次は渋谷

 山手貨物線の渋谷駅と恵比寿駅の間の線路脇に、このような看板が立っている。
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 両方向の最寄駅を記したこの看板は、国鉄時代からあったように記憶している。そして、最近はあまり見かけなくなった気がするが、昔はあちこちの駅間にあったように思う。都区内だけではなく、もっと郊外の線区も含めてである。緑多い車窓風景の中にこの看板を見た記憶もある。

 そんな思い出もあるこの種の看板は、列車に乗っていていま自分がどの辺りにいるのかを知る上でも有益であった。子供の頃だから、いまどこを走っているかということはなかなかわからないものであった。現代のように、GPSの付いたスマホの地図アプリで現在地を知るなどということもできない時代である。そんなときにこの看板で次の駅がわかれば、いま自分がだいたいどこにいるかを知ることができた。また、大きく書かれた次の駅の名を目にしたとき、いよいよその駅に着くのかという実感も湧いてきたものである。

 最近は車内のLCDに路線図や次の停車駅を表示する車両も多くなってきたし、車内放送も丁寧である。いざとなればスマホで現在地を知ることもできる。だから車窓にでかでかと次の駅を指し示す必要もないのかもしれない。

 でも、おしゃべりに夢中なオバサンたちや、ゲームに夢中な若者がふと顔を上げて車窓を見たとき、この看板の「次は渋谷」という表示を目にして「あ、もう降りなきゃ」なんて気が付くきっかけになってくれていればいいなと思う。

by railwaylife | 2012-11-01 23:35 | JR東日本 | Comments(0)
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