高架の空

 京王線高架予定区間のうち、途中の八幡山駅付近だけはすでに高架化が完了している。これは八幡山駅先を横切る環状八号線道路と立体交差するためのもので、調べてみると昭和45年(1970)には高架化が完成していた。

 環八通りの位置には古来より往還があったようだが、戦後の東京の発展に伴い環状道路のひとつとして整備されたそうだ。その後、交通量が増えてきて立体交差が必要となったのだろう。それにしても、四十年以上も前にすでに高架化していたとはずいぶん早くから整備されていたんだなと少し驚いた。

 なお、笹塚-仙川間が立体交差となるにあたっても、この区間だけは既存の高架橋を使用し続けることになるという。ただ、全区間の立体交差が完成する頃にはこの八幡山駅付近の高架橋は築五十年程を迎えることになり、その強度を心配する声もあるようだ。

 ところで、京王線沿いをずっと歩いていてこの高架区間に来ると、線路沿いの道を歩くときの眺めはガラッと変わる。ずっと続く高架橋が何とも威圧的である。将来的には笹塚から仙川までこんな風景がずっと続くのかと思うと、ちょっとげんなりしてしまう。

 ただ、高架区間でひとついいなと思ったことがある。

 それは、電車のやって来る音がすると、つい高架を見上げることである。
高架の空_f0113552_22191143.jpg

 高架を見上げれば空がある。その空が自然と目に入って来るのが、何だか嬉しく感じられた。


京王
8000系電車 京王線上北沢駅~八幡山駅にて 2014.8.21
by railwaylife | 2015-02-01 22:20 | 京王 | Comments(2)
Commented by HERO at 2015-02-05 21:36 x
こんばんは。
私も、中央線の三鷹-国立間が高架化される時には同じことを感じましたが、いざ高架化されるとそれは全くの杞憂でした。
眺望が効くので見え方が違うという感覚もありますし、遠くまで見晴らしが効くことで新しい発見もありました。
同じ発見は、南武線の武蔵小杉-武蔵新城間の高架化でもありました。
Commented by railwaylife at 2015-02-05 23:31
HEROさま、こんばんは。
コメントありがとうございます。

仰るように、車窓を眺めるという点では高架になった方が良いですね。
地下化されて車窓に闇が続くとだんだん苦痛になってくるものです。

京王線も高架化されるということで、車窓を眺める楽しみは残りそうです。
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