みずほの印象

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 寝台特急「みずほ」の名の由来は日本の国の別称として用いられる「瑞穂国」の「瑞穂」から来ている。

 そういう由緒があるにも関わらず、九州寝台特急の中では地味な存在であったなと思う。同じ行先の「はやぶさ」「さくら」を補完するような列車であった。そしてそうやって同じ区間の列車が他にあったところから、九州寝台特急の中では真っ先にリストラの対象となり、一番早く消滅した愛称名ともなった。

 その寝台特急「みずほ」の最終上り列車が東京駅に到着するところを見に行った覚えがある。1994年12月3日のことである。

 当時の東京駅は長野新幹線開通に備えた新幹線ホーム増設工事のさなかで、寝台特急の発着ホームも狭苦しいところであった。そのホームに最終列車の到着を待ち構えるファンの姿がけっこうあったが、最近の加熱ぶりに比べればさしたる人数ではなかったと思う。私は写真も撮らず、ただただその最後をじっと見つめていた。

 それから十七年の後、この「みずほ」の愛称は新幹線の列車に復活した。山陽新幹線・九州新幹線を直通する新大阪-鹿児島中央間の速達タイプの列車としてである。西の「のぞみ」とでも言えばよいのだろうか。

 かつての寝台特急と運転区間が一部重複するものの、寝台特急時代とはまったく趣の異なる列車となってしまった。

 ただ、以前にこの新幹線「みずほ」を目にしたとき、寝台特急「みずほ」との共通点を見出すことができた。

 それは、車体側面にフルカラーLEDで表示される列車名である。

 N700系などフルカラーLEDの表示器を備えた新幹線車両の表示器では、列車名の背景色がそれぞれに異なっている。その背景色が「みずほ」の場合はクリーム色で表示される。それは「のぞみ」の黄色などとは違ってやわらかい色である。まさに寝台特急「みずほ」のヘッドマークにある色と同じであった。

 その表示を見たとき、この「みずほ」という愛称の伝統がたしかに受け継がれていることを知る思いであった。


寝台特急「みずほ」牽引機
EF651106号機 田端運転所にて 2013.6.1
by railwaylife | 2013-11-03 23:30 | 寝台特急 | Comments(2)
Commented by HERO at 2013-11-04 12:33 x
こんにちは。
「みずほ」電撃復活は驚きましたが、米はアジア人が大切にしているもの、「アジアに近い」を標榜するJR九州が関係する列車に継承されたのは、よいことだと思います。
Commented by railwaylife at 2013-11-05 21:28
HEROさま、こんばんは。
コメントありがとうございます。

なるほど、九州に「みずほ」が走っているのにはそういう理由もあるのですね。

「みずほ」もそうですが、「はやぶさ」や「さくら」など、伝統ある愛称を受け継いだ列車は、長く活躍して新しい歴史を作ってほしいものです。
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