土曜日のお昼時、用事の合間に渋谷を通る必要があった。
お昼時の渋谷を通りかかるのだったら、ぜひとも見送りたい列車があった。はるか北海道から一夜をかけ都心へやって来る貨物列車、3086列車だ。ちょうど、正午過ぎに渋谷を駆けてゆくダイヤである。
それでその列車を、渋谷駅近くの山手貨物線沿いで待ち構えた。
前夜から雨脚が強まったり弱まったりする不安定な天気であったが、昼前には雨は上がっていた。そして、列車を待つうちに薄日が差してきたりもした。
その所為で、雨上がりの大気が妙に蒸し暑く感じられてきた。十月も半ばなのにまるで梅雨時みたいだな、と思いながら白い空を見上げた。
やがて貨物列車は重々しく現れた。紅い機関車の顔がいつもと少し違う。EH500形の初期形と言えばよいのだろうか。
機関車を見送ると、あとはコンテナ車を一両ずつ数え上げる儀式だ。ほぼ荷が満載のコンテナ車はこの日もぴったり20両、そして、列車はきっちり30分遅れでの通過であった。
山手貨物線
3086列車 山手貨物線渋谷駅~新宿駅にて 2011.10.15