あじさい列車2010 第2章

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 4月末に「春の夕暮れ」を見送ったときと同じく、昨日は午後から私は表参道、妻は井の頭線の高井戸で用事があった。それでまた、それぞれの用事が済んだら夕方に合流することにした。

 妻の方が用事の終わるのが遅いので、妻は私に「渋谷で待ってて」と言ったが、私は「高井戸まで行くよ」と言い置いて、家を出た。前回経験したように、週末の渋谷は異様な人出であり、妻を待つ間にカフェなどで時間を潰そうとしても、落ち着ける場所がないという事情があるからだ。

 だが、それは表向きの理由で、実はまた井の頭線に乗ってみたいという魂胆があった。先日、あじさいの咲き具合を見るために井の頭線に乗車してからすでに一週間以上経っている。それで、そろそろ花が色付いているのではないかという期待があった。

 そこで表参道での用事を済ませた私は、すぐに渋谷へ出て井の頭線の電車に乗り込んだ。そして、前回同様、先頭車両の運転席の後ろに陣取って、線路際のあじさいの咲き具合をチェックすることにした。

 神泉駅を過ぎてトンネルを出た電車の車窓には、すぐにあじさいが見えてくる。駒場東大前駅到着手前の左手だ。見ればすでに紫色やピンク色になっている。私は心の中でにんまりとしていた。

 その後も、先日探したあじさいのポイントの咲き具合を入念にチェックしながら前面展望を見つめた。どの場所でも色付いてきた花が見られたが、まだまだ緑色の花芽も多く、ちょっと早いかなという気がしてきた。

 前回は妻と高井戸駅で待ち合わせたが、一つ手前の浜田山駅の方が都合が良いというメールが妻から来ていたので、私は浜田山駅で下車した。この浜田山駅から、一つ手前の西永福駅の間にも、沿線にはあじさいが多くある。まだ待ち合わせの時刻までには間があったので、私は西永福駅の方へ向かって歩き出した。

 浜田山駅から二つ目の踏切辺りからがあじさいのポイントだ。水色、青色、紫色と、色付き始めた花がちらほらと見える。私は彩りの鮮やかな花を探しながら、あじさい越しの電車を何本も見送った。すると、ついに「あじさい列車2010」が本格的に始まったように思えて、私は嬉しくて仕方なかった。

 しかし、夕暮れのすっきりしない空の下で花越しの電車を捉えるのはなかなか難しかった。もう少し撮り方を研究しなければいけないとは思う。

 花を見て回るうちに西永福駅まで着いてしまったので、私は電車に一駅乗って浜田山駅に戻り、妻を待った。

 今回の「あじさい列車」は、時期的に早かったこともあるし、花越しの電車を捉えるのにも慣れていなかったので、まだ「腕試し」みたいなところがあった。だから、もう少し見頃を待って、もっと鮮やかに色付く花をしっかりと捉えたい。それが今は、何より楽しみである。


京王井の頭線3000系電車 京王井の頭線西永福駅~浜田山駅にて 2010.6.5



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by railwaylife | 2010-06-06 10:57 | 京王井の頭線 | Comments(2)
Commented by やままさ鉄 at 2010-06-06 15:17 x
井の頭線にはしばらく乗っていないなぁ。
最後に乗ったのは、もう記憶がないくらい・・
でも、railwaylife様のところにくると、すごく日常のことなんだと思えるのです。
よくよく見るとこの電車・・、かつて九州を走っていたED72型のように見えなくもないんですね。
正面2個イチのヘッドライト、非貫通のパノラマウインドウ、はと胸ボディ?真っ赤に塗ってトレインマークをつけたらきっと・・。
現実的ではありませんが、そうぞうすると楽しくなります。

そうですか・・あじさいが見られるのですね。

数年前、箱根登山鉄道のあじさい電車に乗りましたが、あまりの混雑に子供たちが可愛そうで。。
雨の日の平日、のんびりとあじさいが見てみたいものです。

父親が退院することになりました。
ただ、毎週末、埼玉に通うのが避けられません。
食糧を積んで行って、ゴミを持ち帰る・・しばらく、電車でのんびり・・とはお別れです。
また鉄分補給にお邪魔させてくださいね。
Commented by railwaylife at 2010-06-06 23:26
やままさ鉄様、いつもご自身がたいへんなときにコメントをいただき、ありがたく思います。

写真の井の頭線3000系電車は、残念ながら先行きが長くないようです。私にとっては、大学四年間の通学に利用した思い出の車両でもあります。

私も箱根登山鉄道のあじさい電車に乗ったことがありますが、確かにシーズン中の電車は混んで大変でした。でも、あじさい電車は箱根だけではないと思っています。私は身近なところで「あじさい列車」を探すつもりです。
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