クリスマスイブの朝、北参道のイチョウ並木を訪れた。 一年前、二年前あたりのクリスマスイブであれば、まだ黄葉がたくさん残っている時期であったが、2016年は黄葉が「平年並み」で、すでにほとんどの葉が散り終わっていた。本当に、一本の木にわずか数枚の葉がひらひらと残っているだけであった。
そのさまに名残惜しさを覚えつつも、これがこの時期本来の風景なのだと言い聞かせた。
ほどなく年は暮れ、また新たな年が始まる。
そのときイチョウの葉は無の状態である。
そこからその年の青葉が新たに生まれ、育ち、色を濃くし、また黄色くなる。
そのさまがまた無事に楽しめるようにと、この散り終わって来た参道の風景に祈りを込めていた。
JR東日本E231系500番台電車 山手線原宿駅~代々木駅にて 2016.12.24