昨日の夕方、用事を済ませた帰り道、二子玉川駅で電車を乗り換えようとホームに降り立つと、多摩川の川原越しに富士山の姿が見えた。
姿が見えたと言っても、ほんのりとオレンジ色に染まった白い空に、ぼんやりと青黒いシルエットが浮かんでいるだけであったが、夏に富士山が見えるとは珍しいなと思いながら、電車を待つ間に私はそれを見つめていた。
その後、帰り道の大井町線に乗りながらも、富士山の眺めのことを考えていた私は、あることを思い出した。それは、この沿線に富士山の良く見える場所があったということである。それで私は、二子玉川駅の次の上野毛駅で下車し、その場所へと向かってみた。
駅前から環八通りを渡って線路沿いに出て、二子玉川方面へ戻ると、切り通しになった大井町線にかかる二つ目の橋が、富士山を眺めるポイントである。この橋の名を富士見橋という。橋の真ん中に立って二子玉川方を見れば、まさに正面に富士山の姿がある。文字通り、富士を見るために作られたような橋だ。
ただ、日が暮れかけてきたこともあって、二子玉川駅で見たときよりも山の姿はぼんやりとしてきた。しかも、山は雲を纏ってきた。
そんな富士山と一緒に、9000系を捉えてみた。
大井町線の電車を入れるためには、カメラを引かなければいけない。そうすると山の姿は小さくなってしまう。だから、富士山だか何だかよくわからなくなってしまった。
ここで富士山と電車をはっきりと捉えるためには、冬の良く晴れた朝にでも来なければいけないなと思う。でも、それが来るべき季節の楽しみにもなってきた。
東急9000系電車(9006F) 東急大井町線上野毛駅~二子玉川駅にて 2010.8.28