東急世田谷線沿線を歩いていると、四季折々に実にさまざまな花を見ることができる。
そしてその花々を見つけると私は、どうしても花と電車のある風景を眺め、撮ってみたくなってしまう。
紫陽花やタチアオイを見に行ったときも、また別の花を見つけてしまった。
その白い花が行く手に見えて来たとき、あぁ、また撮るものが増えちゃったよ、と心の中でつぶやいていた。
でもそれは、撮るものが増えて面倒だとか、そういう感じではない。私なりの、嬉しさの表現であった。
だから、嬉々としてそのクチナシの花に近寄り、花越しに電車が出て来るのを心待ちにし、想いを込めてその瞬間を切り取っていた。
それにしても、クチナシという花は色褪せて枯れるのが何とも早い。純白であるだけにそのことが尚更に惜しく思える。
でも、そんな変化もこの花独特のものとして、楽しんだらいいと思う。
東急
300系電車(309F) 東急世田谷線松陰神社前駅~世田谷駅にて 2012.6.23