夕暮れの雲

 たぶん機会がないと思うが、もし地平線しか見えないような広野に立ち、雲が一つもない西空に日が暮れてゆく風景を目にすることがあったとしたら、どんな感想を持つだろうか。

 意外と「つまらない」と感じるのではないだろうか。

 夕暮れの空を見るときの楽しみは、雲にあるのではないか、という気がするからである。

 さまざまな形をした雲が夕日に照らされ、さまざまな色に塗られる。また、ある場所はすでに夜闇を映し出し、真っ黒に塗り潰されたりする。そんな雲の色の妙が、夕日そのものよりも魅力的なのではないかと思う。

 それから、何も遮るものがない広野よりも、ごみごみとした街中で眺める方がいいと思う。もちろん、どうしても空の見える範囲は限られてしまうわけであるが、そこにも楽しささがあると言える。なんでここにビルがあるのだろう、このビルさえなければ夕暮れのさまがよく見えるのに、と思いつつ、もっと空がよく見えそうな場所を探して歩き回ったりする。その途中に、思ってもみない場所で思ってもみない夕景が現れたりする。それが面白かったりする。ただその場所の夕景が、その日見られるベストのものであるとは限らない。でも、その目の前にある夕景をこの上ない夕景だと思って楽しめばいい。

 そういうわけで、夕暮れは空に雲のある日に街中で眺めるのが楽しいと思う。
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新幹線N700系電車
「ひかり」525号 東海道新幹線東京駅~品川駅にて 
2012.7.14
by railwaylife | 2012-07-22 23:06 | 700&N700 | Comments(0)
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