鈍く光るSトレイン

 秋になると、みるみるうちに日の入り時刻が早くなっていく。

 うっかりしていると、この夕方のSトレインが多摩川橋梁を渡る時刻もすっかり真っ暗になってしまう。
f0113552_15240717.jpg
 そうなる前に、夕日に鈍く照らされるSトレインを見送っておいた。

 Sトレインが登場してはや二年半、いつかこの列車で秩父への旅に出かけたいと思いつつも、こうしてただただ見送るばかりである。


西武
40000系電車 東急東横線多摩川駅~新丸子駅にて 2019.9.7
# by railwaylife | 2019-09-21 15:45 | 西武 | Comments(0)

夏の残照

 2019年の夏は、これといって印象に残る出来事のない夏であった。夏らしい風景を眺める旅にも出なかった。ただただ慌ただしい日々が続いていた。それでこの夏は、単に「暑い毎日が続いていた日々」になってしまった。

 そんな、2019年の夏が終わる瞬間を目にした。
f0113552_11210648.jpg
 8月最後の日、日が暮れていくさまをじっと見ていた。

 別に8月が終わるからと言って夏が終わるわけではないけれど、子供の頃に「夏休み最後の日」として刷り込まれただけに、今でもこの日で夏が終わるような気がしてならない。

 そんな日の夕暮れ時、このまま夏が終わっていいのか、そう私に問いかけるようにして、残照がいつまでも空と川面にあった。


埼玉高速鉄道
2000系電車 東急目黒線多摩川駅~新丸子駅にて 2019.8.31
# by railwaylife | 2019-09-14 11:25 | 東急目黒線 | Comments(0)

夕刻T.K.K.スタイル

 日の傾く夕刻に、東急1000系T.K.K.スタイルを目にした。
f0113552_15250837.jpg
 夕日に照らされた車体の色は、一段と濃くなったように見えた。


 ところで先日、書店に行ったら、東急の車両の歴史についての新刊が出ていたので思わず手に取って立ち読みしてしまった。

 その本に掲載されている写真を見てみると、T.K.K.スタイルのオリジナルが活躍していたのはおもに1960年代のことのようであった。

 その頃は、東急沿線にも、今よりずっと長閑な風景が広がっていたことだろう。

 そんな当時の風景の中を往く、1000系T.K.K.スタイルの姿を、書店で思い浮かべてみた。


東急
1000系電車(1017F) 東急多摩川線多摩川駅~沼部駅にて 2019.8.3
# by railwaylife | 2019-09-08 15:35 | 東急1000系 | Comments(0)

急行赤倉

 国鉄・JRの昼行急行電車に乗ったのは、合計十回に満たない回数だったと記憶している。

 そのうちの一回が、ちょうど三十年前に乗ったこの急行「赤倉」であった。
f0113552_10590970.jpg
 青春18きっぷで信越本線を旅していた時、長野の善光寺に参詣したくなって、その時間を捻出するために部分的に乗車した。青春18きっぷでは急行に乗れないから別途乗車券と急行券を買わなければならなかったが、それほど高くなかったのだと思う。この急行に乗ったおかげで、無事に善光寺へお参りすることができた。

 こんなふうに、急行は気軽に利用できる存在であった。

 しかし、今やJRの昼行急行電車は存在しない。

 昔より特急列車の停車駅が増えたということがある。また、特急列車の中の一部に「スーパー」などと冠された列車ができ、特急という種別の中に二段階の列車ができたということもある。かと言って「スーパー」でない列車の料金が安価になったわけでもない。

 一方で、普通列車の一部が快速列車として運転されるようになり、速達化が進んだ。中は特快などと称して急行並みに速い列車もできた。特別料金は取られないのだから、こうなると急行列車の出る幕はなくなった。急行料金というのも中途半端なものになってしまった。

 もう、JRに急行列車が復活することもないのだろう。

 私が急行「赤倉」を利用したことも、遠い夏の思い出である。


JR東日本165系電車 急行「赤倉」 信越本線新井駅にて 1989.8.31
# by railwaylife | 2019-08-31 11:00 | JR東日本 | Comments(0)

ヒグラシの音を聴きながら

 ヒグラシの鳴き声は好きだ。

 高音の優しい声も心地良いし、鳴き終わるときにテンポがだんだんとゆっくりになっていくところも気に入っている。暑さの中で、涼を感じられる音色だ。

 今からちょうど二十年前の夏、越前三国にある滝谷寺という古刹へ行ったとき、ヒグラシの大合唱を聞いたことがある。木立に囲まれた境内に歩を進めると、四方八方からヒグラシの鳴き声が聴こえてきた。その音色に身体がすっかり包まれるような、夢心地の気分であった。忘れられない夏の思い出である。

 いま、都会ではヒグラシの鳴き声を聴くことなどほとんどできない。

 でも、普段よく行く多摩川台公園では、かろうじてその鳴き声を耳にすることができる。
f0113552_20324453.jpg
 公園で、ヒグラシの鳴き声を聴きながら見慣れたこの風景を眺める。

 私にとっては至福のひとときである。


東京メトロ
9000系電車 東急目黒線多摩川駅~新丸子駅にて 2018.8.17
# by railwaylife | 2019-08-30 20:35 | 東急目黒線 | Comments(0)