 私の家までは、登録条件に当てはまるほどの距離がないので、私は登録したことがない。登録条件に当てはまらないということは、駅までの徒歩が可能ということである。実際、駅までは普通に歩いて10分程度である。だから、自転車の必要性を感じることはそれほどない。駅まではいつも徒歩である。
 だが、手軽に利用できる駐輪場が設けられたとあれば、試しに利用してみたくなった。通勤のときは時間が1分でも惜しいときもある。そういうときに自転車を使えば有効である。だから、手軽に止められる駐輪場は、私にとっても利用価値がないわけではない。
 それで今日、試しに自転車で駅まで行ってみた。わが家から行くと、駐輪場は駅より遠いところにあるが、大した距離の増加ではない。
 タイヤに空気を入れ直して、曇り空の下を颯爽と駅へ向かう。人通りの多い時間だからそんなにスピードを出せないが、徒歩よりずっと速い。5分余りで駅へ達する。
 高架下の薄暗い駐輪場へと滑り込む。車輪をはめ込むガードレールが整然と並んでいて、そこへ前輪を格納する。車輪をガードレールに入れると施錠される仕組みになっている。これで時間のカウントが始まるようだ。料金は後払いになっている。施錠はタイマーであると同時に、盗難対策であるとも言える。
 どこからともなく現れた警備員と無機質な朝の挨拶を交わしてから駅へと向かう。駅までは1分くらいだ。自転車を止める時間などを入れても、やはり徒歩より早く駅へ着く。
 それにしても、駐輪場に止めてある自転車は数えるほどだった。開設されたばかりとはいえ、あまりにも利用者は少ない。知られていないのだろう。私がこの駐輪場の存在を知ったのも、東急電鉄の広報誌の小さな囲み記事である。地元では駐輪場開設のお知らせを見たことがない。そして駅周辺の放置自転車も、見たところ減ったようには感じられない。
 新しい駐輪場の存在をもっと知らしめるべきだと思う。時々、放置自転車のサドルに「ルール違反です」というような警告の紙が巻いてあるが、そのとき同時に駐輪場の案内をすれば良い。駅前でチラシを配るのも良い。駅にポスターを貼る手もある。だいたい駐輪場の新設は、放置自転車の撲滅が主目的ではないのだろうか。その目的を達するためにはもっと周知する必要がある。

 仕事を終えて家路に就く頃には雨が降り出していた。降り出しは夜遅くという予報だったから自転車で来たのに、すでに19時の段階で雨になっていた。こういうときに自転車通勤は困る。傘も持っていない。
 都立大学駅を降り駐輪場へと向かった。わずかな距離だが、雨を避けながら小走りで行く。夜の駐輪場は白い蛍光灯が陰気で、うらぶれていた。ガードレールを開錠するには、場内の何箇所かにある精算機を操作する必要がある。まず、自転車の置いてあるところの番号をテンキー入力するようになっている。止めた場所の番号なんて覚えていない。わざわざ自分の自転車のところまで見に行ってから、精算機に戻る。番号を入力し、100円を投入する。自転車を止めた辺りから「ガチッ」と音がした。私はすぐさま自転車に乗って雨の中へ走り出した。
by railwaylife | 2007-04-24 23:59 | 生活 | Comments(0)

闇夜のサンライズ

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 特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」は、東京駅と出雲市駅・高松駅を結ぶ寝台列車だ。両者は岡山まで併結され、そこから各々の目的地へと向かう。ブルートレインの「はやぶさ」「富士」ほどではないにせよ、同じ東京から西へ向かう夜行列車ということで、私のこの列車への憧れは大きい。

 今から四年前の夏、この列車に乗る予定があった。特急「サンライズ出雲」を利用して、山陰方面への旅を企てていた。指定券発売当日に「サンライズ出雲」の個室を予約し、旅の準備も整えて、当日を迎えた。2003年8月16日のことである。

 旅立つ夜を前に、私は昼のうちに乗車券を買うため渋谷へ出ていた。この年の夏は雨が多く、当日も不安定な天気であった。前日からの雨で、東海道本線は部分的に不通区間が発生していた。不安になりながら渋谷へ行った覚えがある。

 みどりの窓口へ行き乗車券を買い、それから買い物をして、帰途に就いた。電車の中で携帯電話から交通情報のサイトを見た。するとそこには、特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」の運休を告げる文言が表示されていた。私はそのとき「サンライズは旅立たず、日は昇らずだ」と思った。後で考えてみると、なんて気取った物言いだという気がする。まあ、それは良いとして、とにかくこのときの私は悔しく、またこの日を旅立ちに選んだ自分を憐れんだりもした。

 結局私は、翌朝の新幹線で西へと旅立った。旅先でも雨にたたられたが、行きたかったところには行けたので、それはそれで楽しかった。しかし、サンライズへの想いは余計に強くなった。それでもこの旅以来、私はサンライズに乗る機会を得ていない。

 今日、私はサンライズを見に行った。日が暮れてから出かける用事があったので、その帰りに品川へ寄った。夜行列車のサンライズは日中、品川駅に隣接する田町電車区にいる。そこで夜の旅立ちに備えている。

 すっかり日の暮れた20時頃、品川駅の東海道本線下りホームへ行った。このホームは新橋駅方に長く伸びていて、田町電車区の側線を間近に見られる。まばゆいネオンを背景にした闇の中に、室内灯をともしたサンライズの姿があった。内装が木目調なので、室内から漏れる光は黄色味がかったオレンジ色に見える。車両は二階建てになっているので、上下二段に並んだ四角い光が、等間隔にずっと電車区の奥まで続いていた。私はこの光に惹かれた。夜行列車の光に惹かれた。それでしばし、ホームの端に佇んだ。やがて列車はゆっくりと東京駅の方へ動き始めた。まだ入線するには早いが、旅立ちに備えて待機するのだろう。私もゆっくりと帰途へ歩を向けた。

 帰りの電車で街中に流れる街灯の白色を眺めていると、夜行列車への想いはいよいよ高まった。

285系寝台特急「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」 田町電車区にて 2007.4.21
by railwaylife | 2007-04-21 23:59 | 寝台特急 | Comments(0)

機関車を見に行く

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 都内で現役の機関車を間近に見られるところがある。JR田端駅の北口を出て、右手の大きな跨線橋を渡る。橋の先の突き当たりを左へ曲がり、そのまま道なりに行くと、機関車の群れが見えてくる。嬉しさに思わず駆け出してしまう。

 公道のすぐ脇が線路である。田端機関区だ。北を目指す寝台列車や各地へ向かう貨物列車を牽引する機関車が並んでいる。大きな機関車が、一両、二両、三両と繋がって停まっているから、余計に迫力が増す。

 嬉々として道から写真を撮っていると、一台の機関車がパンタグラフをパーンと上げた。思わずびっくりする。機関車はそのうち唸り声を出し、静かに動き始めた。二台の機関車を引き連れている。入れ換えをするようだ。三台が連なって走る姿は物々しい。

 田端機関区は、ワクワクする場所だ。

田端機関区にて 2007.4.15
by railwaylife | 2007-04-19 22:38 | JR東日本 | Comments(0)

Tokyo Riverside Monochrome

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 かつて江戸の町は「水の都」と呼ばれていた。川や水路が縦横に巡らされ、水運が町の繁栄を支えていた。その系譜をひく東京の町に、水面は減った。町中の水路は埋め立てられた。それでも、大きな川辺や海辺に出れば、かつての「水の都」を体感できる。

 その水辺には今、高い建物が次々と姿を現している。人の住む場所は、上へ上へと伸びている。下から見上げていると、この町がどんな姿を目指しているのか、わからなくなってくる。この町の住環境は保たれていくのだろうか。

 いったい、この町は何を求めているのだろうか。少なくとも、オリンピックの熱狂ではないことだけは確かな気がした。

東京都中央区 大川端リバーシティ周辺にて 2007.4.14
by railwaylife | 2007-04-15 23:59 | 生活 | Comments(4)

くたびれ儲け

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 昨日も今朝も8000系を見に家を早く出た。しかし、昨日は8000系に出会うことがなかった。いつも入る運用に就いていなかったからである。代わりに9000系がやって来たときはがっくりした。自分が何をやっているのか、わからなくなってきた。虚しく会社へ向かった。

 今朝は花と絡めて撮ろうと、都立大学3号踏切脇で待ち構えた。いつもの運用に8000系は就いていた。花と一緒にファインダーの中に納めることもできた。だが、撮った写真を見返してみると、8000系の顔はぼけていた。またがっくりした。

 悔しいので、比較的良く撮れていた9000系の姿を掲げておきたい。

東急9000系電車 東急東横線 都立大学駅~自由が丘駅にて 2007.4.13
by railwaylife | 2007-04-13 23:59 | 東急9000系 | Comments(0)

朝の恒例行事

 このところ、朝の私は億劫だ。ふと気を抜くと、会社へ行くことを諦めてしまいかねない。
 そこで、家を出るきっかけを作らねばならない。

 そろそろ近所の東横線に8000系が通る時間だと思う。
 そうすると、カメラをそそくさと通勤カバンに押し込み、勇んで家を出る。

 たいていは、ふつうに出勤するより早い時間だ。
 それで家から数十歩行くと、何故こんなに早く家を出たのかと、我に返る。
 でも、せっかくだから8000系を見に行こうと思う。
 今日はどこで見送ろうかと考える。

 迷っているうちに時間がなくなってくる。慌てて駆け出したりする。
 そんなときに撮る写真はろくなものではない。それでも貴重な記録だ。

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 今や珍しい存在となった8000系は、いつまで東横線の朝を駆け抜けてくれるだろうか。

東急8000系電車 東急東横線 自由が丘駅~田園調布駅にて 2007.4.11
by railwaylife | 2007-04-11 23:44 | 東急8000系 | Comments(0)

ワシクリの春

 先日、真岡へ蒸気機関車を見に行く前、ちょっと寄り道をした。訪れたのは「ワシクリ」というところである。

 「ワシクリ」とは、東北本線東鷲宮駅~栗橋駅間の線路際一帯を指す。「ひがしワシのみや」と「クリはし」の間だからそう言う。これは鉄道ファンの間で有名な「撮影地」だ。広い田園地帯の間を行くこの区間は見通しが利く。その上、適当なカーブがあり、線路を跨ぐ橋があり、列車を「綺麗に」撮影するにはちょうど良い場所となっている。東北本線沿いでは、ほかに「ヒガハス」(東大宮駅~蓮田駅間)などが有名撮影地である。ワシクリ、ヒガハス、響きの良い名前だ。

 最近すっかり列車を撮ることに執心している私は、この有名撮影地を訪れてみたくなった。そこで真岡へ向かう途中、東鷲宮駅で勇んで降り立った。インターネットで見た撮影ポイントは次の栗橋駅との間に点在している。はっきりと場所は覚えていないが、線路際を北へ歩いていけばそのうち着くだろうと思って歩き始めた。

 駅の周囲は、住宅と畑が半々くらいの静かなところであった。所々に桜が咲いている。並木の桜も良いけど、一本だけポツンと咲いていたり、二、三本が固まって咲いているのも良いものだと思う。途中で誤って大通りに出てしまったが、車の走行音が耳をつんざくほどで、慌てて路地へ戻った。

 三十分歩くか歩かないかのところで、小さな用水路にぶつかった。その用水沿いに若い桜が連なっていた。花につられて歩いていくと、線路際に出た。ここは有名な撮影地ではないが、列車と桜を絡めて撮れないかと私は考えた。有名ポイントでの「綺麗な」写真はいつ来ても撮れる。私は、今しか撮れない写真を撮りたくなった。

幸い近くに踏切があるので、列車の接近は警報音で確認できる。警報音が鳴ったらカメラを構えればよい。それで列車を撮り逃がすことはなかった。
 しかし、並木のすぐ向こうでは、トラクターが畑を耕していた。よく見ると線路沿いのあちこちの畑でトラクターが稼動している。その音が踏切の警報音をかき消すことがある。それで列車の接近に気付かず、慌ててカメラを構えることもあった。もちろん線路からは十分に離れているから、身の危険はない。それにしても、なんで今日に限って畑を耕すのかと思うが、考えてみれば今日に限ってここへ来る私が悪いのだと気付いた。

 午前中の東北本線は貨物列車が多い。次々と通る貨物列車を面白がって写した。桜の花は構図の左上に、花飾りのように入れた。
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 貨物列車の間に来る旅客列車は、最大のお目当ての寝台特急「北斗星」4号を除き、すべてE231系という電車である。本当に見飽きるほどこの列車がやって来た。この辺りは湘南新宿ラインの列車も運転されているから、本数が多い。

 午前中の貨物列車が一通り去ったところで撤収した。帰り際、菜の花とも絡めて列車を撮った。黄色い花から飛び出てきた機関車には、懐かしい車掌車がくっついていた。
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ワシクリの春は、穏やかな春であった。

1枚目 寝台特急「北斗星」4号  東北本線東鷲宮駅~栗橋駅にて 2007.4.7
2枚目 EH500形牽引コンテナ列車 東北本線東鷲宮駅~栗橋駅にて 2007.4.7
3枚目 EF66形牽引コンテナ列車  東北本線東鷲宮駅~栗橋駅にて 2007.4.7
4枚目 EF65形牽引貨物列車    東北本線東鷲宮駅~栗橋駅にて 2007.4.7
5枚目 E231系電車        東北本線東鷲宮駅~栗橋駅にて 2007.4.7
by railwaylife | 2007-04-11 08:04 | JR東日本 | Comments(0)