松原富士を往く

 代田橋駅を出て大原を過ぎた京王線は、松原に入る。
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 その松原の一角に、聖なる場所がある。

 神道扶桑教富士塚松原富士遺構である。
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 ここは富士信仰の総本山みたいな場所である。
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 富士信仰は富士山そのものをご神体として信仰するもので、かなり古い時代からあった信仰だが、江戸時代になると全国各地に多くの富士講が組織され、富士登山の修業が盛んに行われるようになった。

 その富士講を統合し「富士山日本」を意味する「扶桑」を教団名として明治十五年(1882)に成立したのが神道扶桑教である。

 神道扶桑教の中心となる扶桑教富士塚は当初、芝神明町(現在の浜松町)に建立されたが、大正八年(1919)に松原の地に移設されたという。

 松原にも立派な富士塚があったそうだが、残念ながら戦災で失われてしまったという。

 だが、この松原が神道扶桑教の中心であることには変わりない。

 ただ、残念ながらこの神道扶桑教に参拝しても富士山を望むことはできない。このあたりでは標高の高い台地上にはあるが、住宅の建て込んだ地域である。眺望は利かない。

 でも、すぐ裏を通る京王線が高架になったら、その車窓に富士山が見えるようになるんじゃないか、という期待をひそかにしている。


京王
7000系電車 京王線代田橋駅~明大前駅にて 2014.10.24
by railwaylife | 2015-01-13 23:00 | 京王 | Comments(0)
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