7000形が引退して三ヵ月が経った。
冴えない夏が過ぎ去り、都電の沿線にも秋がやって来た。 とは言え、久々に厳しく照り付けてきた日差しはまだまだ熱く、線路際の木ではツクツクボウシが盛んに鳴いていた。まだまだ夏の名残があった。
それでも、この千登勢橋の上に吹く風は涼しく、橋のたもとに設けられた町会のテントでは、カセットデッキからお囃子の音色がずっと聞こえてきていた。折しもこのあたりの惣鎮守、氷川神社の秋祭りの日であった。
そのお囃子を聴きながら、また一つこの沿線に新しい季節が無事にやって来たことを実感していた。
都電
8900形電車 都電荒川線鬼子母神前電停~学習院下電停にて 2017.9.9