カイドウをゆく 205系版

 最近のこのブログは無駄に記事の数が多い、と思う。



 その理由の一つは、同じ場所の風景が何回も載せられているからであろう。

 なぜ何回も載るかといえば、同じ場所でもそこを通る車両が変われば私にとっては別の風景だからである。車両が変わって風景が変われば、それへの想いも違ってくる。その想いを書き留めたい、そして掲載したいと思う。

 そこに、取捨選択の余地はない。どれか一つの車両だけにするということは難しい。もちろん車両によって思い入れの違いはあるけれども、思い入れがあまりないというのもまた、私の想いの一つである。

 そうやって、自分が目にするさまざまな車両のさまざまな風景を、できるだけ多く遺しておきたいと思っている。

 それは、これまで引退した車両への想いから来ている。

 最近は、気になる車両の引退が決まると慌てて「記録する」とか言ってその車両を熱心に追いかけてきた。しかし、限られた時間の中では十分に「記録する」ことができず、心残りもあった。

 だから、すぐに引退するとかしないとかに関わらず、どんな車両であっても、その車両がある風景のひとつひとつを大事にしていきたい、といまは思っている。

 ただそれは、単に「記録する」ということだけではない。見るにせよ、撮るにせよ、その車両が往く風景への想いも大事にすることである。

 そういう想いの積み重ねが、結果的に「記録する」ことになるのではないかと思う。大事なのは、記録の数ではなく、想いの数である、と言える。たとえ引退間近の車両を目にしたり撮ったりしても、何の想いもなかったとしたならここへ何も載せる必要はない。無理に数を増やせばいいというものでもない。

 だからもちろん、記事の数を競ったり、いくつ載せるのが目標というものでもない。

 そして、記事の数を増やして更新頻度を上げ、ブログのアクセス数を増加させようとしているわけでもない。最近はアクセス数というものにまるで執着しなくなった。それで、以前は熱心に行っていたブログランキングのサイトへのエントリーもすっかりやめてしまった。

 少し前までは、ブログランキングに参加することでこのブログが多くの人の目に触れるようになればいいなと思っていた。でも、そうやって自分のブログを売り込むようなことはもういいかなという気がしてきた。別に多くの人の目に触れなくてもいい。ひっそりと在ればいい。そしてわずかな人が見て楽しんでくれたらいい。そんなふうに思うようになった。

 だから、記事数が多いこととアクセス数には何の関連もない。実際のところ最近は、ブログランキングに参加しなくなったことで日々のアクセス数は減っている。でも、その方が落ち着く。

 ただ、記事の量が増えることでブログの質が下がってしまったら良くないなとは思っている。



 とは言え、このブログがもともとそんなに質の良いものだとも私は思えない。格別優れた写真が載っているわけでもなし、誰も書かないような大それたことが書かれているわけでもない。

 また、鉄道的な関心で言えば、珍しい列車や車両のことが載るわけでもない。ただ、あたりまえにある列車や車両の風景と、それに対するありきたりの想いがだらだらとあるだけだ。

 だが、そうやって何でもないあたりまえの風景が載せ続けられることこそが、私にとっては何よりありがたく、かけがえのないことである。

 ただそれでも、そんな記事の羅列の中に、ときにはちょっと輝いたりするものがあったりしたらいいかなとも思う。十三回に一回くらい、いや二十四回に一回くらいでいいから、誰か一人でも「あ、いいな」と思ってくれたりしたら嬉しい。

 そんなつもりで、これからも自分なりにこのブログを、人生を続けていけたらいいと思っている。



 というわけで、先の山手線版「カイドウをゆく」の二番煎じではあるが、埼京線205系版「カイドウをゆく」の風景も、ここに大事に載せておきたい。
カイドウをゆく 205系版_f0113552_23511571.jpg

埼京線
205系電車 山手貨物線渋谷駅~新宿駅にて 2012.4.3
by railwaylife | 2012-04-22 23:55 | 205系 | Comments(2)
Commented by たすく at 2012-04-23 08:05 x
こんにちは、いつも楽しませてもらっています。
私には、どのくらいの方がこちらのブログにアクセスされているかは
わかりませんが、鉄道が好きな方にとっては、魅力的だと思います。
やわらかく、暖かい。毎日拝見するたびにほっとします。
これからもよろしくお願いします。
Commented by railwaylife at 2012-04-23 22:33
たすくさま、こんばんは。
いつもありがとうございます。

このようなコメントをいただけると本当に励みになり、嬉しく思います。
ありがとうございます。

やわらかさ、暖かさ、私がどのくらい持ち合わせているかわからないのですが、自分らしく続けていければと思っております。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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