霜月への想い

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 このところ、毎月最初の記事はその月の決意表明みたいな内容になっている。

 別にそう決めているわけではないのだが、何となくそういう慣習になりつつあるので、今月も何か書いてみようかと思った。

 とは言え、この11月は特に思うところもなく、今まで通りにこのブログを続けられればいいなというくらいである。先月は古い話題を積極的に載せようなどと意気込んでいたが、いまは古いとか新しいとか意識することなく、好きにやっていけばいいかなと思っている。

 だからこうして改まる必要もないのだが、最近気付いたことを少し書いておきたいと思う。



 最近、改めて思ったことがある。



 それは、いまの時代は使い捨ての時代だなということである。



 カイロの話ではない。情報の話である。

 SNS全盛の昨今、毎日大勢の人が厖大な量の情報をネット上に書き込む。それらは即時につながっている相手のタイムライン上に表示される。そして、どれだけ人々の「いいね」をもらえるか、つまり共感を呼ぶかが勝負になる。だがそれも、次々と後から発信される情報によってたちまちにタイムラインの奥へと追いやられ過去のものとなる。

 そうやって追いやられた情報は、どれだけ後で省みられることがあるだろうか。ほとんどないと思う。だからそういう情報は、積み上げられていくのではなく、どんどんと捨てられていくのだと思う。そして人々は常に新しい情報を求めていく。

 ブログの記事とて、例外ではないのではないか、という気がする。

 もちろん、SNSの書き込みにしてもブログの記事にしても、書いた本人が意図的に消さない限り、アーカイブとして蓄積されていく。そしてそれは、自分がいつ何をしていたかという大切な証にもなる。また最近は世の中の流れが速いから、見慣れた事物もあっという間に消えていく。そうなったとき、過去の記録は貴重になったり、レアなものになったりする。

 だがそれらは所詮、そのときそのときを記録した点に過ぎないと思う。それらの点は、互いにつながりや関連をどれだけ持っているだろうか。点が集まって、線や面になっていくだろうか。あまりならないように思う。そういう意味で、過去に書き込まれた情報は使い捨てになっているのではないかと思えてくる。

 しかし私は、自分のブログの過去記事を、使い捨てにしていきたくないと考えている。どんな記事であっても、一つ一つを積み重ね、その上に新しい記事を載せていきたい。そんなふうに思っている。そのために、過去の記事の続編を載せたり、同じようなテーマの記事を連載のように続けたりしている。あるいは、ある記事がその後の記事の伏線になるようにしたいとも思っている。

 ただ、このブログは小説ではないから巧く伏線が張れるかどうかはわからない。でも私としては、それこそ一個の物語であるかのように、このブログを続けていきたいと思っている。過去の記事が単にアーカイブとして積み上がっていくのではなく、自分の想いを積み重ねていくようでありたい。そして各記事が単なる点の集まりではなく、互いがつながって線を描き、やがて面を作るようでありたい。

 どれだけ立派な面が築けるかはわからない。いや、別に立派でなくてもいい。いびつでもいい。でも、一つ一つの記事を、一つ一つの文を、一つ一つの言葉を大事に想いながら、このブログを続けていきたい。

 そんな想いでこの11月も、記事を掲載していくつもりである。

 もちろん、楽しみながらである。

by railwaylife | 2012-11-01 23:30 | 生活 | Comments(2)
Commented by HERO at 2012-11-03 18:36 x
こんばんは。

ネットの記事は、それが文章として優れていても次々と更新されてしまいます。
PCやスマホで見ていると、「活字」ではなく「視覚」という感が強いのは何故だろうかとつくづく思います。
物書きを目指した人間としては、文章の価値が顧みられることなく「使い捨て」にされるのは忍びないので、気になった記事は極力印刷することにしています。
Commented by railwaylife at 2012-11-03 21:34
HEROさま、こんばんは。
コメントありがとうございます。

ネット上の文章は、いい文章かどうかが大事ではなく、内容が新しいか古いかで峻別されていくような気がします。

たしかに、ブラウザ上で読んでいるのと紙で読んでいるのとでは、同じ文章なのに読み方が違うように思います。私は自分の文章を推敲するとき、紙に印刷するようにしています。その方が細かいところまで推敲できます。

このブログにも、思わず印刷して読みたいと思っていただけるような文章を書けるようでありたいと思っております。
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