台風後多摩川

 何もかも、すべてが流された。

 そんな印象があった。

 昨年10月、東日本各地に大きな被害をもたらした台風19号が通過して一週間後、いつも行っている多摩川丸子橋あたりへ出かけてみたときのことである。
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 多摩川も台風ではかなりの増水があり、河川敷の風景は変わり果てていた。きっと一番多かったときは、このあたりも河川敷の幅いっぱいまで水が流れていったのだろう。川原の草花はみな倒れ、残った木々には枝などが大量に絡み付いていた。それを纏った木々は、まさに立ち尽くすという様相であった。

 すでに水は引き、いつもの川幅になっていたけれど、まだ濁流が流れていた。川原のグラウンドなどは水浸しで、土手沿いの通路には土砂が蓄積され、道が何処なのかもよくわからなくなっていた。

 ただただ、呆然となった。

 今までここにあった風景は戻って来るのだろうか。四季折々の移ろいは現れるのだろうか。目の前にある光景を見る限り、それはわからなかった。そう思わざるを得ない、つらい眺めであった。

 それでも、目を背けずにその風景をしかと見つめた。

 この風景を忘れない。そしていつかいつもの風景が戻って来たなら、その風景があることのありがたさをしかと噛み締めたい。

 そんな想いを込め、このときの風景を眺めていた。決して「映える(ばえる)」風景ではないけれど、自分の大切な場所の記録として残しておいた。


東急
5050系電車 東急東横線多摩川駅~新丸子駅にて 2019.10.19
by railwaylife | 2020-10-19 23:35 | 東急5000系列 | Comments(0)
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