大原を往く

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 京王線代田橋駅付近の地名は「大原」である。

 その地名は「大きな原っぱだから」というところから来ていて、地名の由来としては残念ながらあまり面白くない。

 そんな大原の広い原っぱには、昭和のはじめに給水所が造られた。和田堀給水所である。

 もともと杉並区の和田堀に造られる予定だったそうだが、この大原の標高が高いところで50mあり、当時の高層建築だった高さ50mの丸ビルに水を汲み上げる必要があったことからこの地が選ばれたのだという。

 給水所の敷地は代田橋駅を出た下り電車の車窓に広く見えてくるが、現在は建て替えが行われていて見えにくい。

 この給水所にある二つの貯水池のうち、一方は四角形で周囲に高い築堤が築かれていた。それが京王線の電車の車窓から見えると、まるで古墳みたいだ、と通るたびに一人で悦に入っていたのだが、いまはそれも見ることができなくなっている。

 ちなみに、京王線と給水所の間を通る井の頭通りはもともと水道道路で、渋谷や代々木の練兵場へ水を運ぶ水道が地中にあったそうだ。


京王
9000系電車 京王線代田橋駅~明大前駅にて 2014.10.11
by railwaylife | 2015-01-12 22:00 | 京王 | Comments(0)
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