九月の連休に「中央本線のSW」を見に行ったときは、何本もの臨時列車を撮影したが、そういう一日に一本しかないという臨時列車を狙うときには、どうしても手堅く撮ってしまうものである。失敗したら、その日にはもう二度と撮れないからである。
でも、一日に何十本と東中野にやって来る通勤電車を撮るときには、臨時列車を狙うときのような緊張感はない。一度失敗しても、すぐにまた同じ電車がやって来るから、実に気軽に、そして自由に撮れるものである。
特に、緩行線を往くE231系や209系500番台を撮るときは、何とも気楽に狙える。そして、どんなふうにでも捉えることができる。
例えば、並木の葉越しに電車を狙うこともできる。
こんな風景が、本当の東中野の風景なのかもしれないな、と思ったりする。
さて、こうして気楽に撮っている緩行線の電車であるが、私はこの東中野で緩行線の電車が往く風景を眺めるのがけっこう好きだし、それなりに思い入れもある。普段の東中野の主役と言えば、特急「スーパーあずさ」のE351系であり、特急「あずさ」「かいじ」のE257系ということになるが、黄色い帯を巻いた緩行線の電車があってこその東中野だというくらいに私は思っている。
だから、これからも、移りゆく四季の中で、この緩行線の電車が往く風景を気軽に捉え、眺め、楽しんでいきたいと思っている。
中央緩行線
E231系電車 中央本線東中野駅~中野駅にて 2011.9.17