あじさい列車2011第二十一章 あじさい7600系

 私が東急池上線の「一年越しの風景」の場所で、あじさいの花越しに一番見たかった「あじさい列車」は、7600系であった。

 先の「タチアオイ、7600系」の記事で綴った通り、もはや二編成しかないこの車両に、私はけっこう思い入れがある。

 それで、当然ここのあじさい越しにも眺めてみたいものだと考えていたが、7600系は数が少ないだけになかなか遭遇できるものではない。また、その日に池上線を走っているという保証もなかった。これも先に書いたように、この車両は池上線と多摩川線の共通運用であり、いつどちらの路線を走るかはわからないからである。

 だから、限られた時間しかなかったこの日、7600系が思い通りに見られるとはあまり思っていなかった。それでもわずかな期待をしつつ目的の場所へ向かっていたところ、池上線の線路沿いまで来たときに、目の前を駆け抜けた五反田行きの電車が、なんと7600系であった。

 運が良いというのか、悪いというのか、7600系を目にすることはできたものの、花越しに眺めるという夢は実現できそうになくなってしまった。当然、五反田まで行った7600系は折り返し蒲田行きとなってここを通るわけであるが、通勤途中の私にそれを待つほどの時間はとてもなかった。

また、7600系はもう一編成あるので、それが来ないとも限らなかったが、短い時間で運良く二本も7600系が見られるほど、私の日頃の行いは良くない。

それでもう、何系が、ということは抜きにして、とにかく花越しに行き交う電車を楽しむことにした。

 その結果が先の「一年越しの風景」の記事に書いた通りだったわけであるが、そこには、蒲田行きの電車ばかりが写っている。

 私がこのあじさいの咲く場所にいた間、別に対向の五反田行きの電車が通らなかったわけではない。それなのになぜ五反田行きの電車の写真がないかといえば、巧く撮れなかったからである。

 というのも、この花のある場所は、蒲田行きの電車がやって来る洗足池駅方向は見通しがよく利くのに対し、五反田行きの電車がやって来る石川台駅方向は、あまり見通しが利かないからである。

 もちろん、電車の走行音で接近はわかるわけだし、近くには踏切もあるのでその警報音も電車接近の合図になるわけであるが、あいにくこの日は近くで工事をしていて、その工事の音が電車の走行音をかき消してしまっていた。

 それで、花の陰から飛び出てくる五反田行きの電車を捉えるのはなかなかに難しく、思うように花越しの電車を撮ることはできないでいた。

 それでも、かろうじて五反田行きの電車を一本だけ捉えることができた。

 それがなんと、もう一編成の7600系であった。
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 花の向こうから急に飛び出て来たし、それがもう見られないと思っていた7600系だったので余計に慌て、あまり巧く捉えられたとは思えないが、確かに私はあじさい越しの7600系を見送ることができた。

 私は、思っているほど自分の運が悪くないんだなという気がしてきた。


東急7600系電車(7601F) 東急池上線洗足池駅~石川台駅にて 2011.6.21

by railwaylife | 2011-07-08 23:35 | 東急7600・7700系 | Comments(0)
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