201系を追う8

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 雨上がりの金曜日朝は良く晴れていたので、どこか空の広いところで201系を捉えたいと思っていた。駅で撮るのも、何となく飽きてきていた。

 そこで向かったのは、東中野駅である。緩行線の電車から降り、改札を出て線路沿いに中野方面へ向かって行くと、複々線に沿って桜並木がある。もちろんまだ桜は咲いていないが、その中の一本に花を付けている木があった。ピンク色の花は、桃だろうか。花に疎い私にはわからなかったが、ほぼ満開である。

 その枝が線路に向かって垂れ下がっていて、うまくすれば電車と絡められそうであった。ただ、線路沿いには高い金網があるので、実際にそうやって撮るのは難しそうに思えた。それでも、花の近くには、金網沿いのガードレールに乗って望遠レンズを構えている人がいた。おそらく201系を狙うのであろうが、ちょっと危ないなと思った。

 私は桜並木が途切れようかというところまで行った。そこには、線路を跨ぐ歩道橋がある。この橋の上から201系を狙うことにした。

 橋から中野方を見ると、空が大きく開けている。遠くにはうっすらと山並も見えて気持ち良い。その空の下に次々とやって来るE233系を飽かずに捉え続け、201系が来るのに備えた。

 歩道橋にはときどき通行人があった。そして、ちょうど201系が来ようかというときに、小さな男の子を連れた出勤途中らしき男性がやって来た。男の子の足元が濡れないようにと気遣うそのお父さんは「ちょっとここで電車見ていこ」と男の子に言った。そこへ201系がやって来た。男の子が「オレンジー!」と言って歓声を上げる。このお父さんは、201系の運用を調べてこの時間にここへやって来たのだろうか。そうでなかったとしたら、すごい偶然である。

 そんな中、私は懸命に201系を捉えたが、どうも新しいコンパクトデジタルカメラでは動く被写体がシャープに撮れない気がする。多分、私の腕の問題だと思うのだが、少し残念であった。ここにはカメラを替えて、もう一回来なければいけないなと思う。

 中野方から来た電車を捉え、振り返って例の花越しに新宿方へ去っていく201系を見送っていた。すると、今度はおじいさんが通りかかり、私に「満開ですな」と言った。その一言がとても嬉しそうに聞こえた。

 歩道橋を後にし、まだ枝だけの桜並木を見ながら、ここで花の咲く時期に201系を捉えることができたら良いなと思った。しかし、201系最後の春として、その時期はここも混み合うだろう。ちょっと難しいかもしれない。それに、歩道橋から桜並木と電車を撮ろうとすると、新宿方を向かなければならないが、あいにくそれでは朝の時間は逆光になる。通勤の途中に撮るのは無理かもしれないなと思う。

 この後、東中野駅に戻った私は再び緩行線に乗り、職場へと向かった。


中央快速線201系電車 中央本線東中野駅~中野駅にて 2010.3.5



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by railwaylife | 2010-03-06 00:37 | 201系 | Comments(0)
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