2009年総括

2009年総括_f0113552_23434768.jpg

 2009年も間もなく終わろうとしている。鉄道への想いについて、この一年を振り返ってみると、まず年明けは寝台特急「富士」「はやぶさ」廃止のカウントダウンから始まった。3月の廃止に向けて、最後の勇姿をできるだけ目に焼き付けておきたかったが、あいにく年明けから新しい仕事に就いたばかりで、生活にあまり余裕がなく、ほとんど「富士」「はやぶさ」の姿を見ることなく時が過ぎてしまった。それでも、いま一度「富士」に乗っておきたいと思い立ち、廃止一週間前の上り「富士」に乗り込んだ。私は九州寝台特急への幼い頃からの想いのすべてを込めて、その車窓に見入った。それで興奮したのか、結局一睡もすることなく夜を明かしてしまった。しかしそのことは、私にとって忘れがたい思い出となった。

 その乗車の一週間後、寝台特急「富士」「はやぶさ」は廃止となり、東京から九州へ向かう寝台特急はすべて消え去った。私が幼い頃から最も憧れてきた列車がなくなり、私は旅する気持ちや鉄道への憧れも薄らいでしまった。

 それでも、夏の終わり頃から少しずつ旅に出るようになった。仕事にも慣れ、生活に余裕が出てきたということもある。8月の終わりに甲州へ出かけ、9月には秩父、そして11月には京都と伊勢を旅した。いずれも妻との二人旅であったが、私は旅する楽しさを改めて感じることができた。特に京都・伊勢への旅は、久しぶりの大きな旅だっただけに、旅の良さというものを強く実感した。そして、この旅では二年ぶりに新幹線に乗ることもできた。昨年は新幹線に乗ることができず、ちょうど一年前の2008年総括では「来年こそ新幹線に乗って旅をしたい」と誓っていただけに、それが実現できて本当に良かったと思う。

 そんな一年であったが、やはり今年は九州行き寝台特急が消滅した年という意味で、大きな区切りになった。一番の憧れの対象を失った喪失感は大きかったが、旅への想いや鉄道への憧れは変わらず続いている。そんな気持ちをこれからも大事にして、来年もまた、鉄道の旅を楽しめるようにしたいと思っている。


今年一番の思い出である寝台特急「富士」 日豊本線大分駅にて 2009.3.7



にほんブログ村 鉄道ブログへ
by railwaylife | 2009-12-31 23:45 | 生活 | Comments(2)
Commented by やままさ鉄 at 2010-03-18 21:05 x
08年の12月に富士に乗りました。
いつも寝台には、新橋(銀座)の銭湯・金春湯さんで一汗流してから乗り込むのですが、その日はなんか異様な雰囲気が・・・。
下段の対面の熟女?から、今日はどうしたんでしょう・・と聞かれても、もうすぐ無くなるかもしれないからでしょうとしか答えられませんでした。
ひとしきりお話した翌朝、兄からのメールで、来春の廃止が公式に発表されたことを知りました。

この旅は、松山で行われる社内の集合研修の同窓会に参加するためでした。
当初、広島まで乗車し、フェリーで松山に行くように考えてました。
でもその日が近づくと、どうしても下関・門司まで行きたいと思うようになりました。
別府・八幡浜へのフェリーだと同窓会に間に合いません。やはり無理かと時刻表を眺めていると、山口の柳井港から松山へ行くフェリーを発見。
さらに、門司ですぐに折り返せば、間に合う便があるのでした。
こうして、陸・海(帰りは飛行機で「空」)を使った壮大な旅となったのです。

開放B寝台こそが列車寝台なのです。

富士・はやぶさの廃止が決まった春、東京駅の10番線に行きなんども「1列車発車!」の声を聞きました。
Commented by railwaylife at 2010-03-19 22:10
やままさ鉄様、寝台特急「富士」は私にとっても本当に思い入れのある列車でした。一昨年の12月に廃止が正式発表されたときは、何とも言えない気分だったことを覚えています。

門司まで乗りたいというお気持ち、非常によくわかります。
それにしても、柳井から松山へ行くフェリーがあるのですね。
私はまだ瀬戸内海を渡ったことがありません。
でも、初めて渡るときは「サンライズ瀬戸」で、と決めています。

開放B寝台というもの自体が、今や貴重なものになってきましたね。
そして、東京駅から1列車が消えて一年が経ちました。早いものです。
<< 払暁の上野駅 宵の新宿駅 >>