渋谷の夏の朝

 以前に掲載した「真夏の朝の夢」という記事に書いた通り、真夏の頃に臨時寝台特急「あけぼの」を見に行ったことがあったが、そのときは久しぶりに地元の駅から東横線の始発電車に乗るべく、朝早くに家を出た。

 昔から「早起きは三文の得」とは良く言ったもので、この日も早朝ならではのいいことがあった。

 それは、明けたばかりの空の様子である。

 日の長い時期のことゆえ空はすでに明るく、そのほんのりと朝焼けした空に無数の小さな雲が整然と浮かんでいた。

 家を出てまずそれを目にした私は、そんな空の様子をできればじっくり眺めたいと思ったが、そういうことをしていては始発電車に乗り遅れてしまう。それで、空の様子をずっと気にしながら駅へと急いだ。

 始発電車に乗ってからも、雲の散らばる様子が車窓にずっと見えた。

 途中の駅で降りてそれを見たいとも思ったけれどできるはずもなく、ウズウズしながら下車すべき渋谷駅まで乗り通した。

 山手線へ乗り換えるため地下の駅から地上へ出ると、雲はまだあった。ここでの乗り換え時間には余裕があったので、空を少し眺めることができた。
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 この渋谷の地で、久々にいい風景が見られた気がした。

 そして、この街の空の広さを改めて感じていた。

 しかし、折しもこの前日からここでは新たな高層建築の建設が始まったところであった。また空を狭くしていくのかと思うと、ちょっとげんなりしてしまった。

 さて、こういう雲はたちまちに消えてしまうもので、山手線に乗ってからはもう見ることはできなかった。

 それだけに、その雲のさまもまた「真夏の朝の夢」であった。


東急東横線渋谷駅にて
2014.8.2
by railwaylife | 2014-10-12 22:10 | | Comments(0)
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