相模の旅2010初夏 後編

 昨日の「相模の旅2010初夏 前編」の続きを記したい。

 二日間有効の「踊り子箱根フリーきっぷ」を手にしながらも、昨夜一旦帰宅した私は、昼間けっこう歩いたことと前夜の寝不足もあって、良く眠れるのではないかと思っていたが、今朝はいつものように早朝覚醒してしまい、おまけに体がものすごく重くて、ひどい目覚めであった。

 それでも、せっかく早く起きたのだからと、頑張って支度して家を出た。今日も「踊り子箱根フリーきっぷ」で、相模の旅を続けるつもりであった。幸い、朝の東京では雨が止んでいた。

 東急東横線で横浜駅に出て、東海道本線の普通列車に乗り継ぐ。いよいよこの旅の後編は始まった。
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 起きたときは食欲もなく、何も食べずに出てきたが、列車に乗れば不思議とお腹もすいてくる。私は、横浜駅のホームで買ったいなりずしを食べながら、東海道本線の西下を楽しんだ。

 空は昨日同様のどんよりしたものであったが、辻堂辺りまで来ると車窓に水滴が付くようになった。さらに、鴨宮辺りではその水滴が増し、しっかりと降っているようであった。旅先に近付くにつれ天気が崩れていくのは残念でならなかったが、この時季は仕方のないことである。

 そして、小田原駅を過ぎ、お目当ての相模の海が見えてきたが、何となく昨日よりは海原の色が青いように感じられた。
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 そんなこともあって私は、海の良く見える根府川駅で、たまらず下車してしまった。相変わらず今日も、行き当たりばったりの旅程である。
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 根府川駅は小雨模様であったが、昨日と違うのは風があることであった。とは言え、歩くのに支障があるほどではなかったので、私はこの駅の近辺を歩き回り、列車越しの海の眺めを楽しんだ。
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 その後、根府川駅から下り普通列車に乗り、今度は湯河原駅で降りた。
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 そしてまたこここで、駅近くを歩いて列車や花のある風景を探し求めた。湯河原駅に着いたときにはけっこう本降りになっていたものの、私が歩き始めると雨はまた小降りになった。そこで私はまた、自分の思い描いていた景色を、いくつか手に入れた。その景色については、また別の記事で取り上げたい。
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 それからまた思い立って、今度は上り列車で早川駅まで戻った。この列車はロングシートだったので、私は海の眺めを見るために、文字通りドア際にへばりついていた。すると、真鶴駅から旅行帰りらしきオバサンの団体が乗ってきて、車内は急に騒々しくなった。ipodを耳にしている私にさえ聞こえてくるくらいの声の大きさであった。折しも車窓には、胸のすくような海原の眺めが、どんどんと広がっていく。そんな景色をそっちのけで、オバサンたちの話は続く。そのとき私は、車内に向かって「窓の外を見てみろ!」と、叫んでやりたいくらいであった。

 気を取り直して早川駅で下車し、今度は早川辺りを少しさまよった。
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 そしてさらに、小田原駅から下り普通列車に乗り込んだ。自分の気の向くままにあちこち行っていたからこんな無駄の多い行程になってしまったが、これもフリーきっぷの旅ならではのことだろう。それにしても私は、この辺りを何度行き来したことだろうか。

 しかし、ついに帰途に就く時間が来た。小田原駅から乗った列車を終着の熱海駅まで乗った私は、そこから特急「スーパービュー踊り子」6号で、相模を離れることになった。結局、私が相模にいる間に、雨は上がらなかった。
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 行き同様の「スーパービュー踊り子」であったが、その乗車についてはまたいろいろと想いがあったので、別の記事にまとめたいと思う。ただ、私はそのときこの旅最後となる相模の海の眺めをしっかり見送ったということだけは、ここに記しておきたい。私は、昨日今日とたくさんの景色を見せてくれた海原に、感謝の気持ちを抱いていた。
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 行きと違って、この「スーパービュー踊り子」6号は東海道本線をまっすぐに上り、東京駅が終着であった。行くうちに空模様は回復し、都心へ戻る頃にはわずかながら青空さえ見えてきた。きっと今頃、相模の海も青くなっているのかなあと思いながら、私は旅の終わりを迎えていた。
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 さて、東京駅に着いた私は、その足で羽田空港まで行き、福岡から戻ってくる妻を迎えることになっていた。それでまた東海道本線を品川駅まで戻る必要があったが、ここまで使用してきた「踊り子箱根フリーきっぷ」はお役御免となるので、一旦改札へと向かった。ホームから中央通路へ下り、人ごみに紛れてみると、私は何だかずいぶん遠くまで旅してきたような気がした。しかし、行ってきたのは東京駅からたかだか90km前後のところである。

 改札を入り直し、京浜東北線の快速電車に乗ると、この旅でさんざん目にしてきたE231系や211系の姿が車窓に現れた。しかし、その表情はいかにも都会の顔で、相模の海沿いで眺めたときとは「別人」のように感じられた。何だか私だけが、まだ都会に馴染んでいないように思えた。

 品川駅から京浜急行に乗り継ぎ羽田空港に着くと、妻の乗る飛行機が到着するまでには少し間があったので、私は展望デッキに行ってみた。すると、滑走路の向こうには、まさに青い海があった。相模にいる間には見られなかった色である。私は今日の天気を、少し恨んだ。
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 その後、無事に妻と合流し、日暮れ前には帰宅することができた。

 実質一日半ほどの旅であったが、私はずいぶんとたくさんの風景に出会った気がする。そしてその風景に対して、私はさまざまな「想い」を抱いた。いま、私はその溢れんばかりの「想い」をできる限り綴りたい気持ちであるが、とても今夜中にはできそうにない。だが、幸いなことに明日は有給休暇を取っている。夕方から用事のあるためだが、昼間は時間があるので、体を休めつつ、この旅での「想い」を思うままに綴りたいと思っている。

by railwaylife | 2010-06-27 22:17 | | Comments(0)
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