京王線の車両は、5000系・6000系のような白地にエンジ色の帯を巻いた塗装になる前は、このように緑一色の塗装であった。
これを「グリーンカー」と呼んだそうだ。
そんな「グリーンカー」の現役時代を私は知っているのかどうか、微妙である。
おぼろげながら、乗った覚えがある。幼い頃、山好きな大伯父に連れられて高尾山へ行ったとき、帰りに「グリーンカー」に乗ったような記憶がある。まさにこの展示車両が表示している高尾山口駅からである。
ただ、本当におぼろげな記憶なので、実際に乗ったという確証はない。後に本や写真でこの「グリーンカー」を見たときの記憶が混ざって、実際に乗ったという記憶にすり替わってしまったのかもしれない。
だからこの車両は、記憶の中の車両なのか、歴史の中の車両なのか、何とも微妙な存在である。
それにしても、この車両を見た約一年後に再び京王線上に「
グリーンカー」が登場するとは、このとき思ってもみなかったことであった。
京王
2010系電車 京王れーるランドにて 2014.10.24