夏雲Y500

 2012年9月1日朝のこと、当日掲載した「9月の9000系」という記事に書かれている通り、9月の風景を取り急ぎブログに載せるべく、それにふさわしい風景を探しに出かけた。

 9月らしい風景を載せたい、というのが本音ではあったが、そういう風景はなかなかあるものではない。それよりも、自分にとって「いい風景」を探そうと思った。

 とは言え、そうそう遠くまで行けるものでもない。だから、手近なところで「いい風景」を眺めるつもりであった。

 その「いい風景」というのは、私にとっては空の広く見える場所である。嬉しいことにこの朝は、空にさまざまな色形の雲がいくつも浮いていて実に魅力的であった。最近思うのは、雲ひとつない青空なんて、何と魅力のないものかということである。雲の色や形の妙があってこそ、空を眺める面白さはあると思う。

 そんな魅力的な空を広く眺めるべく向かったのは、近所の東急東横線の跨線橋である。今までに何度となく来ているところだ。でも、ここから広く見える空の表情はもちろん毎回違う。だから、ちっとも飽きが来ない。

 さて、この場所では「9月の9000系」に載せている通り、9000系を捉えることができたのだが、ここで9000系を眺められるとは思っていなかった。偶然に捉えられたことであった。

 もちろん「来たらいいな」とは思っていたが、そうそううまく来るものでもないという気もしていた。

 だから最初は、何系だとか関係なしに電車のある風景を楽しんでいた。休日のまだ朝早い時刻だったので本数も多くなく、ひとつひとつの機会が貴重でもあった。

 そんなところにたまたま思い入れのある9000系が来てしまったものだから、当日の記事は必然的に「9月の9000系」となったのであるが、その9000系の風景がこの朝のベストだったのかどうかはわからない。もちろんそれが、私の想いの一番詰まった一枚であったとは思うが、後になってこのとき撮った写真を見返してみると、9000系が来る前に撮ったこのY500系の風景もなかなかじゃないかという気がしてきた。

 だからこの風景も、私にとっての大切な一枚としてここに掲げておくことにした。
夏雲Y500_f0113552_21592983.jpg

 夏雲、というにはちょっと無理があるかもしれないが、私にはまだ夏の名残のある雲に見えた。それで「夏雲Y500」というタイトルを付けてみた次第である。


横浜高速鉄道
Y500系電車 東急東横線学芸大学駅~都立大学駅にて 2012.9.1
by railwaylife | 2012-09-15 22:00 | Y500系 | Comments(0)
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