ここの葉の色付きを電車がかすめて行くのも今年で最後だ。
そんなことを取り立てて言う必要もないと思っていた。これまで、何年も何年も繰り返されてきたことだからである。
でも、それを今まであまりにもあたりまえに感じ、さして気にも留めて来なかった。ここの並木がユリノキという名の木だということさえ知らずにである。
だからこそ、最後だけそれを取り立てて騒ぐのは愚かしいと思っていた。
とは言え、晩秋の寒空の下で眺めるこの風景はどこかもの寂しげであって、やはり何となく切なくなってきてしまった。
東急
5050系電車(5167F) 東急東横線渋谷駅~代官山駅にて 2012.11.24