東急東横線ではもはや本数のわずかになってしまった9000系電車は、こちらが思うようなときにうまく来てくれるようにはならなくなった。
それでもその日、夕日が雲に沈もうかという絶妙なタイミングでやって来そうであった。
ところが、夕日は白い雲へと沈む前に、薄い雲にかき消されてしまった。
それで、雲に滲んで溶けかけた夕日の色が残るだけのところに9000系が現われることになった。
何とも言えずぱっとしない風景となったが、これもまた9000系の一風景として大事に想うことにした。
東急
9000系電車(9115F) 東急東横線綱島駅~大倉山駅にて 2012.7.28