セタガヤ・カーブ

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 世田谷線の沿線を歩き始めた頃に思ったのは、ずいぶんカーブが多い路線だなということであった。

 そんなカーブの多くが、川の流れと密接に関わっているのではないか。何度も沿線を歩くうちに、そんな気がしてきた。

 と言うのも、線路が川と常に垂直に交わるようカーブを描いているからである。

 以前に何かで読んで知ったことだが、線路が大きな川を渡るときは、川の流れと垂直になるよう橋梁を架けるという。それが流れを渡る最短距離になるし、流れの中に建てる橋脚にかかる負荷も少ないという理由だったと思う。

 ただ、世田谷線が渡る流れはどれも小川程度で、橋梁の最短距離を考えたり、橋脚への負荷を考えたりするほどでもないとは思う。でも、世田谷線の線路の敷設にも、川の流れと垂直になるという原則が貫かれているように思う。

 そしてそれは、もしかしたら川の流れと垂直に、というよりも、谷と垂直に交わるためのカーブなのかもしれない、という気もしてきた。

 谷も水の流れと同様、垂直に交われば最短経路で横切ることができる。また、谷へ下るにしても上るにしても、勾配を最短経路で越えることができる。

 世田谷線のカーブのほとんどは、そうやって谷と直角に交わるためのカーブなのだろう。

 そう考えると、線路のカーブから世田谷線の地形を知ることができるようにもなる。

by railwaylife | 2014-12-29 22:00 | 東急世田谷線 | Comments(0)
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