相模の旅2010初夏 前編

 夕刻に熱海駅前で記事をアップしてから、すぐに帰途へ就き、19時30分くらいには帰宅して、シャワーを浴びたり夕食をとったりしてすっきりし、いよいよ今日の旅の想いを綴ろうかと思ったら、パソコンの調子が悪くなり、時間をとってしまった。ようやく想いが綴れる状態になりホッとしたが、またサッカーが始まってしまったので、今夜はとりあえず旅の概要だけをまとめておきたい。

 さて、そのためにまずは、今回の旅へ出るに至った顛末を説明しなければならない。それは以下の通りである。

 今週末、妻は旧知の友人の結婚式に出席するため、実家のある福岡へ帰省することになっていて、すでに昨夜の飛行機で実家へと戻って行った。

 結婚式に呼ばれているのは妻だけなので、私は別に福岡へ行く用はなかったが、せっかくの機会なので付いて行って、妻の実家の義父や義姉に元気な顔を見せたいものだと前から秘かに思っていた。そして、そのついでに、あわよくば九州の鉄道を楽しもうという魂胆があった。断っておくが、あくまでも、九州の鉄道に乗るのは「ついで」である。

 ところが、このところ出費がかさんで、恥ずかしいことになかなか九州まで行く旅費が捻出できない状態になっていた。特に先日、病院で数万もかかる検査を受けてしまったので、その出費が痛かった。別にどうしても受けなければいけない検査ではなかったが、自ら受けると決めたことなので仕方ない。その費用を旅費に回していたらどんなに良かったかとも思ったが、自身の健康に関わることなのでやむを得なかった。

 しかし、一度は九州へ行けるかもしれないと考えたことで、私の「どこか旅に出たい」という気持ちには火が付き、にわかに「旅心」が高まってきていた。ただ、残念ながら遠くへ行けるほどの金銭的余裕はなかった。

 そこで私は、ネットでいろいろなフリーきっぷの情報を漁りながら「何か安くて楽しい切符はないのか!」と思っていた。

 そんな私の心の叫びに対し、えきねっとというサイトが「こんなんありまっせ」と言って出してきたのが「踊り子箱根フリーきっぷ」というものであった。都区内から小田原-熱海間のフリーエリアまでの往復に特急「踊り子」が利用でき、箱根近辺の伊豆箱根バスにも乗れるという切符である。二日間有効で4600円であるから、一日あたり青春18きっぷ一回分と同じ値段になる。これは手頃だと思って私は「踊り子箱根フリーきっぷ」に惹かれた。

 しかし、私が本当にこの切符に惹かれた理由は、特急「踊り子」でもなく箱根でもなく、小田原-熱海間というフリーエリアである。これは、私の憧れる早川-根府川間を含んでいる。その区間に乗り放題、というところに何より魅力を感じた。

 その早川-根府川間への憧れについては、以前に「根府川礼賛」という記事で書き記しているので、また詳しくは述べないが、とにかく私はこの「踊り子箱根フリーきっぷ」に飛び付き、旅立つことにした。そしてその往路には、新宿駅から特急「スーパービュー踊り子」1号に乗ることを選択した。

 特急「踊り子」に乗れるのなら、最近お気に入りの185系でも良かったが、私はどうしても、日常の最たる地である新宿駅から旅立つ必要があった。そこからの旅立ちによって、日常を飛び出すという歓びを、さらに深いものにしたかったからである。
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 そこで今朝、8時30分に特急「スーパービュー踊り子」1号で、新宿駅を発った。実は、この「スーパービュー踊り子」に乗るのは初めてのことであり、その旅路にはたくさんの想いがあったが、それは書き始めると長くなるので別の記事に綴ることにして、とにかく私は熱海駅まで「スーパービュー踊り子」の旅をじっくりと楽しんだ。
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 さて、今日のこの後の行程はまったく行き当たりばったりで、特に決めていなかった。そこで私はまず、熱海駅からすぐに引き返し、お気に入りの根府川-早川間へと向かった。特急「スーパービュー踊り子」ではあっという間に過ぎてしまい、ゆっくり眺めることができなかったということもある。

 そんなにゆっくり景色を眺めたいなら、列車を降りて歩けば良いだろうということで、私は根府川駅で下車した。そして、となりの早川駅まで歩くことにした。
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 私は今までにもこの両駅間を何度も歩いている。だから、よく知っている土地でもある。そして、この区間を一番早く行くには、線路と海の間を通る国道135号線沿いを歩けば良いことも知っているが、国道を歩くのは、通行量が多い上に歩道も狭くて危ないこともわかっている。だから毎回私は、線路よりかなり山沿いの道を行くことにしている。その道のりは上り下りがけっこう激しいが、時々こうした眺望もあるので、楽しみでもある。
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 さらにこの時期は、沿道にあじさいがこれでもかとあって、楽しみは増える。しかし、花に戯れているとなかなか先へ進まなかった。
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 それでも山道を上って下り、しばらく行くと、線路沿いの道に出られる。そこから早川駅にかけては、あちこちに撮影名所として知られたところがあり、私はいろいろな場所で何本もの列車を見送った。そのときの想いはまた溢れんばかりにあって、ここへ書くと大変なので、後日いくつかの個別の記事にしたいと思う。
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 とにかく私は、お気に入りの場所で列車と海を存分に眺めた。そして、早川駅にたどり着いたのは、根府川駅で下車してから約三時間後のことであった。
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 その間に小雨が降ったり止んだりして、蒸し暑い上に余計に湿ったので大変であったが、私はもうとにかくたくさん歩いて空腹になったので、とりあえず列車に乗って小田原駅へ向かった。

 そして小田原駅のホームで駅弁を買い込み、また東海道本線の下り電車に乗り、海やあじさいの眺めを楽しみながら駅弁を食べつつ湯河原駅まで行った。そこからまた思い立ってもう一度根府川駅へ立ち寄った。それは、185系をこの駅で見送りたくなったからである。
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 その後、熱海駅まで行って夕刻の記事を書いたわけであるが、私はそれまでの間に「踊り子箱根フリーきっぷ」の小田原-熱海間のフリーエリアを存分に楽しんでいたわけである。もちろんフリーエリアはここだけではなく、箱根の山中にも行けるようになっていたが、私はすっかり相模の海沿いの景色に見とれ、箱根へ行くなどということにまったく思いが及ばなかった。それはこの区間が私の何よりの憧れだからである。箱根に行けば、登山電車の「あじさい列車」も見られただろうが、それを見るよりもずっと楽しい眺めが、この東海道本線にはあった。

 本当はそんな景色の中に、黄昏時までいたかったが、熱海での記事に書いたように体がきつかったので、早めに戻ってきた。

 ところで、私が手にした「踊り子箱根フリーきっぷ」は、二日間有効で明日も使用できる。だから、できれば熱海辺りの温泉旅館にでも泊まってのんびりしたいところであったが、そんな旅館の宿泊代は意外に高かった。それよりも小田原から通常の運賃を払って一旦帰宅し、また明朝に出かける方がずっと安く上がるということに気付いたので、今こうして自宅にいる次第である。だから今は、明日も相模の海が見られることを楽しみにしているところである。ただ、明日は夕刻に妻が帰って来るので、その出迎えのために羽田空港へ行く予定となっていて、相模にいられるのは昼過ぎくらいまでになると思う。でも、その間にまた、憧れの風景を存分に楽しみたいと考えている。

by railwaylife | 2010-06-26 23:58 | | Comments(1)
Commented at 2010-06-27 08:11 x
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