カテゴリ:京王井の頭線( 30 )

シモキタ高架化

 井の頭線下北沢駅付近の線路は、綺麗な高架橋に乗っかった。
f0113552_23103694.jpg
 森巖寺川という川の谷を跨ぐこの場所はかつて、築堤上に線路が敷かれていた。この路線の建設の際、新代田駅付近の切り通しを掘って出た土をトロッコで運び、工夫たちがこの場所に築き上げたものだ。

 その築堤を高架橋に変え、高架下に生まれたスペースを商業地にしたそうだ。おかげで築堤はすっかり崩された。

 「せっかく積み上げたのによぉ」

 という工夫たちの嘆きが聞こえてきそうな風景である。


京王
1000系電車 京王井の頭線池ノ上駅~下北沢駅にて 2016.8.6
by railwaylife | 2016-10-28 23:15 | 京王井の頭線 | Comments(0)

ナナメアオイ

 井の頭線沿線の紫陽花がみな「枯れ紫陽花」になっていた寂しさを紛らわすために、毎年線路際にタチアオイの咲く場所まで歩いた。タチアオイならまだ元気に咲いているかもしれないと思ったからである。

 実際、花はまだ咲いていたが、まっすぐ空に向かって伸びるはずのタチアオイがだいぶ斜めに曲がって咲いていた。

 雨や風にやられて、曲がってしまったのだろう。背の高い植物は大変だ。

 それに、タチオアイももう終わりが近いということなのかもしれない。

 そんな斜めのタチアオイ越しに往く井の頭線の電車を見送った。
f0113552_23390042.jpg

京王
1000系電車 京王井の頭線東松原駅~明大前駅にて 2016.6.26
by railwaylife | 2016-09-12 23:40 | 京王井の頭線 | Comments(0)

紫陽花井の頭線2016

 ここ数年、欠かさず眺めてきた井の頭線沿線の紫陽花の盛りを、この2016年は見逃してしまった。

 六月の終わりに訪れたときは、もうすっかりしおれ、色を悪くしていた。

 以前はそういう「枯れ紫陽花」も紫陽花のうちなのだから、と思い熱心に眺めたこともあった。だがそれは、花の盛りの風景をしっかりと眺めていたからこそそう思えるものであった。花をあまり眺めることのできなかった今年は、その「枯れ紫陽花」まで楽しもうという気になれなかった。

 それで「枯れ紫陽花」の井の頭線の風景を目にしたときには、悔しさと申し訳なさがあった。せっかく咲いていた紫陽花に申し訳ないという気持ちである。

 それでも、沿線の名所をあちこち歩いて、ようやく自分が求めていたような「紫陽花井の頭線」の風景を、一つだけ得ることができた。
f0113552_23231281.jpg
 来年はじっくりと紫陽花井の頭線が見られるようでありたい、という祈りを込めながら、この風景を大事に眺めた。


京王
1000系電車 京王井の頭線下北沢駅~新代田駅にて 2016.6.26
by railwaylife | 2016-09-11 23:30 | 京王井の頭線 | Comments(0)

新・紫の聖地

 京王井の頭線の沿線に、紫君子蘭の咲く場所があることは知っていた。

 だが、花が咲く時期にその場所へ行くことはなかなかできなかった。どうしてもこの沿線を訪れるのは、紫陽花の咲く時期に合わせることになってしまうからである。

 それが今年は、うまいこと紫君子蘭の咲く時期に訪れることができた。



 花は、築堤の下に咲いている。
f0113552_23292409.jpg
 思ったよりもずっとたくさん咲いていた。

 紫色の群れていることが、何とも嬉しかった。


 その紫色の向こう、築堤上を往く電車に花を添えるとき、さらに嬉しさが込み上げてきた。
f0113552_23293832.jpg
 今まで紫君子蘭の咲く場所といえば、東急大井町線の「紫の聖地」が一番のお気に入りであったが、この場所はその聖地に勝るとも劣らない場所だと思った。新しい「紫の聖地」である。

 これでもう一ヵ所聖地が見つかれば、紫の「三大聖地」になるのになと思った。


京王
1000系電車 京王井の頭線駒場東大前駅~池ノ上駅にて 2016.6.26
by railwaylife | 2016-09-09 23:40 | 京王井の頭線 | Comments(0)

パノラミックウィンドウ

f0113552_22464147.jpg
 京王3000系は晩年、車体更新工事の際に前面窓の形状も改められパノラミックウィンドウになった。それまでは側面に窓の端がかからないデザインであった。

 パノラミックウィンドウの方が運転士の視界が広がるから、デザイン的にも実務的にも優れているのだろう。

 だが、私としては更新前の姿の方が見慣れていたので、このパノラミックウィンドウの姿はどうもしっくり来ない。

 ところでこの3000系は、京王井の頭線からは引退してもうずいぶん経つが、地方私鉄のあちこちに譲渡されまだ現役で活躍しているようである。

 その中には、パノラミックウインドウの改造を受ける前の顔の者もいるらしい。

 いつかその顔に再会してみたいと思っている。


京王
3000系電車 京王れーるランドにて 2014.10.24
by railwaylife | 2015-12-01 23:00 | 京王井の頭線 | Comments(0)

コルゲート外板

 京王3000系の外観の特徴の一つとして、側面にあるコルゲート外板が挙げられる。
f0113552_22522589.jpg
 車体側面を装飾しているこのコルゲート外板は、東急車輛製造のステンレスカーの特徴である。東急車輛がステンレスカー製造の技術を学んだアメリカ・バッド社の象徴的なデザインだそうだ。

 考えてみると私の幼い頃、身の回りの車両はコルゲート外板を備えた車両ばかりであった。この京王3000系はもちろん、地元東急の7000系、7200系、8000系、8500系など、みなコルゲート外板付きであった。


 このドア際や車端部にある凹みの処理が何とも言えず好きで、その感触を昔から得てみたかったけれど、駅に停まっている車両でも触るのはちょっと憚られた。
f0113552_22542417.jpg
 でもこの博物館の展示車両では触っても大丈夫かなと思った。特に展示車両でも「手を触れないでください」というようなことは書いていなかった。それで恐る恐る触れてみた。曲線のところに、何とも言えぬ心地良い触り心地があった。

 さて、このコルゲート外板は、軽量ステンレスの車体が登場するとともに使われなくなっていったのだが、まだ現役で走っている車両で装着しているものもある。

 その一つが、いま地元の東横線でも走っている東武9000系である。

 その東武9000系に今、ただならぬ思い入れを持つようになったのは、このコルゲート外板に対する愛着と懐かしさと憧れから来ているのではないかという気がしてきた。


京王
3000系電車 京王れーるランドにて 2014.10.24
by railwaylife | 2015-11-30 23:00 | 京王井の頭線 | Comments(0)

ヒマワリを求めて

 8月の初めのこと、井の頭線の電車に乗っていると車窓にヒマワリの花がちらっと見えた。

 その花をじっくりと見てみたい、そしてその花越しに電車が往くさまを見てみたい、と思った。

 それで数日後、車窓に花が見えた場所へ出かけてみた。


 いろいろあって、花のもとへ着いたのは暑い盛りの時間であった。

 夏の日がジリジリと差してくる中、花に近付いてみると、咲いているものはすべて日差しに向かって背を向けていた。つまり、花に向かってカメラを構えると逆光になった。おかげで花の表情を窺い知ることもできなかった。

 ヒマワリは太陽に向かって咲く、なんていう話を聞いたことがあったが、それは嘘だな、とこのとき思った。そんなわけで、花越しに電車が往く風景など巧いこと捉えられるわけもなかった。

 だが、そこでがっかりする必要は何もなかった。目の前には、夏らしくベタッとした井の頭線の風景があったからだ。

 それを、楽しめば良いだけであった。
f0113552_23032423.jpg
京王
1000系電車 京王井の頭線駒場東大前駅~池ノ上駅にて 2015.8.6
by railwaylife | 2015-10-23 23:10 | 京王井の頭線 | Comments(0)

踏切の紫陽花2

 谷をまたぐこの踏切は、盛り土で高くなっている。
f0113552_22534019.jpg
 その踏切に添えるようにして、紫陽花が咲いていた。

 電車が頻繁にけたましく行き交う踏切を、紫陽花は静かに見守っていた。


京王
1000系電車 京王井の頭線下北沢駅~新代田駅にて 2015.6.12
by railwaylife | 2015-08-31 23:00 | 京王井の頭線 | Comments(0)

大盛り紫陽花

 紫陽花の形はほぼ球形であるが、一口に球形と言っても花によってその形は実にさまざまである。楕円のものもあればいびつな形のものもある。

 そんな紫陽花の中で、やけに形のこんもりとした花を見つけた。
f0113552_21433343.jpg
 まるでお茶碗にご飯を大盛りでよそったような形であった。


京王
1000系電車 京王井の頭線新代田駅~東松原駅にて 2015.6.12
by railwaylife | 2015-08-31 22:00 | 京王井の頭線 | Comments(0)

紫陽花井の頭線2015

 ある人が紫陽花を見に京王井の頭線沿線へ出かけたら、六月初旬だというのにもう枯れている花もあって咲き具合が悪く、ほとんど見どころがなかったとがっかりしていた。

 また、井の頭線沿線で生まれ育った人が久々に紫陽花の咲く季節に沿線へ出かけたら、周囲の建物などがすっかり様変わりしていたとがっかりしていた。



 そんな話をネット上で目にしてから、井の頭線沿線へ紫陽花を見に出かけた。



 沿線の建物は次々と建て替わり、その風景は変わっていく。また、花の咲き方は毎年違っていて、咲き具合の悪い年もある。

 でも、今年も無事この沿線に紫陽花咲く季節を迎えられ、それをこうして見に行くことができた。
f0113552_21443153.jpg
 それだけでもう、何ともありがたいことだと思った。


京王
1000系電車 京王井の頭線新代田駅~東松原駅にて 2015.6.12
by railwaylife | 2015-08-30 21:50 | 京王井の頭線 | Comments(0)