カテゴリ:東急世田谷線( 91 )

立春世田谷線

 今年になって初めて東急世田谷線沿線を訪れたのは、立春の日のことであった。

 数年前から頻繁に沿線を歩くようになった世田谷線は私にとって、季節の変化を感じたい路線の一つである。

 そんな世田谷線を、季節の節目に訪れることができて嬉しかった。
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 この日は雲が多かったものの、時折日の光が差してくるとだいぶ暖かみが感じられ、明るい風景にもなった。

 そんな中、世田谷区の公社が主催する街歩きの会に参加させてもらった。世田谷線沿線の名所・旧跡を訪ね歩く会である。

 区の公社が主催するだけあって、途中の見学スポットではその場所その場所の専門家の方が出て来てくださり、詳しい説明をしてくれた。おかげで、世田谷線沿線のことについてさらに興味を深めることができた。

 その世田谷線沿線を、これからもっともっと歩きたくなってきた。


東急
300系電車(306F) 東急世田谷線上町駅~宮の坂駅にて 2018.2.4
by railwaylife | 2018-02-12 22:55 | 東急世田谷線 | Comments(0)

御当地路線

 毎年、大河ドラマのご当地というと、観光誘致などを目的として盛り上がるものである。

 それは、私の記憶だと、時代劇の復活した「独眼竜政宗」あたりから盛んになったように思う。

 もうだいぶ前のことであるが、常磐線の列車に乗っていて亘理という駅を通ったら、ホームいっぱいにびっしりと幟がはためいているのを目にしたことがある。何だろうと思ってよく見るとそれは「炎立つ」と書かれた幟であった。亘理は大河ドラマ「炎立つ」の最初の主人公藤原経清が館を構えた地であった。その幟には、ご当地としての誇りが感じられたものであった。

 最近では、ご当地の駅のみならず、そのご当地を通る鉄道路線がヘッドマークやラッピングを施した車両を走らせるようにもなっていて、鉄道とも無縁のことではなくなってきている。 

 そしてこうしたご当地キャンペーンは、そのドラマの主人公の出身地や地元ばかりでなく、ドラマの舞台になった場所や主人公に関わりのある地でも展開されている。いわば、そのドラマとどれだけ関連性を持てるか、だと思う。

 例えば昨年の「真田丸」のご当地は信州上田で、実際その上田を起点とする上田電鉄には真田丸ラッピング電車が走っていたわけであるが、ドラマの後半で重要な舞台となった大阪城や九度山の近くを走るJR西日本の大阪環状線や和歌山線にも真田丸ラッピング電車が走っていた。こういうラッピング電車は、ドラマへの思い入れが強ければ見てみたい、乗ってみたいと思うし、地元を盛り上げるには有効な手段だと思う。



 ところで、多少こじつけ気味ではあるが、ここ三年連続で大河ドラマに関わりを持つ路線がある。

 それが東急世田谷線である。

 まず、一昨年の「花燃ゆ」は、主人公が幕末の志士吉田松陰の妹であったが、その吉田松陰が祀られた松陰神社は世田谷線の沿線にある。その名も松陰神社前という駅もある。この地に長州藩の吉田松陰を祀る社があるのは、江戸時代ここ世田谷に長州藩の抱屋敷があったことに由来する。それで一昨年は世田谷線に「花燃ゆ」のラッピング車両が走ったりしていた。

 続いて昨年の「真田丸」は、一見世田谷に関係がなさそうに見えるが、上町駅近くにある世田谷城は、真田氏に関わりがないとも言えない。豊臣秀吉による小田原北条氏攻めのとき、北条氏に与していた世田谷城は豊臣軍に攻められることとなるが、その攻め手は「北方軍」などと呼ばれ、関東の北側から進軍してきた前田・上杉・真田等を中心とした軍勢だった、とされている。もっとも、世田谷城は戦をせず開城してしまったし、小さな城の話なのでもちろんドラマにも登場しなかった。でも、真田氏に関わりがないでもない。だから昨年は、例えば「あの真田父子も攻めた(かもしれない)世田谷城」みたいなラッピング電車を走らせれば良かったのに、と思う。

 そして今年の「おんな城主直虎」は、井伊家が徳川家の重臣となるまでを描いた物語であったが、宮の坂駅近くの豪徳寺は、江戸時代になってからの井伊家の菩提寺である。お寺には直虎から二代後の直孝以降の歴代藩主の墓が並んでいる。その豪徳寺の境内を歩いてみると、まるで井伊家の本拠彦根にいるかのような錯覚を得られるものである。ちなみに、豪徳寺駅最寄りの宮の坂駅から三駅先が松陰神社前駅であるが、その松陰神社に祀られている吉田松陰を安政の大獄で処刑した大老井伊直弼の墓も豪徳寺にある。

 また、世田谷線沿線の地域は江戸時代、彦根藩世田谷領と呼ばれた井伊家の領地であった。井伊家とは非常に縁の深い場所である。

 だから今年の世田谷線は、玉電開通110周年も幸福の招き猫のラッピングもいいけれど、もっと「井伊推し」でも良かったんじゃないかな、なんて思っている。例えば「あの井伊家を支えた彦根藩世田谷領(いいね)」みたいなラッピング電車を走らせれば良かったと思う。

 いずれにしても、世田谷線沿線の歴史は濃厚である。

 そんな世田谷線沿線の歴史をもっともっと学びたいと、この路線に乗るたび思っている。
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by railwaylife | 2017-12-28 23:10 | 東急世田谷線 | Comments(0)

世田谷御城下を往く

 東急世田谷線は、戦国時代の世田谷吉良氏の根拠であった世田谷城の城下を走っている。
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 その世田谷吉良氏は小田原北条氏の傘下にあったため、世田谷城は豊臣秀吉の小田原攻めの際には攻撃の対象となった。

 小田原攻めにあっては、他にも北条氏の支配下にあった関東一円の支城が攻撃の対象となったが、城によってはその攻防戦に激しいものがあった。

 中でも一番有名な城は忍城であろう。石田三成の水攻めに遭いながらも巧みな戦術で相手をかわし、小田原落城まで持ちこたえた。

 ただ、これは稀有な例で、多くの城は大軍の前に屈せざるを得なかった。

 鉢形城は一ヵ月の籠城の末に城を明け渡した。八王子城は、城内にわずか三千人が立て籠るところへ一万五千の兵が押し寄せ、一夜にして落城したという。

 では、世田谷城はどうだったかというと、戦が行われた痕跡はない。

 豊臣軍が世田谷へ来たとき、吉良氏の当主であった吉良氏朝がすでに上総国へ退いていたからである。おそらく世田谷城は無血開城となったのだろう。小田原落城の二ヵ月前には、世田谷十二ヶ郷で濫妨・狼藉、放火、百姓・地下人へ非分の儀をはたらくことが秀吉朱印状によって禁じられている。この時点で世田谷城が豊臣軍の手に落ちていたことを示すものと言える。

 戦わずして城を明け渡したのは良かったのか、悪かったのか。


 いま、世田谷城周辺を歩けば、吉良氏ゆかりの寺が多く残る。

 そして、世田谷の冬の風物詩ボロ市は、残念ながら吉良氏が始めたものではないものの、吉良氏が世田谷を治めていた時代から形を変えつつ四百年以上続いている行事である。

 最近、そんな世田谷の文化に深く触れていくにつれ、吉良氏の選択は間違いではなかったんじゃないか、と思うようになった。


東急
300系電車(304F) 東急世田谷線世田谷駅~上町駅にて 2016.8.19
by railwaylife | 2016-11-07 23:35 | 東急世田谷線 | Comments(0)

同系色

 急勾配を上り切ったところの線路際に、紅色のタチアオイが咲いていた。

 そのタチアオイ目がけて、勾配を上って来る電車はどんな色の車両だろうか。

 そう思っていると、やって来たのは花の色と同じ色の電車であった。
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 世田谷線沿線にタチアオイの咲く風景は、花の色もいろいろ、電車の車体の色もいろいろで、その取り合わせが楽しめる風景である。


東急
300系電車(305F) 東急世田谷線若林駅~松陰神社前駅にて 2016.6.25
by railwaylife | 2016-09-07 22:50 | 東急世田谷線 | Comments(0)

タチアオイ越しの玉電

 世田谷線300系のトップナンバー301号の塗装は、かつての玉電の塗装を模したものである。

 その301号が往く風景を見るたびに想うのは、私が生まれる前にもう消えてしまった玉電の風景を見てみたかった、ということである。
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 かつて玉電の沿線にも、こんなふうにタチアオイが咲いていただろうか。

 見てみたかった。

 玉電の四季の風景を、見てみたかった。


東急
300系電車(301F) 東急世田谷線松陰神社前駅にて 2016.6.25
by railwaylife | 2016-09-07 22:40 | 東急世田谷線 | Comments(0)

タチアオイトラップにはまれ

 沿線に紫陽花の咲く六月のうちに東急世田谷線を訪れたいとずっと思っていたけれどもなかなかその機会を作れず、ようやく訪れたのは六月も最後の週末のことであった。残念ながら紫陽花はその色を失い、もう花の終わりを迎えていた。

 だが、タチアオイの花はまだまだ元気で、沿線のあちらこちらで高く高く咲いていた。
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 いつのまにか、そのタチアオイを眺めることにすっかり夢中になっていた。

 それが、世田谷線沿線に仕掛けられた「タチアオイ・トラップ」である。

 今年もそのトラップをしっかりと楽しむことができた。


東急
300系電車(309F) 東急世田谷線松陰神社前駅~世田谷駅にて 2016.6.25
by railwaylife | 2016-09-05 23:05 | 東急世田谷線 | Comments(0)

小手毬を往け

 小手毬の白い花越しに、世田谷線の電車が往く。
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 ここの花を見つけたのは、桜花がまだ散り残る今月初めのことであった。緑色の花芽がたくさん出ていて、程なく白い花が付きそうであった。

 小手毬と言うとゴールデンウィークに入る頃に咲く花という印象があったので、ずいぶん気の早い花芽だ、という気はした。でも、早ければ一週間くらい後には咲いてしまうんだろうなとも思った。

 それで、次の週末に再訪したいと思ったがいろいろあって叶わず、結局再訪したのは花芽を見つけてから二週間後のことであった。

 すでに花の盛りは過ぎていて、所々の花が色褪せ始めていた。それでも、いっぱいに咲いた花が世田谷線に添えられているさまが何とも嬉しく、ありがたかった。

 だから、白い花越しに何本もの電車を見送った。
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東急
300系電車(310F309F) 東急世田谷線山下駅~松原駅にて 2016.4.24
by railwaylife | 2016-04-25 23:30 | 東急世田谷線 | Comments(0)

紫越しの世田谷線

 線路脇に、わずかばかりだが紫君子蘭が咲いているのを見つけた。
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 まだ咲き始めで心細い咲き方だったけれど、世田谷線の風景に紫色を添えていてくれたことが何とも嬉しかった。


東急
300系電車(305F) 東急世田谷線松陰神社前駅~世田谷駅にて 2015.6.12
by railwaylife | 2015-08-27 22:40 | 東急世田谷線 | Comments(0)

クチナシ香る

 クチナシの甘い香りがほんのりと漂う中、世田谷線の電車が往くのを見送った。
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 世田谷線の初夏の風景を、匂いでも感じることができた。

 この時期の世田谷線沿線は、紫陽花、タチアオイ、未央柳、クチナシ、未央柳、紫君子蘭と、花にあふれていた。

 ジメジメとした季節だけれども、そういう花々のある風景が何とも嬉しく感じられた。


東急
300系電車(306F) 東急世田谷線松陰神社前駅~世田谷駅にて 2015.6.12
by railwaylife | 2015-08-26 23:45 | 東急世田谷線 | Comments(0)

未央柳と世田谷線

 未央柳は梅雨時にはよく目にする花だが、今まで線路際ではあまり見かけることがなかった。

 でも、ようやくに東急世田谷線沿いで見つけ、この路線の梅雨時の風景をひとつ得ることができた。
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 ワッと群れて咲くこの黄色は、けっこう主張の強い花だと思う。


東急
300系電車(308F) 東急世田谷線松陰神社前駅~世田谷駅にて 2015.6.12
by railwaylife | 2015-08-26 23:40 | 東急世田谷線 | Comments(0)